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廃用身
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廃用身の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.23pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全93件 21~40 2/5ページ
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この本小説なの?読んでて現実にあった話の様に引き込まれるストーリーでした。 後期高齢者の急速な増加をどうしていけばいいのかを考えさせられました。 お薦めできる作品です。 | ||||
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廃用身とは、梗塞などにより回復の見込みがない身体の一部のことである、と本の背表紙にある。 事実は小説より奇なり、と世間では言われている。 この本は小説だ。ノンフィクションではない。 だがどこかフィクションを超えた現実感が、ミステリーやホラーにない恐怖心を煽る。 それとともに悲しさと切なさも胸に溢れてくる。 それは、この本のテーマが超高齢社会や人間の尊厳や科学が果敢な挑戦者たちによって進歩してきた、など深くこれからの日本が背負うべき問題が扱われているからだ。 もし、回復の見込みがない身体の一部を切除しましょうと医師から告げられたら、それが介護をされる身にとっても、介護をする方にとってもメリットがある場合、私はイエスと承諾出来るだろうか? 星5の内容なのだが、答えが出そうもないので、4にした。 | ||||
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予備知識なく読んだのでノンフィクションノベルなのかと思った。 それくらい前半はリアリティーがあった。 Aケアのリアリティーというより、筆致のリアリティー。 医者がAケアを広く知らしめようとしたら、ああ書くよなという感じで、すっかりいい意味で混乱してしまった。 | ||||
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なんという衝撃、なんという虚無感と焦燥、そして、なんという空恐ろしさと悲しみ。 1回目に読んだとき、小説だと認識して読んでいたのに、いつの間にかひきこまれ、現実の医師が書いた手記のように錯覚してしまいました。 内容の後半は編集者が書いた設定で、読み進めると何度も心臓をえぐられ、頭をガツンとやられた感覚をおぼえました。 臨場感あふれて、とても引き込まれるテクニック。読んでて飽きませんし、現代社会について身近に考えさせられます。 漆原医師は、何者だったのでしょうか、善なる医師か、サイコパスなのか。 人の心は何重にも折り畳まれているような・・・。 とても読みやすく、とてもとても深い作品です。 | ||||
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『破裂』を先に読み、遅ればせながら、デビュー作ということで本書を続けて読み終えた。13年前の事件という設定ながら、今も大差ない「老人介護の現実」を踏まえ、廃用身(役に立たなくなって邪魔なだけの四肢)の一部又は大部分を切断する、という医療技術の可能性を示しつつ、社会の無理解・既存の医療業界からの攻撃という制約のなかで、表向き、果断で良心的な医師が奮闘する、というストーリー。 漆原という主人公の医師の「未刊の手記」を前半に置き、後半に手記に対する「編集部注」を置く、という凝った構成で、とくに後半、主人公の特異な性癖・個性を浮かび上がらせることで、人間像に重層的な深みを与えているように思えた。患者のメリットを第一に考え、十分な説明に対する患者の合意を得つつ、廃用身の切断に踏み切るという漆原医師は単にヒューマンなだけではなかった、という言外のメッセージを与える計算もうかがえ、それが物語の単純化を拒んでいるようにも思えた。 悪意をベースに置いた一方的で浅薄なマスコミ群からの批判・中傷、というありがちな場面が執拗に出てきて、この辺りの展開の仕方も秀逸。現役の医師ならでは、というか、医療技術面の記述に安定感があり、それが一見近未来SFまがいの物語のリアリティーを担保しているようにも思えた。 | ||||
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この本の中にはいろんなお年寄りと、それを取り巻く人々がでてきます。医療の表裏、一概に言えない善と悪。考えても、ちょっとやそっとじゃ答えはでません。祖父母や、これから年老いていく両親、それから自分たち自身の老後。身近な人が老いて死ぬ時に、良い人生だった、幸せだった、愛されてた、と思ってほしい。その為に、どうやってお年寄りと接していけばいいのか、これからもずっと考え続けていきたいと思う。 | ||||
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これは小説なのか、それとも現実にどこかで行われていることなのか? 読み始めてすぐに混乱してしまった。思わず腰を浮かせてしまった。つまり、介護の経験がある人にとってAケアは、もし、本当に現実行われているのであれば飛びついてしまいかねない光明にみえるのである。 私もアルツハイマーの父を介護した経験がある。最終的に拒食となり、ある大学病院に緊急入院したが、翌日看病に行くと体を拘束されあちこちにチューブを入れられ無残な姿となっていた。主治医からは誤嚥性肺炎だから肺炎が完治しないと拒食のリハビリはできないと言われた。結局、誤嚥性肺炎は誤診であったことが分かったが、その時にはすでに2週間も拘束され続け、父は寝返りも打てない状態で寝たきりにされ、お尻に重度の褥瘡ができてしまっていた。 父は年齢の割には骨格がしっかりとしていて体重も重かったので、最初、看護師たちは寝返りを打たせるのも大変だったようだ。痛がる父を勢いをつけてひっくり返すのを見るのはつらかった。その後、寝たきりで点滴から栄養を得るだけの父はみるみる痩せてゆき、オシメに隙間ができ、度々シーツを汚した。一度など、私が病室に戻ると、「また汚したの?どうすんのか?朝シーツ取り換えたばっかりでしょ?いい加減にしてよ!」等々、父の病室から看護師の激しい怒鳴り声が聞こえ、ドアの前で立ち尽くしてしまった。止めに入ることもできない。ここで止めに入ったりしたら私がいない間に父に対して何をされるか分からないからだ。シーツの交換を終えて出てきた看護師に対して「ありがとうございました」と深々と頭を下げたときの切ない気持ちを今も忘れない。 介護する者にとっては重労働であり、相手が病人と分かっていても腹が立つこともある。自分も入院前は自宅で孤軍奮闘していたからその気持ちはわかる。 自分自身も介護中の不用意な言動を今も後悔している。そして、医者や看護師たちの言動の1つ1つを今も記憶している。父が亡くなり3か月が過ぎたが今も夢で思い出し夜中に何度も目覚める。 介護の現場は厳しい。介護される者の現実も厳しい。この本をただの読み物とは思えない。介護の現場に対する警告書だ。高齢化社会に突入した日本、下層老人と呼ばれる老人が存在する日本、一人暮らしの老人が多数存在する日本。これまで日本を支えてくれた老人たちに我々は何ができるのだろうか? 多くの人に読んでもらいたい。読者の中から妙案を見出してくれる賢者が出ることを祈る。 | ||||
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流石に現役の医師によって書かれた物語に思わずノンフィクションではと思ってしまうほどに引き込まれます。 | ||||
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ネタバレあり。 ↓ ↓ ↓ 読み始めて、「なんだ小説じゃないじゃん、止めようかなと」と思わせるほど 巧みな構成で、読み進めるうちに、止まらなくなってしまう作品でした。 超高齢社会と介護業界の現実、 その現実に果敢に取り組もうとする勇気ある医師とスタッフ、 出る杭を打たんとするマスコミとその報道を楽しむ一般聴衆、 そして、正義と狂気。 なんともおぞましい話ですが、見事な小説です。 読むタイミングとしては、今、ちょうど「乙〇氏」の不倫騒ぎがあったばかりなので 何か変な感じでしたが、漆原医師の理論で考えれば、さもありなんと不謹慎ながら 思ってしまった。 残された慎君の描写が痛々しく、読後感は虚しさいっぱいだった。 | ||||
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主人公は、漆原糾。医師。 彼は、老人医療のデイケアという場所で働き出す。 そこで目にした現実は、老人介護の過酷さと 老人虐待だった。 いつしか、彼は廃用身となった四肢を切断する 「Aケア」という方法を思いつき実践する。 しかし「Aケア」を世間一般に公表しようとする前に、 週刊誌により批判的な記事が出てしまう。 老人介護と老人虐待の問題について、 主人公の視点と「Aケア」という方法により描いた作品。 内容は非常にリアリティーがあり、 身近な問題として真剣に考えるに値する。 しかし、後半は主人公の二重人格的な性格が クローズアップされてしまい、 老人問題が霞んでしまった感がある。 (作中に「マスコミが敢えて話題を避けている」 という内容があったが・・。) | ||||
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実際に行われていること? 新聞紙上では見なかったが・・・ いや、小説の中でのこと・・・ と読んでいて本の中に・現実にと行きつ戻りつ考えも混沌としていく中で、自分の身に起きたならば? 家族の考えは? 社会的には? いろいろ考えさせられる一冊でした。 | ||||
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今話題の医療ドラマもの原作作家。医師兼作家は数あれど、ロマンチックな帚木 蓬生でも、コミカルでスピーディーな海堂尊でもなく、理知的で読みやすい文章ゆえのグロテスクな描写がリアルを感じさせるのは此の人ならでは。 小説内に出版物を、などと細部まで凝りに凝ったつくり。穏やかな始まりがだんだんとエスカレート。このままでは終わらないだろうと思ったとおり 主人公が作品を書き上げられずに編集者が補足をする後半には残酷な描写が恐怖を招く。巻き込まれる主人公やその家族の行く末まで 悲慘な映像がありありと浮かぶ。また「正義」を振りかざすマスコミが結局「商売第一」の部分にも大きくうなずける。一面的なものの見方の危険性まで指摘する彼の処女作、心して読まれよ。 「大学病院のウラは墓場―医学部が患者を殺す」を読んだときには、こんな作品を書いてるなんて想像だにしていなかった。 画像化不可能な作品としては貴志 祐介「天使の囀り」と双璧かも | ||||
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介護の現場で 廃用身」とは脳梗塞などの麻痺で動かなくなり、回復の見込みのない手足のことをいう医学用語。 医師・漆原は医学的な効果を信じて老人患者の廃用身をつぎつぎに切断する。 悪魔による老人虐待か、それとも奇跡の療法か?のこぎりとかでえつだんとか整形外科の手術の記載がグロすぎるリアルでしたデイケイ施設にての場面四肢がない老人がうろうろとかはyばい | ||||
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臨場感のたっぷりな小説です。 現実かと思わされるほどです。 現実世界でも課題の多い老人介護の問題が書かれていますから、ついつい現実と結び付けて考えてしまいます。 前半はひきつけられて一気に読んでしまいました。 中盤少し読み淀みましたが、終盤はまた一気読み。 前半でも少々ショッキングな内容ですが、終盤~ラストはもっと。 私にとっては後味が悪かったので、☆ひとつ減らしました。 | ||||
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純粋に面白かった。 極悪人にも何処かに優しさや正しさが、又、万人に愛され尊敬される人にも何処かに陰惨で醜悪な部分がある。 その掴み所のない人間の心の深淵の奥底にこの作品はある。 前半の清々しいまでの遺稿。 後半では、真意は真実は何処にあるのか、編集者矢倉の取材を通して読者は何度も価値観を翻えさせられる。 表と裏光と闇が交錯する。 この感覚は芥川の「地獄変」を読んだ時以来だ。 名君と評される君主の心の闇、醜卑と蔑まれる絵師の子煩悩と芸術。 現実社会では、この二年後米で「アシュリー・トリートメント」手術が行われた。 | ||||
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見つけてから手を付ける迄なかなかに時間が掛かりました。読んだら絶対後味悪くて引っ張るぞ…が、目に入った以上読まずにはいられない…みたいなw 勝手に思い込んでいた「グロ」ではなかったです。むしろ「軽快」。滑稽味すらある。 5章にひと言。「医療者」と「患者」「介護者」の意識の乖離を感じます…。「介護者(身内)」が元々患者に「好意」が薄い場合、「人外」の形状になった人間は余計に「虐待」される気がします…。人の形を保ってる限りは、「虐待の後ろめたさ」があるでしょうが、異形となった時点で「後ろめたさ」もなくなってしまうんではないか…。介護者がプロへと変わる場合はともかく、引き続き「家族」が介護者の場合は、単純に物理的に楽になる事と、故に虐待が改善するっていうのは全く別の話だと思います。 ついでに、身内に「提案」するのを逡巡してたシーンは「そりゃ順番違うだろ!」って思いました。本人ボケてないんなら、本人の意思確認が先でしょう。先に身内が乗り気になって、本人がイヤなのに押し切られてたらどうするよ? 個人的には「身内の介護」はどっちにしてもどっちかがどっちかを「虐待」してる状態だと思います。介護者が患者を虐待してるのは分かり易いですが、年中無休で患者が「介護者」を使役するのはこれもまた虐待ではないかと。 「いつもすまないねえ」「それは言わない約束よ」 …は陳腐なやりとりではありますが、その精神が互いにないと成り立たない関係性で。 世の中、「どうにもこうにもとにかく生きたい」って患者もいるでしょうが、「そろそろ休ませて欲しい。ただ、もう痛かったり怖かったりするのはイヤだから楽にお願い」って患者もいますから…。こんな手間暇かける位なら、後者用の仕組み作って欲しいですねー。 | ||||
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少々古い本ですが、老人問題をするどくついていると思います。 結末は悲しいですが、医療関係者としては、これで良かったのだと思います。 老人問題は、誰もハッピーになれませんから・・・ 一番心に沁みたのは、”私は存在してなかったのだと思ってください。” という 言葉。悲しいです・・・。 | ||||
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登場人物がどれも多面性を持ち大傑作。医師は本当はどういう動機でこれを行ったのか、妻の思い、彼らを取り巻く人々のインタビューなどで「ありきたりな真実」がわからない重層的な構造が素晴らしい。「本当の自分」だの「自分の中では」だの言う輩に辟易しているからかもしれないが人間は多面的で当たり前。 読者は「何が本当で何が虚構かわからない」現実と向き合わせられる。マスコミの報道だけは「絶対悪」であり、何一つ明らかにできない。 (が、また新しい「ネタ」に飛びついてゆくのだろう) 暗い話なのだが読後感がいい。介護問題についてはほかの方がたくさん書いておいでなので触れないでおく。 まだ全部の作品を読んだわけではないが、この作家は処女作で最高傑作を書いてしまったのかもしれないという気持ちにさせられる。 | ||||
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現代作家らしく読み易く雑誌の特集記事を読んでいるかのよう抵抗なくページが進みます。 医療現場と言うよりその後の介護の合理化と、そのための環境の効率化を問題としている内容です。フェクションだから良いとわ申せませんが小説終盤にわショッキングそれ以上グロテスクな光景で終わっております。高齢化がますます進んで誰もが考えなくてわならない人生最後の生き様、奇麗事だけでわ到底解決出来ない訳ですので、このような問題表記で色々考えるのも良いのでわ あくまでも小説ですので事実誤認なされないよう・・・・・でも少し後味の悪い作品でした。 | ||||
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私自身、老境に達しており、身障者でもある身として、廃用身を切断するという老人医療は衝撃的! でも、この本に書かれてあるようなプラスの可能性を見る時、将来的にはどうするだろうか、と、小説ではあるが、深く考えさせられた。 | ||||
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