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(短編集)
あんじゅう 三島屋変調百物語事続
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あんじゅう 三島屋変調百物語事続の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.61pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全85件 61~80 4/5ページ
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深まりゆく秋の夜、誰かの物語にふと耳を傾けたくなる。 宮部みゆき『あんじゅう 三島屋変調百物語事続(ことのつづき)』 (2010)を読む。初出は読売新聞(2009.1-2010.1)。 宮部の作品を読むのは久しぶりだ。 自らも不幸な物語を背負った主人公おちかは三島屋に預けられ、 ふとしたことから黒白の間で 訪問者の不思議物語を聴く役を引き受けることになる。 この設定がうまい。読者を物語に誘う舞台装置として機能している。 本書におさめられた四作品とも読み応えがあるが、 僕は表題作になった「あんじゅう」が一番好きだった。 隠居した老夫婦と、人が見捨てた屋敷に住むクロスケの交流と別れが なんとも切ない。不思議なだけでなく、哀れな物語なのだ。 装画・挿絵・装幀を務めた南伸坊が実にいい仕事をしている。 見開きごとに収められた挿絵は 普通なら文章を読む邪魔になるのだろうが、 物語にピタリはまっている。 ほんわり温かさのある語り口に 実にうまく寄り添っている。 本文デザインを担当した山影麻奈との協業の賜物か。 語り手の名手・宮部の百物語。 早くも続編をせがみたくなる。 未読でしたら、読書の秋の一冊にぜひ。 (文中敬称略) | ||||
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宮部みゆきの作品は、『名もなき毒』と『楽園』あたりで、 「ああ、もう読まなくてもいいかな」と見切りをつけかけてしまったのだけど、 本書では「おっ、この人まだまだいけるな」と思わせてくれて、ちょっと安心してしまった。 自分の中では、宮部みゆきは新潮文庫で新刊バンバンだしてたあたりがピークなので、 最近はあまり熱心に読んでなかったのだが、本書の前日譚『おそろし』がそれなりに面白かったとの 評判を聞いたので手に取ってみたのだが、久しぶりに宮部作品で心に染みいる話を読ませてもらった。 本編は、とある事情を負った少女・おちかを聞き手に、身分も境遇も多様な人々が自分の身の上に、 あるいは周囲で起こった不可思議な出来事を語り明かす、オムニバス形式の江戸ミステリー。 恩田陸が好む「密室に多数の人が寄り集まって、かつて起こった事件を解き明かしてゆく」スタイルに 似ているが、ドロドロしたところがなく、ほろにがい味わいは宮部みゆきならではのもの。 同氏の『霊験お初捕物控え』のような緊迫感はないが、『あかんべえ』のような切なさが好きな人には、 おススメしたい。 さて、順序が逆になってしまったが、次は『おそろし』を読むとするか。 | ||||
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といいたくなる位素晴らしい作品♪ 挿し絵がほんわかしていて とっても可愛い(^^)! お話しも一つ一つが面白くて 読みだしたら止まらない★★ 宮部みゆきさんはこういう 世界を書くのが上手♪♪ | ||||
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次回作も期待出来そうな、まだまだ、謎の多いキャラの脇役達を布陣しながら、 おちか、の心が少しずつ、溶解してきています。宮部の人間に対する視点の暖かさがちりばめられた、いい作品です。次回作も読みたい! | ||||
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この世界、わたしはすっごく好きで、けっこう、はまっちゃいました。 いわゆる「時代小説」=江戸時代を中心とした風俗・人情をベースとする世界が好きなかた(A)で、 こわくて、ちょっとおどろおどろしい話しが好きなかた(B) の、両方が「YES」なら、絶対お勧め。集合(A)と(B)の真部分集合、山本周五郎・藤沢周平が好きで、横溝正史も好き、 って感じかな。 じっくり味わいながら読むと、目の前に江戸時代の、それはユニークな世界が広がります。 宮部みゆきさん、是非、第3巻を! | ||||
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本書は、読売新聞に2009年1月〜2010年1月まで連載さ れていた作品です。これだけでも楽しめますが、できれ ば三河屋変調百物語事始を読んでからの方が、より楽し めると思います。 前巻で一つの区切りがついてしまっているので、この 後どのような展開になるのか・・・と思ったのですが、そん な心配は無用です。百物語に相応しい、前巻に劣らない、 いや、むしろより心惹かれる話が詰まっています。 特に、カバーや表紙のイラストに出てくる生き物「く ろすけ」にまつわる話(第3話「暗獣」)は、決して楽し い話ではないけれど、心温まる傑作です。この話を読む ためだけにでも、この本を買う価値はあると思います。 また、連載時に使用された挿絵が各頁に載っているの ですが、それが良い味わいを出しています。文庫になる とこういう部分はカットされてしまうので、今後文庫が 出たとしても、この単行本をお勧めします。 | ||||
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ぜひ本書は書店で手にとって、頁を開いてみていただきたい。 南伸坊氏の挿絵が見開きごとに入っており、なんとも、ほのぼの、楽しくなる。 印刷技術も発達したものだと感心したが、見開きごとに挿絵を入れて、しかもその絵が文章と見事に呼応しているのである。 いかに現代の技術をもってしたとしても、こういう本に仕上げるための手間は、並大抵ではなかったはず。 筆者と、挿絵画家、装幀家、編集者がそれぞれの場所で、並々ならぬ努力をこの本につぎ込んでいる。 いや、真に並々ならぬのは、この本に対する愛情であろう。 筆者と、挿絵画家、装幀家、編集者、そしてひょっとすると流通の人も含めて、この本には膨大な愛情が籠められているのだ。 だから、手に取ったとき、ほっこりと暖かい。 電子書籍に負けない「紙の本」の魅力を、とことん追求した一冊である。脱帽。 | ||||
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いつも思うのですが、宮部みゆきさんの江戸ものは素晴らしい。 庶民の生活が生き生きと手にとるように描かれている。 温度やにおいまで感じます。 今回の3話も非常に良かった。「くろすけ」の話には号泣 しました。 人間ていつの時代もいいなあ。そして、人間同士のふれあいの価値観て 昔から余りかわらないのだなあと感じます。 これからも三島屋のお話集め、続きますように!! | ||||
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単行本になるのを待ってから読みました。 人の心が生み出す闇、やるせなさ、せつなさ…。 特に表題にもなっている『あんじゅう』は悲し過ぎましたが、 どのお話しもその闇とは逆に必然であるかの様な人の縁、温かさがいっぱいです。 あばた顔のお勝をはじめ温かくも優しい人間味溢れた人々が集い、 百物語を通じておちかの仲間になっていく。。。 トラウマ?を乗り越えたおちかは誰と祝言を挙げるのかなぁ…。 今後も楽しみな時代小説の秀作です! | ||||
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ある事件がもとで心に深い傷を負い、神田の三島屋という袋物屋を営む叔父夫婦のもとで 暮らすことになったおちか。彼女は、人びとが心の内に抱える「不思議」を聞き出していた。 ある日おちかは、「紫陽花屋敷」と呼ばれる空き屋敷にまつわる不思議な話を聞く。そこには、 意外な「不思議」が隠されていた・・・。表題作「暗獣(あんじゅう)」を含む4話を収録。 三島屋変調百物語シリーズ2。 まずひと言。うまい!本当に宮部さんはうまい!それぞれの話の中に込められた作者の思い。 そのひとつひとつが、読んでいてしっかりと伝わってくる。きちっとしたテーマを持ち、 ストーリーを構成していく。読み手をしっかりと物語の中に引き込んでいくその巧みさには、 ただただ感心するばかりだ。 どの話も甲乙つけ難しという感じだが、特に心に深く響いたのは「暗獣」だった。くろすけが なぜ生まれたのか?そして、くろすけの宿命とは?人とくろすけとのふれあいがほのぼのとして いる分、ラストは悲しみが深かった。いつまでも余韻が残る話だった。「逃げ水」は、誰からも 必要とされなくなってしまうということの悲哀を描いている。人でも神でも、存在価値を認めて もらえないということは本当につらいことだと思う。「藪から千本」は、ひとり娘を愛する気持ちは 同じなのに、心の中に闇を抱えてしまったために起こった悲劇を描いていて、読み応えがあった。 「吼える仏」は、外部との接触を絶った里で起こった出来事を描いている。人の心は、仏にも 鬼にもなる。人の心の醜さが里の運命を変えていくさまに、ぞっとする思いを味わった。 起伏に富んだストーリー展開や、登場人物の細やかな心理描写も、読み手を充分満足させる。 読後も満足♪とても面白い作品だった。 | ||||
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暗獣を読んでいると知らないうちに涙が溢れてました。最近多い『泣ける』『『感動』をうたった何とか小説にはないこの感じ。さすがです。 | ||||
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変わり百物語シリーズ第2弾。前作「おそろし」と同様、舞台は江戸時代の 江戸・神田。許婚を失った少女・おちかが変わり百物語を聞いていく話です。 第一話『逃げ水』、第二話『藪から千本』第三話『暗獣(あんじゅう)』、 第四話『吼える仏』。どれも、幽霊物語というよりそれにまつわる人情話 がメインです。 特に『逃げ水』は面白い。周囲の水がなくなってしまう少年が主人公なん ですが、そんな不思議な現象もあくまで話のとっかかり。それより、少年 にまつわる人間模様の物語にぐいぐい引き込まれていきます。いつも感じ るのですが、宮部みゆきって、物語の発想も当然面白いけど、ストーリー テラーとして能力がすごいです。広告でも面白い物語にしちゃいそう。 歴史モノが苦手な人でも楽しめる物語満載です。分厚い本2冊で(たしか) まだ8話なので残り92話。まだまだ百物語まで楽しめそうなシリーズです。 | ||||
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宮部みゆきの本は、書店の女流小説の書棚にはない。「エンターテインメント」の書棚に並んでいる。この本はエンターテインメント時代小説の単行本化の第二巻目ということで、絶好調の三島屋のおちかの「百物語」聞き取りシリーズである。第一巻目は角川から単行本が出たが、二冊目はどういうわけか中央公論から出てきた。面白ければ、出版社はどこでもいい・・・・・。 作者のインタビューによれば、奇数巻は怖ろしさを、偶数巻はユーモアにあふれたものをとの思いがあったらしいが、本書もけっこう恐ろしい。脇役がほぼ出そろってきた感じで、彼らの個性的なキャラクターがユーモアに溢れているといっていいだろう。 本書にも4話おさめられているが、それぞれが読み応えがあり、怖ろしさもそれぞれ異なる。 この本を読んであらためて、日本語の、それも漢字の読みの奥深さとか妙味をも味わうことができ、興味深いものがある。 経緯は「ゆくたて」、守宮は「やもり」、生計は「たつき」、暈は「かさ」、躑躅は「つつじ」と読むなんて、海外翻訳本ではまず味わえない。 | ||||
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三島屋のみんなは相変わらず元気で、おちかもますますの娘盛りを迎えながら、奇想天外な百物語が展開していくという設定は、面白くないわけがない。そのうえ今回は、いつもの画風とは異なる南伸坊の挿画が、いたるところに登場して、何とも楽しい。ありえるはずのない暗獣までにも涙してしまう、いつしか普遍的テーマを語る宮部節の上手さには、唸らせられるばかり。「人恋しいという<想い>にとって、人はそれを消す存在なのである」などという哲学的な言葉まで散りばめられていて、このシリーズも次回作が期待される。 | ||||
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新聞で、何編か目にしたものの、いそがしさで全て読んでいませんでした。いつかじっくり読んでみたいなと思っていました。 ある日、面白そうな本はないかと探した所、偶然目にしたのがこの本で、あまりにもの愛らしさに、表紙買いしました。 内容は勿論、沢山の挿絵にも癒されます。新聞連載だったからという点もあると思いますが、まるで絵本をみているようです。小説では珍しいです。小さいお子様から全ての世代の方におすすめしたいです。 それにしても、くろすけ可愛いすぎます…。 | ||||
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「おそろし」に非常に惹きつけられ期待して購入いたしました。 内容はおそろしとはまた違った可愛らしい話でしたが、 最後までひきこまれ読後感も爽やかでした。 宮部作品が人を惹きつけるのは人の心の本質を掴んで いるからだと思います。 お薦めします。 | ||||
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新聞連載時のファンであった家内に勧められて読んでみた。 商家の娘が世間の不思議を百話聞き集めるという趣向だが、おどろおどろしいものではなく、どこかせつなくなるような 、人をやさしい気持ちにさせる4話の怪異譚である。心理描写がややくどく、物語の進行がまどろこしく感じるところもあったが、全体としては重みのある文章と丁寧な人物描写でしっかりと作りこまれた物語世界にぐいぐい引き込まれていく。500ページを越える大部の作品だが、読み終わったあとまた最初の物語に戻って読み直したくなる、そんな愛着を感じる作品だった。 | ||||
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前作の「おそろし」が正統派怖い系とすると、今回は可愛い系です。 表題作の「あんじゅう」がとても良い! あんじゅうの可愛らしさ、愛しさ、切なさにキュンキュンしました。 「おそろし」の方が迫力はあって好きなのと、 最後の章が短すぎていまいちだったので、 星4つにしましたが、十分面白い本だと思います。 若旦那に加え、素敵な寺子屋の先生も出てきたので、 主人公の恋の行方も気になるところです。 | ||||
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前作に続き、今作もおちかはとても聞き上手です。 おちかに不思議を語りたい人は後が絶えません。 作者の宮部さんは、現代物、時代物、SFなど、 多彩なジャンルで活躍されていますが、 私は、宮部さんの作品の中では時代物が一番好きです。 時代背景(江戸時代)をしっかりと勉強されていて、 その時代の人々の暮らしが生き生きと描かれているからです。 よく、時代物とは名ばかりの作品を見かけますが、 その点、宮部さんの時代物はいつでも安心して読めます。 もちろん、歴史にとても詳しい方には物足りないのかもしれませんが… 4つの短編のすべてがとても面白く、 いつもながら、物語の世界にどっぷりつかり、一気に読めました。 | ||||
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いい大人がまさか大泣きさせられる事になろうとは。 笑いたい人 泣きたい人 心が渇いてしまっている人 必見です。 | ||||
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