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廃用身



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【この小説が収録されている参考書籍】
廃用身
廃用身 (幻冬舎文庫)

廃用身の評価: 4.23/5点 レビュー 93件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.23pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全93件 61~80 4/5ページ
No.33:
(5pt)

動かない手足は切ってしまう。その発想に脱帽。

筆者のデビュー作にして、問題作。老人介護問題の解決策を、動かなくなった手足を、切断することで軽減しようとする発想は、まさに医師ならではだと思う。しかし、そうかんたんには進まず、いろいろな問題を引き起こしてゆく。はたして廃用身の切断は是か否か?人口の50%を65歳以上がしめる社会を直前に控え、物語といってすまされない深刻な問題提起作品だと思う。
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4344003403
No.32:
(5pt)

度肝抜かれた!

まさに度肝を抜かれました!!!
私は、この本と同じような介護の仕事をしています。実際に、マヒや、硬縮で、不自由にしている方をいつもいつも見ています。私は自分がそのようになったら、この本の、A(切断)ケア、S(人口肛門など)ケア、デス(死)ケア、全部考えれると思います。選択肢は多いほうがいいし、それで、自分も周りも楽になれるのなら、タブーではないと思います。職場でほとんどのスタッフで回し読みしましたが、ほとんど全員、賛成でした。全員、目からウロコの考え方の本でした。
いろいろな考え方ができること、いろいろな選択肢が考えられること、それが、大事だと思います。みなさんも、この本を読んで、真剣に、グロテスクに、老後を考えましょう!
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4344003403
No.31:
(5pt)

救済と悪業の二つ巴

いきなり、作中作の中表紙が書かれるという構成にまず唖然とする。
そうやって物語に食いつかれたらもう終わり。一気に引き込まれて最後まで読まされてしまう。

「廃用身の切除」などといったものはフィクションでありながら、その向こうに描かれる「介護の現在」といったものは厳然たる現実のものであり、ノンフィクションとしての迫力を持つ。
その一方、主人公たる漆原医師の本性を、最後まで全貌を明かさずに少しずつ、読者に固定したイメージを持たせないように異なる角度から浮き彫りにしていく、というのはフィクションとしての迫力だ。
その二種類の迫力が相乗効果で読者に襲い掛かる、強力な小説である。

そしてもう一つ特筆すべきは、これが作者のデビュー作であり、小説とは無縁の医者という職業の傍らに書かれたものだという点だろう。
読んでいただければわかるが、この異色の表現方法は、小説という形でなければ絶対に実現できない。デビュー作でありながら、「小説である」という特性を完璧に利用している。ただものではない技量であり、驚嘆するしかない。

一読の価値は、十二分にある。
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No.30:
(4pt)

残酷と親切の根元は異なるのでしょうか?

本の中にまた本がある。ミステリなどではたまに見る構成です。
本書は前半が漆原糾医師の手記,後半が編集者の注記となっています。
シチュエーション,人物造型,マスコミのあおり方,どれもがうまい!!!なので,ついついノンフィクションのような気持ちになって読んでしまいます。
漆原糾医師の実像は像としてむすぶかに見えてはまたぼやけ,最後の1ページまで緊迫感を持って読み進められました。
Aケアは小説内の嘘っぱちですが,作者の提示した医療危機は真実です。
現在介護真っ只中の方にはこの本をお勧めしませんが,「高齢化社会って言っても自分にはあまり実感ないし」という若い方にはぜひご一読をお勧めします。

ところで,この本中本の出版は山月で印刷は李陵なのですね。
私も大好きです,中島敦,と著者に少しばかりの親近感を持ってしまいました。
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No.29:
(4pt)

よく書かれているだけに怖い

麻痺で身体のお荷物になった老人の四肢を切断する治療「Aケア」。

その治療は本当に患者のためになるのか。四肢を切断したことを後悔してはいないのか。
介護する側の都合なのか。
治療を考え付いた医師漆原は純粋に患者のためをだけを考えて患者に治療を薦めているのか・・・。

医師漆原の手記(主観)、漆原の本を出版しようとした編集者の手記(客観)から次々と明らかになる、医師と患者の気持ちのズレ、漆原の嗜虐性。

病気腎でも移植を施行する医師、病気腎でも移植してもらって透析から解放されれば患者は本当に満足しているのか、医師は純粋に患者のためだけを考えているのか。腎移植をしたいだけなのか・・・。

こんなふうに想像すると、社会的に違和感を覚えるような医療界の報道もわからせてくれるような一冊です。

医師が書いた本でタイトルもなにやら難しそうに聞こえますが、文章は専門用語も少なく読み易いです。平易なだけにぞっとするシーンも多々あり、最後まで読ませます。

なんともいえない読後感が残ります。
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No.28:
(5pt)

医師からのショッキングなフィクション

革新的で野心的な小説。架空のドキュメンタリーという形をとりながら、Aケアという大嘘を構築している。フィクションというのはこうでなくちゃ。大きな嘘が、小さな事実で慎重に組み上げられている。
手足を切断するというショッキングな『治療』の是非をめぐり、迫真のドラマが繰り広げられる。作者も医者だっただけに、マスコミと世論の身勝手さが生々しい。
最後に、主人公の意志の個人的性向も暴かれ、更に問題を複雑にしている。人気作はすぐ映像化される昨今だが、これだけタブーに挑戦していると、難しいだろう。

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No.27:
(5pt)

最初、ノンフィクションかと思った

最初に「この作品はフィクションです」等のただし書きなしで、いきなりノンフィクションぽい書き出しで始まる本。あるライターが、死亡したある医師の生涯と所業を回想する形式。途中でいかにもな感じの新聞記事や雑誌の転用が挿入される。読み進めているうちに、扱っているテーマの大きさから、さすがにフィクションだと気づくが、最後まで「フィクション」と言い切らないところはすごい。最後の最後まで登場人物の架空の医師の経歴、書いたライターの経歴が載っている。じつは私自身いまだに十パーセントくらい「もしかしたら本当にあったんじゃ?」と疑っているが、麻痺した老人の足を組織的に切断する医師はいないだろう、と自分に言い聞かせている。それくらい読んでいる側を本の世界に引きずり込んでくれる本。
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No.26:
(4pt)

ホントにフィクション?

先に破裂を読んだのですが、この話もノンフィクション??と思う内容です。
日本の各家庭で起こりうる、というか既に起こっている老人介護の問題。
面白いという言葉は使えませんが、ショッキングな内容で
眉間にシワを寄せながらも(電車で読んでいたときはすごい顔をしていたと思います。)
どんどん引き込まれ(引きずられる?)ていきました。
老人医療の現場にいたお医者さんとのことで、きれいごとではない部分も書かれています。
すごい作品です。
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No.25:
(3pt)

切羽詰まった介護問題への叫び

『破裂』でも著者の関心は高齢化社会だ。
進歩した医学が心身の不自由が生じても長生きをもたらす。
介護生活が10年20年と長引く生活。
実際介護はそんな美談で語ることばかりではなく、介護される側もする側にも
生まれるべきではない負の感情を呼び起こす。
この人のこの本は、小説でありながら切実に読者に訴えてくる。
故に、読後の気持ちは託された問題で重くなる。
不自由な手足を切断されても、長生きを望む人はいるか?
本当に長生きは幸福なのか?
人間が寿命をどこまでコントロールするのか?
出来れば『破裂』と合わせて読むことをお薦めします。
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No.24:
(5pt)

感覚麻痺

奇抜な倫理感。提起された老人介護という問題を考えているうちに
主人公の心の闇に巻き込まれていく。極端な治療をする医師と、圧倒的な影響力で人を追いつめる
マスコミニュケーション。どちらがより犯罪的か。
読み進めていくうち、猟奇とモラルの狭間で読者の感覚も麻痺していきます。歴史上にも、巫女などの超能力を増すために身体の一部を犠牲にする
類型は多いと思います。
また、最近流行の断食ダイエットにしても、飽和している食餌を
一時制限することで体内浄化をはかるという物。
これらに通ずる論説にはフィクションとわかっていても、
本当に効果があるのではないかと思わせられます。マルキ・ド・サド、江戸川乱歩好きな私でも気分が悪くなったのは
自分にとっても無縁ではない、病気、介護、社会に根ざした
現実上の問題と猟奇のパラドックスだからだと思います。
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No.23:
(5pt)

ノンフィクション風フィクション

「ノンフィクションなの?」って思わせる見事な構成でした。ある医者が出版社に宛てた遺稿と、その遺稿を出版する担当編集者による注釈章の2本柱からなる構成です。本を出版するにあたり編集者が事実関係をいろいろと調査した内容が後者。この超リアルな構成がとっても気に入りました。この作家の独創性に驚きです。
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4344003403
No.22:
(5pt)

たくさんの工夫がある、身体改造ホラー

~多くの方がミステリー小説だとされていますが、私はホラー小説だと思いました。実際、とても怖い思いをしながら読みました。大成功の作品だと思います。トレパネーションを描いた漫画が人気ですし、スプリットタンなどを取り上げたムックもあるようですね。でも本書は「趣味としての身体改造」ではなく「必然性のある身体改造」を設定して追求しているの~~が面白い。趣味なら止められるけど、必然性があれば止められないからね。とくに前半のノンフィクション書籍の体裁を取った部分は、キレイキレイで白々しい雰囲気が良い。逆に怖さを倍増させます。
描写もすごい。糞尿・痰唾・脂垢・膿汁まみれの介護現場から一転、すべすべの新しい皮膚が輝く切断面。この視覚的落差はすごいなあ。架空のノンフィクション書~~籍や週刊誌記事をでっち上げた腕前もすごいし、この著者は小説にとどまらない才能を持っていると思います。~
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4344003403
No.21:
(4pt)

恐ろしい。

回復の見込みの無い手足を、切断。
確かに、看護する側は、その分だけ、重さが減るので、楽になるだろうけど、本人にしたら、いくら動かない、回復の見込みが無いと言っても切断されるなんて!一見、合理的に見えるけど、何事も省いていい所とそうでない所があるんじゃないかな。一見無駄のように見えても、何らかの形で、役に立っているというか、役に立っていなくても、そのもの存在自体が、必要とか。「無用の用」と言う言葉がある。まして、Aケアによって、脳への血流が増えるとは思えない。怖いと言うか、こんな考えがありなんて、いろいろ考えさせられた一冊です。
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4344003403
No.20:
(5pt)

人間をDNAを運ぶ船と考えて

廃用身
久坂部 羊
身体の一部ではあるが
麻痺などで用を足さないからだの一部のことを言う
人間をDNAを運ぶ船と考えいらなくなった無機能な部分を排除することにより
老朽化した船を墓場まで運ぶ周りの乗組員のことを考え
船長こと漆原医師の究極の医療「Aケア」
>私の脳みそ
廃用肢は医学用語にある
漆原は「私にとって要らないのもはこの頭」と言って・・・
だから廃用”身”
漆原は酒鬼薔薇のもじりか?
最近新聞で騒がれた老女に熱風を当てて殺害した介護職員
彼は仕事に誇りを持ち、生き甲斐を感じていたそうだ
その彼を、殺人に駆り立てた物は何だったのか?
図らずもこの本が代弁しているようだ
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4344003403
No.19:
(5pt)

フィクションとしてのレビュー

2002年にワイドショーや週刊誌上で盛んに報じられた「Aケア」の発案者・漆原糾医師の手記「廃用身」に、出版元の山月館・矢倉俊太郎氏による編集部註を併せた一冊です。「Aケア」は脳梗塞などが原因で回復が見込めないほど麻痺した四肢(廃用身)を切断することにより、高齢者の体重を減らして介護負担を軽減し、さらには高齢者自身のQOL(生活の質)やADL(日常生活動作)を向上させることが目的でした。しかしこの特異な手術はメディア・サーカスの中で悪魔の所業として糾弾されたことも記憶に新しいことです。 この手記を読むと、急速に進む高齢化社会に対して漆原医師が誠意をもって向き合っていたことが良く判ります。切断手術は報道にあったように高齢者に強要していたわけではなく、説明と同意に基づいた「治療」であったことも見えてきます。 私自身、介護保険制度発足前に「老老介護」の苦労を聞かされて暗澹たる思いにとらわれたことがあります。日本では他人に老親の介護を任せることを潔しとしない意識があるため家族が自宅で慣れぬ介護を続け、結果的に被介護者ばかりか家族全員が疲弊してしまう場合があります。自宅での高齢者介護の一つのヒントが「Aケア」にあったのかもしれないということを私たちは、メディアに踊らされることなくもっと冷静に検討すべきだったと思います。 回復する見込みがないとはいえ、麻痺四肢を切断する行為の「イメージ」の醜悪さが一人歩きして、メディアに興味本位に取り上げられてしまったのは漆原医師にとって大変不幸でした。この本は高齢化日本の介護問題に対してかなり過激な一石を投じるのは間違いありませんが、一方でメディアの十年一日変わらぬ皮相な取材ぶりをも鋭く指摘している本と言えます。事実とは何なのか、ということも含め、大変興味深く、考えさせられることの多い一冊でした。

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No.18:
(4pt)

すごい小説でした(汗)

この話はフィクションです、と断り書きがなければノンフィクションかと思いました。老人の麻痺した手足をどうすればそのQOLをあげられるのか…、怖いような話ですが、近い将来本当の話になるかもしれません。それにしても、このお話の構成にはびっくりさせられました。こんな構成の小説はいままで読んだことがありませんでした。絵画でだまし絵というのがありますがそれに通ずるものがあると思いました。医術に関する記述ももちろんですが、マスコミによる個人攻撃、その結果、にも大変興味を覚えました。こちらは近い将来といわず、もう既に起こりつつあるように感じます。誰にでもおもしろい、と薦められる1冊ではありませんが、いろいろな人に読んでもらいたいなと思いました。
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No.17:
(5pt)

マジでフィクションなの?

と、思わせるくらいリアル。奥付まであるし、アマゾンのレビューを
みるまでノンフィクションだと思ってた。ちょうど、この1年ぐらい
テレビをあまり見ていなかったし、こんな事があってもおかしくないな、
と読ませるあたりも本作の見所だろう。本作で私に最も訴えたのは、今後さらに加速する高齢化社会における老人介護の問題だ。もし自分の親が寝たきりになったら、と思うと、ぞっとさ
せられる現実の数々が現場の視点で描かれているのは、テレビのドキュメン
タリーのような綺麗事とは訳が違う。自分の両親が、いや自分自身が老いたら、そんなことを考えると、目を背け
られない圧倒的なリアリティーを、本書は私に突きつけた。
廃用身Amazon書評・レビュー:廃用身より
4344003403
No.16:
(5pt)

どこまで考えればいいのか・・・?

阪大医学部卒の現役医師によるデビュー作です。
残酷で猟奇的でグロテスクな色彩が強くて、かつ徹底的にリアルな小説に対峙したとき、読者は得てして無意識のうちに距離を置くものだと思いますが、この作品は決してそうさせてはくれません。
遠い世界の話じゃ済まされないというリアルな世界が舞台となっています。距離なんて置けないのです。だけど同時に襲ってくる脱力感や疲労感は激しく強烈。
こういうのを読み応えがあるというのでしょうか。医療職や福祉職に携わる人に特に読んでもらいたい本です。
だけどわたしは最近歳を感じさせるようになった父に勧めることはできませんでした。
廃用身Amazon書評・レビュー:廃用身より
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No.15:
(5pt)

親に読ませたくない・でも働く30代に読んで欲しい

ものかきをするかたわら、内科で事務をしています。
正直私にはまだ介護はちょっと自分から遠くに置いておきたい問題でしたが、
Drや薬剤師さんとのおつきあいからこの本を読みました。
よく"子供には見せられない本"というけれど、
今読み終って…私にはこれ、"老いた親には見せられない本"です。
今読ませたくない女性の友人もいます。そういう本が現れた事実にも驚愕です。だけどこれ、私は
働く20代30代40代・・・特に30代の男性で
医療や介護に関わる人、報道に関わる人、家族と暮らす人、に
読んで欲しい、と思います。何らかの揺さぶられる価値観があると思います。
それで初めてレビューに参加させていただきました。
感想を敢えていうのなら、映画"Dancer in the dark"を観終った時の気持ちと似てる気がする…。だけどこの作品の映像化だけは絶対イヤだな…(==;)
最初はドキュメントと思わせる構成にもギョッとしました。
奥付ふたつはヤラれたなぁ・・・
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4344003403
No.14:
(5pt)

現実と非現実の境目

§ ̄èäoo -è '§"¬'èa¿-...£'ä"...1aéa"¨a"¢o¬ä ̄£ ̄§3§...¨§éè±a§- '§è...¨- ̄-'...\-...1é£-a¨-§£ ̄§3¨è¨è''觬"è± ¨£-¶"§é" ̄a 3£ ̄§3 ¨£§-a¢aä"§"è±äéé¢äè¿£¨"¨ä\-§°'-§3£ ̄§3騧-3¨!¨è¢-§a¨"¨èo'-¨è±23...a £ ̄§3§"¨ä¿¡"ä1...-¶è¡'§èa¿¬é¡äaä"oä-
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