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湖のほとりで
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湖のほとりでの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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北欧のミステリーが面白いと知人に勧められて何冊か購入しました。 筋書き自体は北欧独特とまでは思いませんが、情景が浮かびます。 | ||||
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全体に地味だが、丁寧な描写がそれを補い、500ページほどの作品だが、一気に読み進めることができる。ただ、ヘニング・マンケルの作品がスウェーデン色を強く感じさせるの対し、本作にはノルウェー色を強く感じない。セーヘル警部の娘や孫に、ちょっとノルウェーというか、北欧だなと感じるぐらいだ。北欧やヨーロッパでの評価は高いようだが、日本では本書刊行以降5年間に、ほかの作品が翻訳されなかった理由が、その辺ではないかと感じてしまう。 なお、〈セイエル警部シリーズ〉として、創元推理文庫で『晴れた日の森に死す』が9月30日に刊行されるらしい。そちらでは、著者名がカーリン・フォッスムとなっている。 | ||||
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ストーリーについては他のレビューアさんたちが詳しく書いておられるのでそちらに譲ります。ノルウェーのミステリということで、やはり淡い北欧のイメージがよく出ている作品だと感じました。 イタリアで映画化され、多くの賞を受賞したということですが、映画は見ていないものの、気になってそちらのアマゾン評も読んでみました。原作に忠実に映画化されたということですが、私の小説に対する感想は、ここに掲載されている評よりも、映画に対する評に近いものでした。つまりかなり地味な作風である、と。 犯人探しや複雑な謎を解くミステリの楽しみというのはあまりありません。現実の殺人事件や警察の捜査というのはこういう感じではないのか?という気がします。特にドラマチックな展開があるわけでもない、あっと驚くような意外な犯人もいない、人間関係や個人の事情、家庭問題、そんないろんなものがからみあって、感情や行動が暴走し殺人が起きる、そしてそれをひとつひとつ地道に捜査してゆく警察。当たり前だけれど、その警察官にもそれぞれの事情がある、そんな時間の流れを描いた小説です。 穏やかで淡々とした作風になごむ人と、退屈だと思う人と、好き嫌いが分かれるのではないでしょうか。自分はと言えば、正直いまひとつでした。ごめんなさい・・。 | ||||
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発売当初に読み、今回また読み直して再び満足。 なんといっても、作者の人間への優しいまなざしがいい。ラグンヒルの打ち捨てられた椰子の木のようなひと房の髪の毛、こだわりの配色の靴ひもと靴。人形の名はラグンヒルのミドルネームだが、だれもエーリセとは呼んでくれない。 そして、ラストでのラグンヒルとライモンの会話の絶妙さ。ここは、翻訳者の方の文章の上手さにも拍手。選び抜かれたミニマムな数の言葉で表現されていて、お気に入りの場面。切ないまでの優しさと純粋さ。 どのシーンだったかは忘れたが、セーヘル警部が容疑者を尋問中に『相手に対して尊敬の気持ちを忘れてはならない。カッとしてはいけないのだ』と自身に言い聞かせていて、改めて人としての生き方を再確認した。 そして殺人の動機は誰にでも起こりうる、子育て(人間を育てる)の難しさに屈した結果といえる。 作者の洞察力の鋭さに脱帽。 とにかくすべてのジャンルの小説のなかでも大好きなシリーズなので、続編を待っています。 初々しい部下のスカッレの今後も楽しみ。 | ||||
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文学小説のような香りと、人を見つめる警官のまなざし。生きるには、さまざまな心の屈折が生まれると、教えてくれます。セーヘル警部がとても魅力的で、是非お友達になりたい。 | ||||
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北欧ノルウェーの「犯罪小説の女王」と称される名高いミステリー作家フォッスム女史の映画化もされて話題を呼んだ名作の本邦初紹介です。近年の北欧ミステリー界は「ミレニアム3部作」を代表とするスウェーデン勢が圧倒的に優勢ですが、私にとって初めてのノルウェー・ミステリーである本書を読んで強烈な派手さは無い物の確かな実力とレベルの高さを窺い知る事が出来てとても嬉しく思いました。 お泊りした翌朝友達の家を出たまま自宅に帰って来ない6歳の少女ラグンヒルの失踪事件は両親の心配の末に呆気なく解決するが、彼女が家への帰りに湖のほとりで目撃した女高生の死体が新たな事件の始まりとなる。事件を担当するベテランのセーヘル警部と若い警官スカッレのコンビは被害者の少女アニーの生前の突然の性格の変化が事件の謎を解く鍵だと信じて捜査を進める。 捜査の過程で判明する、ハンドボールに打ち込み近所の幼い子供達の世話が好きな明るく快活だった少女がどうして或る日を境に一転して暗く翳りを帯びた性格に変わってしまったのか?という謎が本書の最大の興味でしょう。著者が描く家族を巡る不幸の連鎖と呼ぶべき、アニーの母の離婚した元警官の前夫の鬱屈した苦悩の胸中、アニーの恋人の青年ハルヴォールの幼い頃に父から虐待された悲しい過去と秘めた衝撃的な事件、そして幼子を持つある家族に起きた不幸な出来事という現代社会が抱えるストレスとフラストレーションが突如として暴発してしまう悲劇には単純に善悪だけでは判断出来ない何とも言えない哀しみと憐憫の情を感じます。自身が最愛の妻の死を経験し愛犬と暮らすセーヘル警部は、社会的弱者であるダウン症の障害者ライモンに優しい眼差しを注ぎ、様々な事情から過ちを犯した者達にも決して辛く当たらない、本質的な部分で人の心の痛みを理解する情け深い心優しき好人物だと思えます。人間の持つ弱さが悲劇を生む構図の物語の重く悲しい流れはどうにも変えようがなく事件が解決しても心晴れやかにはなれませんが、ラストに冒頭の呑気で平和な場面を再び持って来て悲しみを和らげるのが女流の著者らしい心優しい配慮だと思います。 確かな実力を感じさせ久々にじっくりと小説を読む喜びを味わわせてくれた著者の他の多くの作品が今後とも翻訳され印象深く心に残る人情家探偵セーヘル警部と再会出来ます様心から祈念したいと思います。 | ||||
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