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(短編集)
バイバイ、ブラックバード
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バイバイ、ブラックバードの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.07pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全15件 1~15 1/1ページ
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太宰治の「グッドバイ」へのオマージュとして書き始められたという本作。 私、当該作品も読んだこともありません。そして本作、「ゆうびん小説」として一話ずつ抽選で読者に送ったということ。これまた風変りな仕掛けをこさえたものです。 でねえ、本作の話ってのが五股の話。五股ですよ五股! ただ伊坂氏が言うところによると、本作は恋愛小説ではない、とのことでした。ここが難しいところですよね。五名も素敵な女性が出てきて、自然と素敵な女性たちを想像してしまいますよねぇ。もう五人分、タレントを頭のなかに思い浮かべてしまいます笑 だけれども恋愛小説ではないのです。だから、ここはあらぬ妄想をぐっとこらえて、真面目過ぎる星野一彦(主人公)と五人の女性の異なる個性が描き分けられる、ということを再認識するべきなのでしょう。 ・・・ 評価が難しいのは、分かれ話をしに行く一彦の一連のアクションではないでしょうか。 <あのバス>に連れていかれる前の、最後の願いとしてお付き合いしている女性たちにお別れの挨拶をしに行くわけです。つまりもう二度とこの女性たちには会えない。その中で、別れの挨拶をする、五股の事実を突きつける、そして挙句の果てに彼女らの将来を気にしたり、健康を案じたり、何かちょっとでも良いことをしようとする。 その心遣い?を「やさしさ」と捉えることもできますが、やはり「てかそもそも五股とかしていなければこんな悲劇おこらなくね?」みたいなそもそも論になりそうです。 繰り返し申し上げますが、本作、恋愛小説ではないそうです笑。 女性の描き分けと彼女らとの洒脱な会話、そして現実離れした設定こそが醍醐味ではあるのですが、楽しむことに集中できずに、五股の件を突っ込む方が多くありそうな気がしました笑 ・・・ 他方、一彦を<あのバス>に載せるまでの監視役として登場する繭美。 彼女は、私の想像だと常にテンションの高い口汚いマツコ・デラックスみたいな方です。この繭美と一彦、シュールで乱暴・そして洒脱な、なんとも味のある会話を繰り返していました。 ただ読み続けると、最後は少し繭美も「丸くなった」みたいな感じになる気がしました。徐々に一彦のリクエストに答えるようになっていってませんか? この変化を、一彦の人間的魅力、と捉えることもできましょうし、また繭美も含めて、人の相互作用をいう事も出来ましょう。 いずれにせよ会話にリズム感があり、ギャグも私好みで楽しかったです。 ・・・ そして、散々繭美へ期待を持たせつつ、結局一彦は<あのバス>に乗せられて行ってしまい、物語は終わります。結局<あのバス>が何かも分からず、一彦がどうなるかも分からずに終わる。 物語の終わりを読者に託すという決着のつけ方、終わりを限定しない、という、広く地平が広がっていく所がいかにも伊坂氏らしいなあと感じました。 ・・・ ということで、今回も少しテイストの異なる、風変りな作品でした。 元ネタになっている太宰治の作品「グッドバイ」も読んでみたくなりました。 WOWOWでドラマ化もされているようですが、好きな方は見てみてよ良いのかもしれませんね。 | ||||
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奇想天外なストーリーと、回収型の構成が楽しい伊坂ワールドが好きですが、今回は回収もなく、意味もわからず終わってしまった。 「読者の想像にお任せする」にしては雑過ぎる。 そもそも、別れる彼女へ脈絡ない理由を告げる。事自体、気持ちが悪いなぁと思いながら読み続けましたが、それはこの後によっぽどの回収があるのだろうとの期待から。 しかし、気持ち悪さを5回も繰り返され、終わってしまった。 繭美が拉致された辺りで、「おっ」とうとう来たな。と思ったも、それ以上発展せず終了。 総じてレビュー点数が高いので、私が少数派なのはわかりますが、私は今回は合いませんでした。 | ||||
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遅ればせながら、伊坂さんの作品をここから入りましたが、淡々としながら飽きない展開で面白かかったです。 つい、ここからたくさんの伊坂さんの本を読むことになってしまいました。 | ||||
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すごく太った女性に付き添わて、数人の女性と別れ話をするのだが、最後まで太った女性の正体はわからず仕舞いであった。 | ||||
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主人公星野は、とある組織に、とあるバスで、とある場所に連れ去られる。 その使者として来た繭美と一緒に、 連れ去られる前に5人の恋人達に別れを告げ始める・・・ 使者繭美の、組織の正体は?そして、行きつく結末は? 良くも悪くも伊坂作品らしい連作短編小説。 終わり方はおそらく読者の求めるものではない。 しかし、それも含めての伊坂作品。久しぶりに楽しみました。 | ||||
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残り20ページあたりからイヤな予感がしてきました。 そしてそれは全て読み終えた時に的中しました。 「ああ、ゴールデンスランバーと一緒だ」これが私の第一印象です。 結局この作品も「あのバス」とは何か? 「太った女の属する組織」の正体は? というような物語の根幹、つまりミステリーでいうところの肝となる部分を放棄 してしまっています。 勿論結末を読者の想像に委ねる手法もアリです。しかそれはラストで太った女が 必死でスターターをキックして、その後どうなったかという部分では許されます。 しかし上記の「?」の部分について記述しないのは、小説として非常に不誠実だ と言わざるを得ません。 あの「ゴールデンスランバー」とて、絶賛している方の多くは著者の固定ファン であり、普通の読者が読んだ場合は、「それはないだろ!」という意見が多数な んですね。 まあこれから伊坂作品を読む場合は、この事を覚悟しておく必要がありますね。 内容やキャラは超絶だっただけにその部分が残念です。 | ||||
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伊坂氏の作品の中でも最も自由奔放に綴られた物ではないか。テーマはいつも通りで、人生を歩んで行く上での無私の優しさや思い遣りの大切さを扱っているが、今回の設定はいつにも増して奇抜。繭美のキャラクター設定や繭美と主人公との間で交わされる言葉のギャグには(特に前半)声を出して笑わされた。「フレンチ・コネクション」、「ドカベン」、「キャッツ・アイ」、「13日の金曜日」、「銀河鉄道999」等の多くのネタ元がある点も特徴的で微笑ましい。 しかし、全体の出来としてはどうであろうか ? 各5編が別々に発表されたという事もあって、各編はそれなりに纏まっている(特に第5話の出来が良い)のだが、それらを繋ぐ筈の<あのバス>に関しては不満が残る。本作を読み進めている方にとって、<あのバス>とは一体何で、その目的地は何処なのかを知りたいと思って頁を繰っていると思う。それを、結局は読者の想像力に任せる(あるいは5つの物語を紡ぐための単なるダシとする)のはエンターテイメント作品としては如何なものであろうか。 そして、<あのバス>に関する秘密を明かさないのなら、最終の第6話を(書き下ろしで)加えた意味が理解出来ない。表裏一体ではあるが、「繭美=主人公」である事は最初から分っている事なので、ワザワザ書く必要性があったとは思えない。元々、<あのバス>の存在を気にせず、各編を気楽に味わって貰えれば良いとの趣旨だったのだろうと思う。その意味では、充分楽しめる作品に仕上がっていると言って良いのではないか。 | ||||
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10年07月の単行本の文庫化です.一篇ごと50人限定で届ける『ゆうびん小説』として発表され, その発表(送付)済みの五篇に,書き下ろし最終篇を加えた全六篇の連作短篇集となっています. 女性を五股に掛けた男が,金髪巨漢女性と彼女たちの家を巡り,別れのお詫び行脚をする物語. おおざっぱに言ってしまえばこういった感じですが,修羅場やドロドロした雰囲気はありません. ただ,裏表紙にあったあらすじではピンとこず,いざ読み出してみても背景はぼんやりしたままで, いくつものキーワード,謎だらけの金髪巨漢女性など,しばらくは戸惑いが先に来るかもしれません. 実際のところ,結末を含めて大部分は明らかにならず,消化不良にも思えてしまうのですが, これをお詫び行脚ではなく,それを続ける五股男と金髪巨漢女性のロードムービーと捉えれば, 疑問やモヤモヤした部分は確かに残るものの,そこまで大きな問題でもないように感じられます. そうすると,五股というヒドさながら,どこか憎めず,まして親しみすら覚えてしまう男と, 某デラックスを連想する金髪巨漢女性,そんな二人のやり取りや行動に別の面白さが見え始め, そして読み終えた後,これがわずか2週間ほどの出来事だったことに気づき,また驚かされます. フェイドアウトしていく最後も,成功を願ってしまう反面,いやいや,どうせ失敗して…と, 正反対,どちらもあり得そうなのがユニークで,魅力ある二人が残す余韻と想像が楽しめます. なお,巻末には解説の他に,約30ページほどある『伊坂幸太郎ロングインタビュー』を収録. 珍しいスタイルで発表された本作への思いや,幅広く小説への考えなどについて語っています. | ||||
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「ゴールデンスランバー」以降の伊坂作品には、 結末のないものが多い。 あとは読者の想像力にお任せします、 という終わり方。 これを中途ハンパととるか、 サービスが足りないととるか、 楽しいととるか、 有難いととるか・・・ 主人公は、自らの性格ゆえに5人の女性と交際していた。 しかし、これまた自らの性格ゆえ(理由は明らかではありません)借金を背負い、 また踏んではいけない人の尻尾を踏み、 「あのバス」に乗せられてしまう運命にある。 とても恐ろしい、テーブルマウンテンにひとり取り残されるように恐ろしい「あのバス」。 「あのバス」に乗せられるまでの役2ヶ月を監視役の女性とともに過ごしながら、 せめてその5人の女性ときちんと別れたい、と、 お別れを告げる日々が始まる。 それぞれの女性との馴れそめからユニークで面白い。 5名の女性、そして監視役の繭子とのやりとり、 繭子の恐ろしくも憎めない性格、 伊坂ワールド全開で、 笑えたり、じ〜んときたり、考えさせられたりする。 これはもともと、50名の読者に郵便で短編を送るという企画だったそう。 5編の短編と書き下ろしの最終章からなっている。 「あのバス」がいったい何なのか? 彼はなぜ、借金を負うことになったのか? 繭子は誰で、 結局、彼女は彼を助けたのか??? ほっこりと、幸せな気持ちで、 でも結末をわくわくしながら楽しみにしながら読み進めたが、 ・・・あぁ、やっぱりモヤモヤする・・・ | ||||
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主人公(?)星野は、身長180センチ体重180キロの繭美とともに、五股をかけている女性たちそれぞれに別れを告げに行く。 わけれを切り出すと、 「あれも嘘だったわけね」 と始まる。 なぜ別れを告げに行くのか、 星野は「あのバス」に乗って連れて行かれてしまうからだ。 星野と繭美と5人の女性たちとのやりとり、先が気になる終わり方が伊坂作品らしさを感じます。 これの前に読んだ「マリアビートル」が非常に面白かったせいか、やや物足りなさを感じてしまいました。 | ||||
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5股をかけてた星野ちゃんは、「あのバス」に連れて行かれることをきっかけに彼女の家を巡り別れ話を切り出すが、隣にはマツコデラックスのような見張番の女性が・・・。 伊坂さんらしい笑い、感動、驚きが散りばめられてる短編集。正直物足りなさは感じる内容ですが、やっぱりこの世界観は癖になります。 | ||||
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いまいち入りきれなかった印象です。 多分それは伊坂氏のセンスに私が追いついていないだけかも知れませんが、氏のほかの作品に比べるとどうしてもリピ回数が少ないです。 まず全体を通して強烈なインパクトで話の中心となるのは繭美という巨体の女性で、彼女のセリフにはかなりの癖があるのでこれについていけないと読み進めるのは苦痛だと思います。 主人公となる星野は、5股をかけていたどちらかというと気弱な男性。 星野は繭美に「あのバス」に乗らされてしまうことになり、それぞれ5人の女性に別れを告げていく短編風物語になっています。 読み返して見ても、氏の作品の中では突出して小難しい作品ですが、中には痛烈なユーモアと絶妙な比喩も混ざっていてその辺は楽しめました。 また、他の方も書いているように本の装丁が素晴らしく、カバーの素材の工夫やしおり代わりの紐、中身の模様など色々な点で綺麗だと思いました。 『バイバイ、ブラックバード』 伊坂氏のファンだったら買いでしょう。 買おうかどうか迷っている方は、『死神の精度』『チルドレン』といった短編集を読んでからこちらをご購入ください。 | ||||
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何でこんな情けない奴がそんなにモテるのだ。 それに別れ方が、綺麗すぎる。もっとドロドロな別れのパターンもあってもよいのにな。 どうしてこんな奴に引かれるのか、なんて思っていた繭美までもが惹かれてしまうってのは笑えた。 | ||||
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まあまあ、だったと思います。 軽く笑わせてくれたり、ほんのり感動させてくれたり、悪くない部分もありました。 SOSの猿やモダンタイムスで感じたような残念さは持たなくて済みました。 しかし、死神の精度、で感じたような圧倒的なすごさも感じられませんでした。 深さを感じられなかった、というのが率直な感想です。 「最後にドンと来て欲しい」という期待を持ちながら読み進みましたが、期待ほどには来てくれませんでした。 | ||||
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とある事情から、人間関係を精算しなければいけなくなった。 だが、彼は5股をかけていた。 短編1本につき、ひとり相手との関係を清算する。 どろどろした感情は一切排除して、いつも通りの軽快な文章で物語は進む。 短編を1本読むだけなら楽しめるのだが、それを5回繰り返されるとさすがに飽きてくる。 主人公は飄々と淡々としている。いつものように、気が強い女に振り回される。 それが読みやすさに繋がっているのだろうが、5回繰り返されると少しイラつく。 軽薄というか、あまりに感情がなさすぎて違和感を感じました。 | ||||
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