■スポンサードリンク
廃用身
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
廃用身の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.23pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全93件 81~93 5/5ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
差し迫る老人介護の破綻をまえにして、できうる一つの手段としての廃用肢切断というアイデアをめぐるシミュレーション小説というべきか。 老人介護問題の解決については、実は誰もが思っていても誰もいわない手段がある。尊厳死ないし尊厳殺である。本書はあえてそれをさけて廃用肢切断を行ったときに社会はどう反応するかを描いている。マスコミその他の社会の反応を綿密に予測していて、この話がもしかしたらフィクションではないのではないかとまで思わせるところは、極めて世知に長けた医師たる著者であると感じた。小説としてのひねりが少ないのが難点だが、一気に読ませる筆力は大したものだと思う。ミステリーとして読むと期待はずれかもしれないので、情報小説の一種として読んだ方がよい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ある人がおもしろい本があるからとすすめてくれた。 その人はノンフィクションだと思っていたようであるが。 内容は結構グロテスクで、実際はそんなことになりえない 気もする。 物語の舞台はデイケアで同じ様な職種についているものとして とても考えさせられる内容であった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
無用になった手足を切ることが最良と信じる医師をめぐるミステリ。前半はレポート形式で、「なに?ノンフィクション?」というくらいのリアリティを持って読者に訴えかける。 読み進めるうちにやがてミステリの色合いが段々と濃くなっていく。書店で平積みになっていたので買って読んでみた。なんとも気持ちの悪い話なのだが、老後医療の本質について考えさせられることも多く、ついつい次のページをめくってしまった。本の構成といい、そのテーマといい、いろんな意味で現代を象徴する一冊だと感じた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
月並みな表現だが、やはりある種の衝撃作であるのは間違いない。それはまず、この小説の巧みさに負っている。構成と展開自体秀逸である。途中、本当にこれフィクションなのかと何度もいぶかしさを抱かざるを得なかった。奥付まで人を食っている。「読み物」としてとにかく面白い。しかし本書の真骨頂は、なんといっても扱っているそのテーマそれ自体である。我々ひとりひとりすべての者が直面しなければならない「老い」。それをこれほどリアリティと課題提示を併せ持って読者と社会に突きつけた作品を私は知らない。加えて、ある人間の「人格」というものが、見る人間とその立場によっていかに変わりうるものなのか、それこそ不変的な「人格」などそもそもあるものなのだろうか、という第二のテ!ーマをマスコミ論にも巧みに及びながら筆者は深く問いかける。今日的なテーマを根源的な問いかけと意欲的な手法で取り組んだ佳作である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ケアの仕事に携わる者であるが… 読後感は最悪だった。なんか、交通事故の現場を 見てしまった感じというのだろうか。見たくないと 思いつつ、顔を押さえた手の指の間から思わず見て しまう、というような感覚に襲われた。 確かに、独善的でなければ、進まない事もあるだ ろうが、それと同時に個人としての「何か嫌だな」という思いも、大事にしていかないとこの”フィク ション”のようなことも、実質的議論も無くどんど ん進んでしまうのでは、と考えさせられた。結構、 介護の現場では、事の大小はあるが、閉鎖的空間の 中で本人の意見が介在しない形で、その主のケアが 決められる事も多々ある。 確かに、ドキュドラマ的手法は、チープなのかもしれないが、この物語に関しては、上手く作用して いる。特に現場を知る者にとっては、デイケアの描 写は、充分”現場”を感じさせるものであるし、カ ンファの様子も、そうそうと頷かされるものである。 又、社会的常識としての「Uさん」を介在させる事で この現場にいる他の職員の感覚が、麻痺して行く様が強調され、著者が多分持たせたかった効果を充分演出 できているのではと感じる。 色々書いたが、特に居宅ケアに関わる人間は「自分を 律する」という意味でも、1度読んでみればと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一気に読んでしまいました。最初はノンフィクションと勘違いし、こんな選択肢もあったのかと妙に考えさせられたりもしました。とにかく面白かった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
麻痺した老人の四肢を切断して「治療」する医師、というよく考えれば荒唐無稽な設定ですが、よく練られた斬新な構成で読み進めるうちに「介護」「医療」のあり方に関しズシンと考えさせられる傑作フィクション。本書の内容は医学的見地からはどのような評価になるのだろう??と(わたしのような全くの門外漢であっても)無性に知りたくなる、それほどのリアリティ。スゴイ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一気に読んでしまった。日本は高齢化社会に向かっており、2050年には3人に1人が老人になる時代が来る。私は運がよければ生きているかもしれないが、漆原医師が行ったことは、いろんな面で問題があるかもしれないが、我々が考えていかなければならないことではある。それにしても日本のマスコミには腹立たしさを覚える。自分自身この本を読んだ後どっと疲労感と倦怠感に襲われた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「Aケア」の発想の不気味さはなかなかいい。また前半、作中作のリアルな仕込みも、 福祉・介護・医療関係者なら思わずニヤリとしてしまう上手さだ。 だが肝心の後半が弱い。医師の真の性格や行動動機に全く驚かせるものがなく、 あっと驚くどんでん返しを期待した読者は裏切られるだろう。 前半の丁寧な作りと意気込みはなかなか良いのだが、読み物としての 「筋立ての面白さ」については、もっと作者に勉強してもらいたい。 今後に期待を込めて。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「Aケア」の発想の不気味さはなかなかいい。また前半、作中作のリアルな仕込みも、 福祉・介護・医療関係者なら思わずニヤリとしてしまう上手さだ。 だが肝心の後半が弱い。医師の真の性格や行動動機に全く驚かせるものがなく、 あっと驚くどんでん返しを期待した読者は裏切られるだろう。 前半の丁寧な作りと意気込みはなかなか良いのだが、読み物としての 「筋立ての面白さ」については、もっと作者に勉強してもらいたい。 今後に期待を込めて。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
フィクションだと知っていながらも読み始めれば疑ってしまう、リアリティ溢れる形式で書かれた本書は、「廃用身切除手術」を、それがもたらす効用、引き起こす問題をフィクションとして描きながら、現実社会に提案しているように思える。 この本を読み終えたあなたは、Aケアカンファでどのような発言をするのだろう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
新聞広告を見て、 買って、 一気に読んでしまった。広告に偽りなし!第一級の医学ホラー(?)サスペンスであると同時に問題作である。しかし、(1)(主人公の最後の身の振り方の)オチがよめる。(2)そのオチが主人公自身が設定した“Aケア”の適用規定を満たしていない(満たすことなど不可能なのだが・・・)。(3)(重箱の隅的だが)骨髄が造血機能を担っているはずで、 結果的に相当量“骨の分量が減る”治療法なのだから血液の総量も減るはず。とすると、主人公の仮説“Aケアの結果、脳への血液供給量が増す(ことで副次的に痴呆状態が改善されるする)” なんて、医学的にありえるのか?(4)神戸小学生殺傷事件の犯人とされる(注1A?A少年のような精神的特質(注2)を持つ子供が (事件を起こさずに)そのまま成長し、外科医となり高齢者医療に携わったら・・・が発想の原点らしいことがありありと分かる点。と言う部分がひかっかった。(注1)警察の捜査や物証その他に不可思議な点が多く、再審請求を求める運動があることも知っているので、 敢えてこう表現しました。 (注2)仮に、事件後のマスコミ報道が作り上げた像が実像であるとしてのこと。しかし、そんなことを吹き飛ばすだけのズシリとした読後感が残る作品である。同著者の次回作に大大大大大期待!と言う意味で、星5つ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
物凄い話です。読んでいて「これは本当に作り話?作り話でも問題なのでは?」と怖くなってしまいました。簡単に言うと、老人の麻痺した手足を切断することによって起こる社会的事件です。切断に対する医者の手記から始まって、担当編集者の註まで、一気に読み進みました。「面白い」と簡単に言うのが難しい、衝撃的で考えさせられる物語。登場人物の苦悩や高齢社会への警告、真実をつかむことの難しさ(とありきたりの言葉で表現することすらはばかられる)についての描写も丁寧で、新人作家とは思えないクオリティの高さです。そのうち賛否両論、書評などで取り上げられるのではないでしょうか。注目に値する問題作です。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!