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あやめ 鰈 ひかがみ
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あやめ 鰈 ひかがみの評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.67pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1件 1~1 1/1ページ
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| 短篇3作「あやめ」「鰈」「ひかがみ」である。それぞれの主人公である下町男3人が、歳の瀬のうらぶれた街で交叉する。会おう、いずれの主人公へも旧知からの久方の電話、そこからの道程は苦いものであった。埋もれていた影が現れ立ったのだ。 賽の河原に咲く「あやめ」、縞模様をまとう花芯は生殖器か長虫の舌か、引っ越しを重ねてきた主人公の現実と夢まぼろしとを織り込む仄かな影。水底に潜む獰猛な「鰈」、饐えた4尾を抱えて地下鉄に乗れば、やさぐれた主人公を包み込むどすぐろい影。蛇しか残っていない零落の鳥獣店、店主の主人公をさいなむ、細かな歯の生えた「ひかがみ」の甘やかな影。 心も肉体も衰えた今ここの我が身にも、かつてあそこで悪鬼であった我が身にも、この先いつかどこかの我が身にも、影がつきまとっているのだ。隠れていた影が出現したときには、食べられてしまえばいい、飲み込まれてしまえばいい。そう気づいたとき、主人公には安堵がひたひたと沁みてゆく。 | ||||
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