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(短編集)

怪談



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怪談

怪談の評価: 3.18/5点 レビュー 11件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.18pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(3pt)

小泉八雲の『怪談』のオマージュで、舞台を現代に置き換えたミステリ仕立ての短編集

小泉八雲の『怪談』のオマージュで、舞台を現代に置き換えたミステリ仕立ての短編集。

夢オチか?・・・そして・・・など、謎解きよりも奇妙な味の方が近いだろうか。この手の作品は、往々にして、スラスラ読めて、スカッと忘れしまう。そもそも、本家本元の『怪談』を、しっかりと読んだことがないのだった。

雪おんな、ろくろ首、むじな、食人鬼、鏡と鐘、と続き、本短編集のラストを飾るのは、ご存知「耳なし芳一」。ストーリーが本家本元の「怪談」をなぞっており、なおかつオチが効いている。本作品がマイ・ベスト。
怪談Amazon書評・レビュー:怪談より
4334927939
No.3:
(3pt)

空気感が良い!

短いのであっという間の読了ですが、読後に残る空気感が好みです。
ハーンの怪談を元にしつつ現代劇にアレンジしてるのは、上手くいってると思いますけどね。元ネタがあるんだから、オチが読めるとか怖くないとかは言い出したら成り立たないし、単純に読めばいいんだと思います。
星は3ですが、3.5くらいの気持ちで。
怪談Amazon書評・レビュー:怪談より
4334927939
No.2:
(3pt)

おもしろい。

怖くはないんです。ただ面白い。
怖さがないと言うのは、どの話についてもオチが読めてしまうから。
面白いと感じたのは、オチが分かっても不快さを感じないほどの文章力・構成力があるから。
柳広司は初読でしたので、他の作品も読んでみたい。
怪談Amazon書評・レビュー:怪談より
4334927939
No.1:
(3pt)

素材と作家の個性のミスマッチ

小泉八雲の名作「怪談」の設定を現代に変更し、換骨奪胎した作品。著者は「坊っちゃん」「山月記」といった古典の翻案を手がけているためか、最初に感じる印象は実にうまい。設定にぎこちなさがなく、すらすら読める。読むスピードの速い人であれば、1冊読み切るのに1時間かからないのではないだろうか。

ただ、小泉八雲の「怪談」が怖さと人間のペーソスを両立させているが、本作にはその双方が欠けていると言わざるを得ない。柳広司作品の面白さは、短篇長編を問わず、その合理的な筋立てと、意外ではあるが論理的な結末にある。だから、柳広司作品はおしなべて端正でありそれが魅力なのだが、それは怪談の持つ不条理さとは水と油のような印象を受けた。他のレビュアーが指摘するように、作品に合理性を持たせようと謎解きをするが故に、怪談本来のおもしろみが失われているのである。

加えて、柳広司のミステリは登場人物のペーソスにはあまり重きを置かず(重きを置きすぎるとTVの2時間ドラマのようになってしまう)、知力を尽くしたゲーム的な要素が強い。その乾いた部分が湿り気の多い日本のミステリの中では大いに魅力的なのだが、その日本的な湿り気の極めて強い怪談を書くとなると、その柳広司の個性がマイナスに働いてしまっている。

わたしは、柳広司のミステリだけではなく、古典を翻案した作品のファンでもある。本作は、作家の個性に合わない分野に手を出してしまったと思わざるを得ないが、次回作を大いに期待している。
怪談Amazon書評・レビュー:怪談より
4334927939

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