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ラブレス
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ラブレスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.49pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全92件 21~40 2/5ページ
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この作家は、短編小説に力を発揮すると思っていましたが、他の長編に比べて秀逸でした。女の一生、何が幸せなのか?妹を横軸に対比で描かれています。林芙美子の(放浪記)を思い浮かべました。ラストは人生楽しんで良かったなと心が揺さぶられました。 | ||||
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一昨日、谷村志穂『尋ね人』のいまわの境地に打ち震え『テネシーワルツ』の旋律が消え去らぬうちに本作を読み始めた。女性作家とは思えぬ隙の無い文体は、読み手の心に弛緩する暇を与えず頁を繰る手が止まらない。強引な比較だが、最近読了した船戸与一の大作『満州国演義』にも引けを取らないハードボイルドの極北に位置する物語りの名手と思えた。それに加えて一体どうしたことだ…?『尋ね人』に流れていた『テネシーワルツ』が本作にも登場するではないか?恰もドッペルゲンガーの恐怖。肝臓癌の再発を告げられた直後でもあり、己の死期が近付いた戦慄に覆われてしまった。先の退院後、生き急ぐように読書に耽溺している。おまけに今年に限って、桜を昼と夜の二度も観てしまった、愈々死期が迫ったか…。実は今、怒涛の終盤40頁を保留している、一気呵成が惜しいのだ。徐ろに頁を繰るが、恐らく日付を超えての読了になるだろう。空恐ろしい作品に出合ってしまった。 | ||||
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一人の女性が、大切なものの為に、自分の力で、必死に生きていく姿が描かれています。大切なものは、その時々に、妹、歌、愛する男、子供…。どれ程、悲惨な目に遭っても、何度も立ち上がるのは、守りたいものがあったからだと思います。その姿に、ただただ、胸を打たれます。解説も読み終わるまで、何度か涙しました。肉親の血の濃さが伝わる強い力を持った作品です。何度でも読みたい。 | ||||
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開拓村の貧しさ、旅一座、子どもとの生き別れ、様々な困難に遭いながら、歌うことを糧に、たくましくも儚く生きた女の一生が胸に迫った。 大きな意味での家族の物語でもあるし、叶わなかったからこそ美しい愛の物語もある。 北海道を舞台にした、戦後の昭和の時代の悲惨な情景も垣間見える。 しかし、主人公である百合江が最期を迎えるときに寄り添っていた老紳士の存在が、この小説の読後感をとても良いものにした。 自分の今は亡き祖父母にも、自分が知らないドラマティックな生があったのかもなぁと考えるとロマンがある。 また、ザ・ピーナッツの名曲情熱の花を見返すと歌詞の素晴らしさにおどろいた。 | ||||
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出会えてよかったと思える小説です。 大切な一冊になりました。 自分は道産子で小説の舞台を訪れたことも住んだこともこともありますが そこの気候や空気を肌で感じるくらい物語に引き込まれます。 | ||||
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ラブレスどころか愛がいっぱいあるじゃないですか。人間は生きてさえいれば不幸なんてないんだって思わせる力強さと勢いがあります。素晴らしい。見事です。 | ||||
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桜木さんの作品に出てくる女性は逞しすぎてドライで見方によっては 男にとって都合の良い女じゃないか、ともとれる。 どんな結果であれ主人公は選んだ結果を受け止めている だからただ怒り、辛い悲しいだけで終わっていない この作品に出てくる女性が逞しすぎるのは 時代背景もあり、そうでないと生きていけなかったからだろうけども。 百合江は第一子の父親に逃げられ未婚の母となり、 はじめて結婚した夫は金に女にだらしないマザコン夫だった。 借金のカタに働らかせられ、愛娘を勝手に売られ、離婚。 怒り涙し愛になれなかったものを諦め、一縷の希望を胸の奥底に沈め生きていく 人間は何の言っても所詮手前勝手な「いきもの」なのだと悟り。 売られてしまった子供が幸せになっているのを知ると、もうそれでよいと 名乗りもあげぬまま旅立とうとする親としての無償の愛情、人としての自立心も覗かせる 老衰、一番愛した男に見送られる、この最期は生き抜いたことに対する作者のご褒美だろうか | ||||
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北海道東部に育った二人の姉妹とその子供たちを中心に描くヒューマン物語。 幸せを掴もうともがき、やはり、つかめずに流されてしまう人理不尽さを、幼少期から最期まで実にドラマチックに描いた力作。 誰しもがこの世に生を受け、選んでいるようで、ただ流されていくしかない人生を歩む。 そんなこの作家のモチーフが余すところなく詰め込まれている。 桜木柴乃さんの作品は、どの作品も好きなのだが、敢えて言えば、これが一番。 | ||||
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序章において百合江が危篤状態で手に握りしめている位牌という 伏線を置いた事でミステリーにもなっています。 この伏線によりラストの描写に涙が溢れ止まらなくなりました。 読み終わってから数日間、やや放心状態。 百合江は極貧も不幸も絶望もはねつけるというより、 今日、明日を生きるという事に必死で、おそらく幸せとか不幸とか そうした一般的な尺度を持っていません。 そしてそれは仏教哲学に似ており、私にとっても生きる上での 指標のように思いました。大切な人達に贈りたくなる作品です。 宗太郎に会えたことが自分のことのように嬉しくなりました。 一家の歴史も描きつつ、登場人物ひとりひとりも浮き彫りにしいます。 尚且つ、物語のあちこちに挿入される楽曲で昭和という時代にも ノスタルジーを深く感じさせられました。大人の純愛は言葉は悪いけど演歌 のようにも思いました(良い意味で)。 忘れられない作品になるでしょう。これから桜木紫乃さんの作品を もっと読みたいです。ホテルローヤルも、もう一度読み直して みようと思います。本当に迂闊でした。素晴らしい作家さんですね。 | ||||
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テレビは見ないから家にない。 YouTubeで見つけたドラマのストーリーが凝っていて、 原作を探したら、この作家の「凍原」だった。 で、迷いつつ最初にこの作品を読むことにした。 正解。 世の中に翻弄されて生きていく百合江。 したたかでめげない、前向きなのがいい。 おもしろかった。 つぎに読むのは「氷平線」かなぁ。 | ||||
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・登場人物の関係が読んでいる途中でちと分からなくなることがある。あれ、これ誰の娘だっけ?従姉妹同士だっけ、それとも姉妹だっけ…みたいに。もうすこし登場人物を減らした方がよくはなかっただろうか? ・歯切れよく書いたつもりのト書きが、逆にキレの悪さに繋がっている。例えば小説書きの娘時代のエピソード、あるいはセリフから文学をなりわいにするような資質が見えてこない。 ・祖母のハギ、年を取ってから多少読み書きが出来る様になったらしいが、実際、年配者の学習能力には限界がある。読みは出来ても、書けないと思う。置き手紙は無理だろう。 あら探しは以上。 基本的に桜木は釧路舞台の小説を書くことが多いが、この小説が最も釧路らしさ道東らしさが出ていたと思う(私は行ったことないが)。他の作品だと、どうしても釧路で事件の起こる必然性とか、土地柄とか滲み出るものを感じない。 それから、ストーリーの中身から、かなり作者自身の人間としての奥の深さを感じさせる。実際は違うのかも知れないが、読者にそう思わせるだけでも成功だろう。 で、何よりも一気読み出来たことを評価したい。故に☆4。 | ||||
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女3世代にわたる凄絶な人生を描いた大河小説である。 昭和初期の北海道が舞台であり、杉山百合江を中心とした周囲の人物の孤独や貧困からくる人間の弱さを最後まで描ききっている。 あまりの悲惨さに読む手が止まることもあった。 自分とは相当にかけ離れた境遇に登場人物との目線が全く合わなかったがそれでも先が気になって仕方がなかった。 とても映像化は不可能だろう。本作品の持つ圧倒的な力は文章でなければ伝わらない。 2017.4.13 読了34冊目 | ||||
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桜木紫乃の小説は文庫が出るたびに読んでますが、期待通り面白かったです。 | ||||
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ホテルローヤルを先に読んで、次にラブレスを読みました。 ホテルローヤルは直木賞とって、ラブレスは直木賞候補だった。 なんでこっちが賞とれなかったのかしら?両方読んだ人はだいたいこっちのほうがすばらしいって評価だと思うんですが。 他の候補作との相性なんでしょうか?ラブレスを後に発表してたら受賞したかもしれませんね。 とにかく素晴らしい作品で、読み終わったあと、現実に帰ってくるのに時間がかかった。 まだちょっと、自分が北海道の雪の中にいる感じがする。 タイトルがラブレスというのが損してると思います。 ちょっと軽くて、月9のドラマタイトルみたい。なんか今売り出し中の若手イケメン俳優が出てきそう・・・。 私の感想としては「レス」なのは母と娘の間の愛がないってことなんだと思いました。 それでも、女は子供を産んで、またその子も子供を産んで・・・ 女は子供に対して愛情がなくても妊娠してしまうし、産まなくてはならないし、育てなくてはならない。 死ぬまで、子に対する愛情が持てなくても子供を死なせないように、必死で育てて、生きて、愛について考える余裕なんかなくて、こんなもんなんだと思いながら死んでゆくってことなんじゃないかな。 | ||||
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桜木 紫乃の作品は「水平線」で惚れた。 この作品も面白かったけど、「水平線」に入っている凝縮された力のある作品群の鋭く強い輝きには及ばない。 ぜひ「水平線」を読んでほしい。 | ||||
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道東を舞台にした姉妹ふたりの一代記なので登場人物は多岐にわたることになり、そのため登場人物の関連が多少コンフュージングなるかもしれない。 ただ、主題となっているのは、流れる(あるいは、流される)運命を宿命のように選んでしまう姉妹の姉、百合江で、彼女を中心に物語は回り、副流として妹の里実の人生が描かれている。 読むとすぐに解ることは、このお話が、北海道、とりわけ道東以外の地域に舞台を置きかえるとほとんど成立しないということです。 物語は昭和25年頃から始まり、そして現在にまで至る。 著者は、北海道の道東の開拓村に根を張ろうとして、内地から入植した夫婦の終わりのない悲惨な状況を説明しつつ、その夫婦の子供である二人の娘、百合江と里実の一生を丁寧で緻密な筆で綴っている。 この物語の登場人物たちの誰一人にも、安易なハッピー・エンドはない。 「結局、当時の開拓民、そして、その子供達は、前に向かって1日1日、必死でその瞬間を生きるしか術がなかった」 と達観したような著者の視線を感じる。 その中に、安っぽいテレビドラマのような、甘い救いのようなものが込む余地はない。 著者の冷徹ともいえる目を通して、多くの登場人物達が生き生きと動いている。 直木賞(ホテルローヤル)を取るひとつ前の作品ですが、この作品ですっきり受賞させるべきだったと思うくらい、読み応えのある長編でした。 道東の現実の歴史に長く触れてきたであろう著者以外では、おそらく書くことができなかった物語でしょう。 作品に出てくる、『丸三鶴屋デパート』、『泉屋』、『金平館』 の名前は道東出身者なら馴染みの実在名詞で、この物語のリアリティーさに一役買っている。 | ||||
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最後、駅のホームの椅子で声上げて泣いた私はカッコ悪いっす…笑 | ||||
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まず描写や表現について述べる。 冒頭の登場人物たちの関係は書かれているが、一人ひとりの性格やら容貌などの基本的な作業がないので、人物の特定に時間がかかる。逆に言えば、宗太郎や綾子や卯一などは分かりやすい。ラブやら女性の人生やらを描くのに、登場人物の詳しい設定は不可欠だと思えるのだが、職業やら、現状(職業や妊娠など)ばかりでは、人物の設定が理解しにくい。 作中で人称(視点)が変わることがあるようで、いわゆる神の視点で書いているのが突然、何の脈絡もなく登場人物の視点に変わるような不自然な場面がある。視点の切り替わりのタイミングが分かれば、切り替えても問題ないのだが。 同じように現在の話として語っているシーンで突然過去形の表現が入る。あるいはその逆もある。 時間の推移を述べる時に例えば「その年の暮れ、街に例年よりひとあし早い積雪のあった週末」という表現がなんか所か出てくるが、突然シナリオのト書きのような表現に代わることには違和感を覚える。 山の端とか青空も繰り返し使っているが、表現の貧弱さを感じさせてしまう。自然を暗喩として使うならば、もう少し違う使い方があるだろう。 理恵が新人の小説家だということが何カ所か出てくる。新人賞をもらったとか小夜子に取材なのかとか、夫が推敲するとか。この話がなぜ必要なのだろう。いやむしろ理恵という百合江の娘である登場人物の価値を貶めてしまっていると思われる。娘が老衰になった母の過去を追いかける気持ちを純粋なものとして描くことが、女たちの生き方に対する描写として効果的なのではないか。 さて、女性の生き方を姉妹の話として書き、愛を自分のアイデンティティーとしようとするが、子供や生活のために打算的に生きざるを得なかったという現実を、ラブレスと作者は言いたかったのかもしれないが、百合江と里美は愛を持たなかったわけではない。子供への深い愛、一度は結ばれても結実しなかった男たちとの愛はこの小説の根幹だろう。さらに宗太郎や石黒も慈愛にあふれている。なぜラブレスなのか、わからない。確かにボリュームのあるストーリー展開、そして極寒の地の赤貧の生活という設定は非凡なもので圧倒される面もあるが、私には時代設定などを無視すれば、現代にもあるありふれた話のように思える。ただし、この類の話はあまり小説として見たことはないような気がする。超現実のライトノベルにはありそうだが。 | ||||
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ストーリーと人物の心情描写がすばらしく 作品にのめりこんでしまいました。 忘れられない一冊になりました。 | ||||
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道東の極貧家庭に生まれた女性、 百合江の人生が軸になっています。 桜木さんは好きな作家です。 ほとんどの作品を読んでいますが、 特に本作は、ガッツリと心をつかまれて、強く、深く引き込まれていく物語です。 途中、娘を探すくだりでは、さすがにつらくて、読むことができませんでした。 「あとのことは、あとから考える」 そうやって自分を静かに貫く百合江の姿に 最後は涙してしまいました。 間違いなく 読みごたえのある力作です。 | ||||
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