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(短編集)
奇談蒐集家
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奇談蒐集家の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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メフィストで連載されていた他の作品を読んで、 太田氏に興味を持ちました。 それからKindleで読める既刊の作者の本を2冊読んだのですが3冊目にして初めて星5のレビューを書きたいと思う本書に出会いました。 総合的にみて、どの作品もそうですがネタはさすが太田氏で、また完成度も高く納得のいかない点も無くおもしろかった。 | ||||
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新聞に出された 「自分が体験した不可思議な話を話してくれた方に高額報酬進呈。ただし審査あり」 という広告に釣られてやって来た数人の客の話からなる短編 話を聞くのは愛煙家にして酒を愛する道楽者の恵美酒と性別不詳の助手、氷坂 やってきた客は自分が体験した奇談を披露するが悉く助手の氷坂によって話の真相を突き付けられる あるものは感謝しあるものは茫然とするという安楽椅子探偵物のような展開 まぁ氷坂の推論も一つの可能性であって本当にその答えが全て事実であるかどうかは分からないのですが 氷坂の毒舌かつ一刀両断に突き放すような冷たいセリフが小気味よくていいですね そして全ての奇談がつながる最後のエピソード 「おいこら、本当に報酬はいらんのか?」 圧をかけながらの恵美酒のこの最後のセリフがいいですね、報酬とは何だったのか、もしもらっていたらどうなっていたのか想像力を掻き立てられる良い小説です。 | ||||
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各章が前半に謎、短い後半で解答という構成になっています。とても魅力的な謎なのですが、あまりにあっさりと探偵役が解いてしまいます。後半を少し読んだところで、休憩をしてから残りを読むとよいです。最終章までは、これで十分楽しめます。 | ||||
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「奇談求む!」の新聞広告に誘われて応募した人たちが自らの不思議な体験を語ると、主宰者のエビス氏は御満悦、ところが、無粋なアシスタント氷坂が辛辣にぶったぎって真相を推理する。 基本パターンはいたってシンプル、ファンタジー風味だったりスリラーだったりの奇談の数々を抜群のリーダビリティで淀みなく読み進められるのであります。幽霊の正体見たり、枯れ尾花。応募者も長年の疑問が解明されて気分すっきりだったり、夢を見たままでいたくてがっかりだったりで人さまざま。 けれども、巻末のエピソードで匂わされているように氷坂の推理も解釈の一つというだけで結局真偽は分からず。現実と奇談が逆転し、「奇談蒐集家」の存在そのものを都市伝説にしてしまったオチが一番の大番狂わせ。 | ||||
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〔求む奇談!… 高額報酬進呈。ただし審査あり〕 新聞の募集広告を目にして、電話連絡を入れ、指定のバー:ストロベリーヒルを訪れた客は、奇談蒐集家:恵美酒一と美貌の助手:氷坂に、自らが体験した奇談を語る。 シガリロ(葉巻)とスコッチウィスキーの香りの中、披露された奇談は・・ ・教育委員会職員のトラウマ「自分の影に刺された男」 ・国文学者の恋物語「古道具屋の姫君」 ・シャンソン歌手がパリ時代に遭遇した「不器用な魔術師」 ・離婚した男の少年期回想譚「水色の魔人」 ・平凡な主婦がかつて見た人生の転機「冬薔薇の館」 ・孤独な小学生が遭遇した不思議な少年と奇妙な一夜「金眼銀眼邪眼」 不可思議な話を聞き終え、満足げにもっともらしい解説(解釈)をつける恵美酒。 しかし氷坂は、“謎でも何でもない”と話の背後に潜んでいた「事件」を指摘し、論理的に解き明かし、真犯人とカラクリを看破してみせる。 「本当に不思議な話なんて、そう簡単に出会えるものじゃない」 “週末、ミラノレストランの個室に集った、博覧強記な常連さん方が、「ゲスト」の変わった話の相談に乗り、アカデミックな推理を展開しきった所で、真相を見事に言い当てるのはいつも、給仕のヘンリーだった”…… という、アシモフの短編連作『黒後家蜘蛛の会』をミニ版&文庫1冊にしたような、構造とテイスト☆。 しかし、ヘンリーがおじさんなのに対し、“男か女か判別のつかない、美貌の氷坂”がポイント高~い♪ (実写版だったら『ライアーゲーム』の吉瀬さん なイメージで読んでました) 文庫帯に、「注・必ず順番にお読みください」とあったのに・・カバーかけてたから、気の向いたサブタイからつまみ読んでしまった~~。 そう書かれてある理由は、ラストの一篇が、 ・都市伝説を追っていたライターが、“その後の奇譚関係者”と会いながら、恵美酒本人にたどり着く「すべては奇談のために」 だから。 淋しく・不幸だったりする語り手は、知らず知らず“人生の拠り所”としていた「奇談」を打ち明けたことで、記憶を甘美に彩っていた「幻想」を打ち砕かれ…… 苦すぎる「現実」を直視させられる羽目になる。 絶望気味であった男は、真の絶望に突き落とされるような、痛い現実。 氷坂の要点指摘が、簡潔&ズバリで、ぐさりと刺さる。 「あなたは鈍感なのです」 「あなたには人を見る目がない。そして思い込みが強すぎる」 語り手が「女性と子供」である話は、いちおうの平和解決へ。 氷坂、フェミニストなのかもしれないね―。 | ||||
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この世のものとも思えない、血も凍るような恐ろしい話。世の常識をひっくり返してしまうような、信じられないほど滑稽な話。一度聞いたら二度と忘れられんような、突飛な話。 奇談蒐集家「恵美酒 一」は、新聞広告を打ってそんな奇談を待っている。 そこへ、おそるおそる一人の客がやってきて、今まで誰にも信じてもらえなかった話を語り出す。 そこは秘密クラブのような、変わった雰囲気のひっそりとしたバーだ。 奇天烈な話が、お客の口から語られる。…ご満悦のエビス氏。 ところが、冷や水を浴びせるように「助手」氷坂が、奇談をするすると解体してしまう。 なんという名推理、そしてなんという興ざめ。 そんな晩が三回ほど続き、なるほど趣向が読めてくる。ふふん、真犯人は、多分この人物か。氷坂の謎解きを待つまでもない。 しかし、だんだん真相自体が奇談めいてくる。徐々に物語の構造が変質してくる。氷坂の眼が妖しく光る。 なかなか波乱の展開を見せる連作短編集だ。 井上雅彦の解説を読むと、一段と満足度が高まる。 | ||||
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最初の数本読んだ感想としては キャラや設定にたよったよくあるミステリーで 大体落ちもわかるしーと思って途中で読むのを止めようかと思いながらだらだらと読みすすめた。 で、最後のほうになっていくとちょっと幻想的になってきて 面白いかも?と読みすすめていくと 最後の短編で、全体的な世界観・・・幻想小説ということが明るみになります。 最後まで読んだ感想としては なかなか面白い幻想小説でしたという感想です。 ミステリーだと思って読んでいた人には 最後でがっかりという感想かもしれませんね。 私はとても楽しめました。 | ||||
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見事な構成と仕掛けの連作短編集。 strawberry hillという酒場で不可思議な話を蒐集する恵美酒という怪しい人物とその助手の氷坂。酒場を訪れ不可思議な話を披露する人々。その話が二人の審査を通過すれば、高額報酬が待っている。しかし、どの話も最後には助手の氷坂が看破してしまう。 まるで、アイザック・アシモフの『黒後家蜘蛛の会』のような作品。助手の氷坂が、ヘンリーの役回り。 どの短編もそれぞれが面白いのであるが、最終話で驚愕する。ウイリアム・ヒョーツバーグの『堕ちる天使』を読んだ時のような衝撃が… やられた! | ||||
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『奇談蒐集家』を名乗る謎の男に、奇談を売りにきた者たちが体験した不思議な話を語る連作集。しかし、『奇談蒐集家』の側に仕える男か女からない人物がその不思議を解き明かした瞬間、奇談は奇談ではなくなる。その解き明かされた謎はどれも苦い。 そして、最終話はこの連作自体を煙に巻くかのごとく幕を閉じる。連作自体が最後に一つの奇談として立ちあがってくるのである。 | ||||
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奇談収集家を名乗る男の元に訪れる人々。 目的は報酬であったり、自分の抱えている謎を誰かに信じてもらいたいなど様々である。 一つ一つの物語の魅力はもとより、 奇談収集家として主人公(?)の人物の不思議な活動や 舞台設定をバーにするなどちょっとしたこだわりがまた物語に風味を加えている。 ちょっとした空白の時間にゆっくりと味わいながら読んでもらいたい一冊 | ||||
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奇談収集家を名乗る男の元に訪れる人々。 目的は報酬であったり、自分の抱えている謎を誰かに信じてもらいたいなど様々である。 一つ一つの物語の魅力はもとより、 奇談収集家として主人公(?)の人物の不思議な活動や 舞台設定をバーにするなどちょっとしたこだわりがまた物語に風味を加えている。 ちょっとした空白の時間にゆっくりと味わいながら読んでもらいたい一冊 | ||||
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何か途方もない話を持ち込むと,実も蓋もなく当たり前の話にしてしまう怪しげな名探偵噺で始まり,いささかがっかりする.ところが作者は勿論只者ではない.訪問者が持ち込む話も次第に奇怪なものになってゆく.そうして本書のために書き下ろされた全編解決篇に到り,この本全体が途方もない怪談だ,と気付かされる.この場面は本当に怖い.なぜ怪談を真冬に出版したのかがまた怪談じみているが,最後の怖ろしさは忘れられない.夏が来たら読み返す積りでいる.推薦. | ||||
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何か途方もない話を持ち込むと,実も蓋もなく当たり前の話にしてしまう怪しげな名探偵噺で始まり,いささかがっかりする.ところが作者は勿論只者ではない.訪問者が持ち込む話も次第に奇怪なものになってゆく.そうして本書のために書き下ろされた全編解決篇に到り,この本全体が途方もない怪談だ,と気付かされる.この場面は本当に怖い.なぜ怪談を真冬に出版したのかがまた怪談じみているが,最後の怖ろしさは忘れられない.夏が来たら読み返す積りでいる.推薦. | ||||
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