■スポンサードリンク
邪悪
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
邪悪の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.20pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
刑事と犯罪心理学の教授のコンビによるシリーズの第1作。アメリカ探偵作家クラブ最優秀新人賞受賞作品。 MWA新人賞他、いくつかの新人賞にもノミネートされたようで、それなりに期待して読んだ。確かにそこそこ面白いと思うものの、この作品が傑作かと言われれば、ちょっと違うかなという感じの、ある意味微妙な評価の作品。作品そのものの出来は、まずまず良いと思うが、受賞作品であるとか、或いは、内容紹介の文にある、「サイコ・サスペンスと歴史ミステリを見事に融合させた」といった説明、また、このかなり強烈なタイトルから、どうしても読む前の期待値が上がってしまい、その意味で若干損をしているかもしれない。 個人的な見解としては、残念ながらこの作品がサイコだとも歴史ミステリだとも思わない。サイコというと、もっとぶっとんだ、それこそトラウマにでも残りそうな陰惨な事件と異常な犯人像をイメージするが、この作中の犯人はそこまで入ってないように思う。また、確かに舞台は20世紀初頭のニューヨーク近郊であるが、それだけで歴史ミステリというのは、頂けない。 変な先入観を持って読まなければ、テンポも良いし、それなりにまとまっているのでなかなか良いと思う。また、この日本語訳が出版されたのが、2011年1月なのに、2作目の翻訳がすでに7月に出ていることを考えると、早川書房も結構力を入れているようなので、遠からず、3作目も訳出されるかもしれない。近年、中途半端に翻訳が止まることが多いので、このシリーズには頑張ってもらいたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
アメリカにおけるミステリーの最高峰、「MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞」の’10年度ベスト・ファースト・ノヴェル(最優秀新人賞)受賞作。また、セント・マーティンズ社とMWA共催の「第1回ミナトーブックス・ミステリコンテスト」で第1席を獲得、アガサ賞、アンソニー賞、マカヴィティー賞の各新人賞にもノミネートされた、ステファニー・ピントフのデビュー作である。訳者はT・ジェファーソン・パーカーの諸作の翻訳で有名な七搦(ななからげ)理美子。 1905年、ニューヨークの北の郊外ドブソン。警察官が署長と‘わたし’こと30才の刑事サイモン・ジールのふたりだけのこの静かな町で、11月7日、実に1893年の冬に起きて今だ未解決という農夫の射殺事件以来という、若い女性の惨殺事件が起きた。現場へ駆けつけ初動捜査を行った‘わたし’のもとへ、コロンビア大学法学部教授で仲間と犯罪学研究所をひらくシンクレアなる52才の男が、電報を寄こしたうえで訪れる。彼は、自分が3年間にわたって研究対象としてきた、今でいう社会病質者(ソシオパス)のフロムリーという男こそ最重要容疑者だと言う。 ストーリーは6日間の‘わたし’とシンクレアの、困難を極める捜査が描かれる。ようやく指紋による鑑別方法がロンドンのスコットランド・ヤードで採用されたばかりのこの時代に、被害者の日常や人間関係を調べて容疑者を洗い出すという地道な捜査と並行して、行方不明のフロムリーの捜索が行われる。この6日間に状況は、新たな死体発見を含めて二転三転、エピローグを入れても470ページの393ページに至ってまたしても殺人が・・・。 本書は、過去の出来事で心に深い傷を負った‘わたし’とエキセントリックなシンクレア率いる犯罪学研究所の面々が異彩を放つ、20世紀初頭の緊迫感と不気味さを漂わせながらもどこかノスタルジックな秀作である。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!