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ヴィーナス・プラスX
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ヴィーナス・プラスXの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.43pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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ユートピアSF(見方によってはデストピア)。 両性具有の人々が暮らす世界に紛れ込んだ現代人(といっても60年頃)。科学が高度に発達し、人々は幸福に暮らしている。 元の世界に戻りたい主人公への条件として提示されたのは、この世界のことを深く理解すること…。 ジェンダーという概念がなかった(?)時代に書かれたという意味において先進的なSFである。ホモ・サピエンスから新人類に移り変わる時に何があったのか。随所に挿入される現代の夫婦生活の風景の意味は。主人公はジェンダーレス社会をどう捉えるのか。あっと驚くオチが待っている。傑作! | ||||
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この作品が発表されたのは1960年というのが驚きだった。しかも翻訳は2005年ということで、ジェンダーを扱うユートピアもしくはデストピアテーマとして扱いにくさがあったのだろうかと思えてしまう。 人類である主人公がいきなり異世界に放り込まれるという冒頭から、ジェンダーのない異世界の様子もさることながら、人類はどうしたのか、主人王は戻れるのかということに注意が向く。しかし同時進行で対比して描かれる当時のアメリカの市井の生活との対比に、ジェンダー観の違いが浮き彫りになり、本当はどちらがあるべき姿なのかと考えざるを得ない。 『差異は存在した---当然のものとされた。』 『この差異を強化し、利用している何かの力が存在しているようなのだ。』 こういう表現からは、ジェンダーにとどまらず、作者の偏見や差別に対する広い視野、問いかけ、そして愛情が感じられる。 そして最終章に驚く仕掛けが待っている。それを楽しみに読んでほしい。 | ||||
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男女の性差が無くなった社会に突然放り込まれた男の驚きを描いたユートピア/ディストピア小説です。 3回転くらい捻った小説ですので、楽しく読むことができました。 が、後半主人公に性差の違いは社会的教育による洗脳に過ぎないとする書簡が登場しますが、 なんか読んでいてつまんなかったです。もっと上手く物語の中に表現することはできなかったのでしょうか。 ともあれ面白いので読んで損は無いです。 夕食のあとの暇な時間に読むのにちょうど良いです。 | ||||
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他の人のレビューを見てもすこぶる評判のいい作品で、確かに文句なしにおもしろく、ラスト・シーンも抒情的でよかったのだが、あちこち読み返してみて、考え込んでしまった。 というのは、スタージョンは、こういう結末にするつもりで書き始めたのではなく、より意外な結末を狙って、途中で思いついたアイディアに変えてしまったのではないか、という気がするのだ。なお、ここで言っているのはフィロスの秘密のことではない。特に、レダムがいつ造られたのかという点については矛盾が出てくると思うし、その他にも、ミステリ的な伏線の観点からすると、不自然でアンフェアな記述が散見される。 ミステリ的といえば、レダムの章と交互に置かれている50年代アメリカの家族のパートが、小説のテーマをより際立たせるためだけでなく、このオチに対するミスディレクションの役割を果たしていると言えるかもしれない。 | ||||
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ヴィーナスにXを足してもX染色体が3つになるだけでは・・・? などと屁理屈をこねつつも絶賛してしまった小説です。 愚鈍なる私は一つとして展開を先読み出来ませんでした。 ジェンダーやユートピアに流行り廃りがあるとすれば 今は少し流行から外れた時期と言えるかもしれません。 この小説はそうした「時代」に左右されることなく、 確実に「未来」の文学と言えるだけのアドバンテージがあると思います。 非常に面白い。装丁も素晴らしい。できればもう少し廉価に。 スタージョンの作品を買いつくすのは財布に厳しいのです。 | ||||
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この本を手にするまで知らなかったのですが、国書刊行会から「未来の文学」と題された五冊が出版されていて、そのうちの一冊が、このスタージョンのヴィーナス・プラスXだったんです。 まさに突然見知らぬ世界にトランポートされた男のお話ですが、我が身に置き換えて想像して見て下さい。ある日目覚めると知らない世界に居て、しかもそこは両性具有の世界だったなんて、貴方(貴女)ならどうしますか! シオドア・スタージョン作品の中では比較的読みやすい(理解しやすい)方だと思います、是非スタージョンの世界をご堪能下さい。はまりますよ! | ||||
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難解といわれるスタージョンの長編の中では、至極まともで読み易い。レダム世界とアメリカの何気ない日常を交互に語って、男女の性差の問題を問いかけるという手法も、冗長になりがちな展開に変化を与えて秀逸。二つのエピソードはラストにいたるまで一度もリンクしないのだが、描かれている事柄はお互いを補いあうような形で相乗効果をあげている。生物学的な見地から、日常の言葉遣いから、社会の立場から、子供とのふれあいから、スタージョンは様々な男女の性差の垣根の低さをアピールしていく。いま読んでも、なるほどと納得してしまう。スタージョンの視線は、どことなく温かく、それが強く伝わってくる。本書を読んで、さらに彼のことが好きになってしまった。孤高だ、難解だ、といわれるスタージョンはやはり『愛』においてとても甘い作家なんだなあ。 | ||||
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