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廃用身
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廃用身の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.23pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全93件 41~60 3/5ページ
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あくまでもフィクションなんでしょうけど・・・ノンフィクションがそこかしこにちりばめられていて、 綺麗ごとだけではなくて、 正義を振りかざすわけでもなくて、 かといって、必要悪だと開き直るわけでもなく・・・ 2050年、あなたは何歳ですか? 私は92歳 生きているのかどうかぎりぎりのお年頃 介護は綺麗ごとではすまないです。 語るにはあまりに重い世界。 読んで・・・としか言えない。 | ||||
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高齢化社会を向かえ、次第に悪化していく高齢者への介護をするうえで ネックになってくる老人の体重という負担を、麻痺した部分を切断することで軽くするという 極めてグロテスクな作品で、それ以外の部分でも痴呆老人に虐待を繰り返す介護者、 糞尿を撒き散らし暴れる老人という描写が多くかなりえげつないが、 最初は漆原をいい人間のように描写しておいて実はという展開が中々に面白い ただ最後の看護婦の話はやや蛇足感があって残念 まあそういった部分を差し引いても人体切断という嫌悪感を催す内容に我慢できる人になら 楽しめる作品だろう | ||||
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衝撃! 感動! びっくり! あじゃぱ!!!!!!!!!!!!!!!!! | ||||
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友人に薦められて読んだが、記憶に刻まれる不愉快な内容でした。 思いのままにならない体の部分を取ってしまえばいい、というのは、不快なものに対してただ排斥することばかり考える狭量な発想です。 フィクションにしても、著者の立場から発せられるべきものではない、と考えます。 廃用身を切り取るという発想に、著者は多分膝を打つような思いだったのでしょうが、その後の話の展開も拙速でいただけない。 久しぶりに、即ゴミ箱に投げ込みたくなる本に遭いました。借りていた本でしたから返しましたが。 | ||||
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とにかく読み応えのある一冊でした。 “QOLの向上と介護の軽減を目指して行われる廃用身の切断”という発想が実践にうつされ、次々と波紋を及ぼしていく展開に引き込まれていきました。 リアリティ抜群の内容で、少しですが介護支援専門員や社会福祉士も登場してきます。 ぜひ当事者の方、医師・看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・介護支援専門員・介護福祉士・社会福祉士などの有資格者、介護の現場に携わっている方々にお薦めしたい一冊になっています。 廃用身の切断という医学的見地からの現実性もしくは可能性に加えて小説ならではのエンターテイメント性が上手く調和されているように感じます。 それぞれの登場人物の判断や行為について是か否かというよりもそれに至る過程と葛藤に焦点をあてつつ、超高齢社会への警鐘という社会性を帯びていることが本書をより身近に感じる要因になっているのだと思います。 本書の一文を引用すれば“何をどこまで望むかは、人それぞれまったくちがう。”ということにすべてが集約されているような気がしました。 科学的な裏付けがあり、倫理的な問題をクリアできるとすればいろんな選択肢があっても良いのではないかとも思えます。 ただし、尊厳死が法制化されることによって「Aさんは尊厳死で亡くなったけど、Bさんあなたはまだ生きるの?」といった無言の圧力により死が強制がされる雰囲気ができるのと同じように廃用身の切断も安易に論じるものではないかもしれません。 | ||||
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最初はノンフィクションなのかと思って読んでました。 全体的に読みやすくわかりやすく、、、そして身に痛い話。 老人介護と虐待、それを巡る解決方法と倫理観。 何だかこれといったオチがなかったのが残念だが、総じて興味深く読み終えられた。 親には読ませられない一冊。 | ||||
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後輩(おとなしい外科系研修医)が、私が好きな作家です、読んでみて下さい、と貸してくれた本。フィクションと思いながら読み進め、途中で、認知症や、脳障害後遺症の老人達へのリアルな治療の描写などに、胸が苦しくなった。こんな医療や病院をあつかったルポなんか、愛読するなんて、危ない奴だ、必ずしもありえない治療ではなく、でも危険な考え方だ、週明けに、彼に本を返して、説教してやろう、と。そして、止めれず、後半の取材者の手記に読み進み、さらに現実感がつのり、ますます気分が悪くなって来た。主人公の幼少時代のエピソードや医学部時代のことなど、そして、臨床医としての姿、本当にいそうな人間で、事件の舞台も、自分が学生時代を過ごしたところであり、本の奥付には、この危険な医療を語る医師と出版編集者の略歴までさもありなん、に書かれてあり、すっかりだまされた。読後感は決して爽やかではなく(中途で出てくるネット小説や、主人公の子供の頃にかいた物語などが醜悪で、その夜悪い夢をみそうな)、実際の著者略歴はもう一枚、後ろに。それで、救われたような気がするとともに、よく考えたら、そんなこと或る訳が...と、納得。医者が趣味で、専門用語と知識で、病院の内側だけを書いたものではない、やられた、と関心した。今の世の中、でもかなり変になって来てるから、この悪夢が現実にならない事、祈りたい。超異色の切り口、はまったら中毒になる読者がいるかもしれない。 | ||||
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単なるフィクション小説とは思えなかった。構成のせいではなく、家族が寝たきりになったとき医師に四肢の一部を「切断しなければ命にかかわる」と断言され、親戚一同で話し合ったことがあるからです。当人は痛くもなんともないという。そのまま静かに亡くなったら「大往生」と呼べる高齢。延命問題云々より「今痛くないのに切断によって痛くなるかも。どうあれ苦しい思いをする最期はあんまりだ」という意味で、私は反対しましたが、「医者が切れというなら切った方がいいのでは?」という意見もあり、どちらも寝たきりの本人を慮ってのことでした。悩んでいるうち、担当医師が「切らなくていい」と唐突に意見を変え、ほっとしましたが、もし私たちがあっさり許可していれば、切っていたかもしれない、医師の人間性を薄気味悪く感じた一件でした。 そんな現実に一つの答えをくれるような小説、なので読後感は悪くなかったです。 私が体験した恐怖は現実ですが、作者はこれをあくまでもフィクションとして書いていますから。 (内容・オチに触れています) 老人介護問題とアンピューティ(四肢切断)マニアをミックスする作者の発想には感嘆しました。切断により脳への血流量が増えて痴呆の治療に、というのは基本はフィクションにしろ、アンピューティやピアスのマニアがどんどんエスカレートしていくことを思えば、自主的な切断と精神の高揚の関連、あながち間違いでもないのでは? と考えさせられるリアリティ。淡々とした語り口、ありありと浮かぶ現場の空気。漆原の選択は途中からはっきりとにおわされているものの、タイトルを使ったオチのつけ方は見事。一気読み必至の一冊。ただしテーマがあまりにグロテスク。 しかも作者は、グロ・猟奇的表現を、リアリティ追求や作者自身の猟奇趣味のためではなく、単にエンターテイメントとしての付加サービスとして扱っているように感じられます。だからこそ淡々として悪趣味すぎないのだが、その代わりサイコホラー・猟奇小説の「面白さ」がない。 本作は、ノンフィクション仕立てではなく、SFが向いたテーマではないでしょうか? あるいは、あとがきの春日武彦氏の辛口の一言「本来は純文学こそが表現すべきもの」「腑抜けで自己愛的な自称・純文学が」云々に賛成、純文学として読んでみたかったテーマでした。 精神科医である春日氏の読書傾向がわかる『無意味なものと不気味なもの』、面白かったです。 | ||||
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うちにも、80歳を超える老人を二人抱えています。今、私は心身ともに元気ですが、30歳先40歳先にはこのように、老いていくと思うとゾッとします。そのくらい、老いるということは、目の当たりにして悲しくあり、醜いものだと痛感しております。 この廃用身は、老いをどのように受け入れるかを考えさせる一冊でした。斬新なアイデアで、近い将来あるかもしれない老人の治療法...あなたもゾッとしてみませんか? | ||||
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とにかく何かしらの衝撃を受けることは間違いないと思います。 この世に存在している以上、"親"という存在がある訳です。その親も、また自分自身も「老い」という宿命からは逃げられない。 いつかその事を考えなければならない時が来るけれど、やはりどこかで考えたくない、そこから眼を背けているのが人間ではないでしょうか。 その事に必然的に眼を向けさせられる作品だと思います。 いつ、自分がその問題に直面する立場になるのか分からない、と考えさせられる作品でした。 読んでるうちにフィクションなのかノンフィクションなのか分からなくなり、何度も最初や最後の解説などを確認してしまいました。 そしてすっかり騙されました。 問題作ではあるけれど、読んでいて引き込まれる作品でした。 | ||||
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フイックションであるが、現実にある固有名詞と 架空の固有名詞が使われており微妙に 現実に身の回りで起きていることのように思われ (特にこの小説の舞台である神戸を私が良く知っているためもあり) 設定がショッキングであり、 社会に対しての提起でもあるかのような表現でもあるため ノンフィクションのような様相を醸し出し 引き込まれていった 小説というものというカテゴリーに入れられるかどうか 主人公の医師の遺稿という形の内容が前半で その主人公に本の出版を依頼した出版社の社員と その医師とのやり取りや 医師を取材しての経過、医師を取り巻く人々の様子の取材が 後半半分という形である そのような形を取っているこの本、途中まで読み進めていくうちに この話がきっちりとした形で最後を収めてくれるのかどうか それが心配になったが その心配をよそにみごとな結末で締めくくっているところが とてもすばらしい 著者に代わってストーリーを語る二人を登場させ 一見するとふざけた悪趣味なアングラ小説か 何かになってしまいそうな設定を 特に小説っぽい体裁にしたりせず 出版社の人が遺稿と医師の取材の報告の本という形で 奥付けまでつけてまじめな形で載せている このような形の小説に 著者のみごとなアイデアと知性を感じる | ||||
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医者が書いた老人介護の実態。そこから始まる「Aケア」という新しい治療。 その画期的な治療法をめぐる様々な人々の思いを読みながら、 「あぁこれは老人介護の未来の姿だな。Aケアもありかも…」 と思っていると、途中から編集者への語りに変わる。 マスコミ報道を通して、各方面からのものの見方、裏から、またその裏からの視点。 そして当初の著者である医師と周りの人たちの劇的な物語。 まるでノンフィクションかのような世界。 いろんな角度から読者を楽しませてくれる全部入りの小説。 | ||||
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立ち読みした時にはノンフィクションかと思った。 なんだこれ!?こんな事件あったか? と表紙をもう一度見返してみると 「久坂部羊」 「破裂」の著者だった。 漆原医師の観察記録(?)形式で物語りは進んでいく。 なるほど、もし自分が麻痺を起こしたら 「Aケア」をしてもらおうかなどと考えるくらい 素晴らしいことだらけ。 でも心の中で、なぜか不安はずっと解消されない。 どこかで漆原医師が狂気に駆られているように 思えてならないのだ。 物語の後半も興奮は収まらず 一気に読み終えてしまった。 なんだかクラクラしてしまった。 「介護」というテーマ自体が 単なるフィクションとして 片づけられない「現実」だからだろう。 | ||||
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このレビューを見るまでノンフィクションだと思っていました。 漆原夫婦の自殺を止められなかった矢倉氏に同情していました。 でもよかった。不幸な慎君はいなかったんだね。 | ||||
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全く新しい実験小説。 奥附が騙し的に使われている。 この久坂部さんが書いたにもかかわらず、小説自体が別の人が書いたような作りになっているため、最初は戸惑ってしまう。 (わかりにくくてすみません…) 話の内容は、老人の麻痺した手足を根元からバッサリ切ってしまった方が介護も楽になり、自身の床ずれなども良くなり、心臓から送りだされる血液が無駄なところにはいかなくなるため、脳にいい刺激になって、ボケていた人がちゃんと物事の判断がつくようになったり…という何かむちゃくちゃな理論を組み立てた医者が、実際に何人もの老人を手術してしまい、その結果…というものだ。 そもそも「この話はフィクションです」とか書いてあるわけではなく、ある医師の告白…のような書き方なので、途中までは「本当にこんな事があったのだろうか…」と迷ってしまうほどリアルであった。 なおかつその医師が自殺してしまい、その手記をなんとか世に出したいと思って色々と取材していた編集者の手記も続けて出てくるのだから、もうだまされてしまっても仕方ない感じ。 で、最後の奥附がその医師と編集者の連盟になって終わっていて、次のページをめくれば久坂部さんの本当の奥附がある…という状況。 現役の医者と言うだけあって、すべてにおいて表現がリアル。それでいてあまり専門的ではないというのも入り込んでしまう要素なのだろう。 | ||||
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これはフィクション、フィクションと唱えていなければ本当にあったことなのだと思い込んでしまいそうです。事実私はノンフィクションだと思い込みました。それほど医師やスタッフ、患者たちの描写が心が力を持って押し寄せてきたのです。 事実著者は老人デイケア施設などを得て、現在も在宅医療専門のクリニックに勤めています。現役の医師です。その現場でしかわからないこと、現場でないと感じないジレンマ、ストレス、アイデア、感情がこの作品を包んでいます。 読後、私は医師を責めることができませんでした。むしろこの治療はあってもいいのではないかとすら思いました。 著者である久坂部羊は言います。 「廃用身は精神的にもお年寄りを憂うつにするもので、その切断は実際にあってもおかしくないと現場医師として感じる。もちろん痴ほうの改善などは虚構だし、この残酷な療法が現実になるとは思っていない。だが事態は奇麗事で済まないところに来ており、何らかの厳しい選択は避けられないでしょう」 激しい選択。 それは近い将来私たちも必ずとらなければならない決断なのです。 | ||||
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皮膚や粘膜によって外界と境界されたもの・・これが自分だという認識はア・プリオリなものであり、意識が清明で五体満足である限り意識することすらできない。しかしこれが半身不随で認知症の老婆と仮定すると、とても安定した認識を持つことができない。そのような婦人が自分の動かない手を熱した油で「揚げて」骨が見えるまで「食べて」しまったというエピソードは、事実であれフィクションであれ鬼気迫るものである。 老木を延命させるために、その腐った枝を切り落とすことが普通であることを考えれば、もはや回復の見込みもなく、本人の苦痛の元であり、周囲の介護者にとっても厄介な「廃用肢体」を切断すること《Aケア》はそれほど非難されるものではないという主人公の主張は合理的で説得力がある。大規模災害発生のときなどに行われる患者搬送の優先順位決定、「トリアージ」にもどこかしら似ている発想である。実際の大規模災害発生現場でトリアージに携わった医師、救命士などは事後しばらくたってからも自分自身の判断や決定が適切であったか、ひどい心的外傷に悩むものであるという。 本編の主人公である医師はその点、十分ナイーブであり、最終的には自分自身のある部分を《Aケア》してしまうことになる。 重いテーマでグロテスクなシーンも多いのですが、明らかに悪意のある登場人物がいないせいか、意外とさわやかに読み進めることができました。医療の発達の結果、介護を要する人間が増えてしまったということが現実であるならば、(医療者の端くれであるワタシも)なんらかのおとしまえを考えるべき・・と思い知らされました(でも結論はでません・・・)。 | ||||
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介護をする人にも厄介な、動かなくなった重い肢体を切断という、あり?かも、と一瞬思えるけど、グロテスクな発想とは別に、主人公の、人間臭さなども、丁寧に描かれていて、いまだに、鮮烈な思いとともに、心に刻まれています。ぞっとするシーンは過激すぎですが、かなり面白です。(「破裂」も、好きです。「チームバチスタの栄光」の白鳥さんより、濃いキャラの登場人物が面白いです) | ||||
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傑作。全てが深く、重くのしかかってくる。 現実を鑑みた善意の治療、それに対するマスコミの対応、周囲の人間の反応、解ける見込みのない誤解が渦を巻く。完璧に思われたインフォームドコンセントが(現実にありがちな形で)崩れ、そこから始まる主人公の自己分析と、外科医としての本質の自壊と、自殺。 若干説明口調で純文学的には秀逸とはいえないかもしれないが、論理的で読みやすく、かつ実際の臨床現場で起こり得そうな設定、登場人物の設定が余すところなく全体の構成にいい影響を及ぼしているのは見事。 | ||||
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読んだ後、ひたすら怖かった本というのは久しぶりだった。内容はもう語り尽くされているので省くが、作者は医師として、まじめに高齢化社会の解決法を模索し、問題意識投げかけている。実際にやりかねないからね、この国は。幸い、まだ介護をするはめにはなっていないが、そうなったとき繰り返し頭に浮かんできそうで、今から怖い。 | ||||
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