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空の中
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空の中の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.18pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全143件 121~140 7/8ページ
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突然、自分にとって大切な、かけがえのない人を喪ってしまったら? 心を襲うのはすさまじい悲しみと、喪失感と、そして後悔なのでは ないだろうか?「悔やんでも悔やみきれない」その思いが遺された 者の心に血を流させる。作者の、苦悩する登場人物たちの描き方が とてもいい。彼らの心の動きが読み手にも伝わってくる。 また、「白鯨」と名づけられた謎の生物本体と、白鯨と人間との 仲介役の高巳の会話が絶妙だった。しだいに言葉を覚え人間という 生き物を理解していく過程はとてもよく描かれていて、読んでいて どんどん物語に引き込まれていった。「人類と白鯨に共存の道は あるのか?」憂いを抱いてラストへ・・・。 「姿かたちは違っても、心と心は通じ合える。」 読後そんな思いを味わえた。余韻が残る心温まる作品だった。 | ||||
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「空の中」なんてちょっと変な名前の本が気になって つい、買ってしまった。 「空の中」には何があるんだろう・・・・ 「空の中」には「白鯨」がいたのだ。 遠い昔、地球が生まれ、人類が発生するずっーと昔から 人間の目の届かないところに、 「全き一つ」の生命体として・・・ 確かに、地球上に人類がはびこっている。 しかし、そんな人間の目の届かないところは まだまだたくさんあるし、 そんなところに人間の想像だにしない生物がいても 不思議はない。 そんなことを考えながら楽しく読ませてもらいました。 登場人物も、キャラが際立っているし 読後感もさわやかでした。 みなさんも、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。 もうひとつ、おもしろかったのは「白鯨」の性格。 平和を望み、他との競争を望まない。 静かに暮らす・・・・ それは、人類がずっーと夢に描いていても 実際には、その性質の故に手に届かない夢。 25000mの高みは、手に届かない、エデンの園の極み。 そんな生物にも、他を信じることができない人間は 自己の性格の故に自分と同じものとして、そんな生物を判断してしまう。 そんな人間の弱さと、「白鯨」を 神のような生物に描かれているのが興味をそそりました。 | ||||
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一気に読み終えてしまった。最近、SF小説ではこんなことは無かったので、自分でも意外だった。 爽やかな読後感とでも言おうか、似たような話を読んだことがあるわけでもないのに懐かしい。 解説を読んで、何となく理解できた。 夢中でSF小説を読んでいた中学生、高校生の頃。新井素子、筒井康隆、眉村卓etc、小説のみならず、日本のSFが最も活気に溢れていた時代に読んだ作品群と、同じ風を感じたからだと思う。 まだガイナックスがゼネラルプロダクツだった時代、朝日ソノラマやコバルト文庫、SFジュブナイルに夢中になった人たちには、特にお勧めしたい。 | ||||
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UMA(未確認生物)とのファーストコンタクトを扱ったSFではありますが、人 間の美しさを描いた本でもあります。 弱く愚かな人間が、自らの愚かさも弱さも受容し、自然に対して謙虚に、優 しく生きる人間の生き方の美しさに、感動し、涙無しでは読めません。 SFとしても優れものです。UMAの設定は衝撃的にユニークです。ユニークです が、設定が緻密なのでとてもリアルな内容です。明日、この本の内容が現実 になっても不思議な気がしません。 このUMAの登場(人類との出会い)、人類との交流・衝突、そして結末を描い たSFとしても一読の価値があります。 本書はライトノベル的な読みやすさを保ちつつ、楽しくて萌えるだけではな いイイ話を見事に書ききった、いい本です。 作者は、ライトノベルとして執筆しました。しかし、原稿を見た編集者が 「この本は、ハードカバーで出したい!」と情熱をもやし電撃文庫から14年 ぶりのハードカバーとして出版されることになりました。そして、文庫本化 される時は、電撃ではなく角川文庫から出版されました。この経緯が本書の 内容を物語っています。 文庫化される際に、ハードカバーの「空の中」に「仁淀の神様」という掌編 が追加されています。「仁淀の神様」は、「空の中」の後日談ですので、 「空の中」に最終章が1つ追加された感じになっています。 この最終章「仁淀の神様」が、暖かい涙がいっぱい出てしまう内容です。 白鯨とちがい、短い命しか持ち得ない人間も、こうやって無限につながって いくんだったら悪くないなって思えました。 | ||||
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既にハードカバーのものを読まれた方もそうでない方も 書き下ろしの『仁淀の神様』は是非とも読んで下さい。 これを読まずして『空の中』を読んだとは言えません。 この書下ろしを読んで、一層この作品が愛おしくなりました。 | ||||
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この人の本は文庫版塩の街と阪急電車しか読んだ事がないけど、航空ミリタリー物かと思って読んだら、いやぁ、良い意味で期待を裏切られた。 UFO物(カテゴリー的にこうなのかな?)だったのですな。 W主人公で進んでいきますが、自分は歳が近いせいで自衛隊組の方が良かった。 書き下ろしは、こっちよりもあっちの方が良かった気がするな。と言う自分は自衛隊組。 | ||||
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有川浩さんは図書館戦争のシリーズで知り、引き込まれる文章にはまり全作品全て集めました!! 今回あとがきにもあったように「大人ライトノベル」を目指した文庫化としての記念すべき1冊目だと思います。 内容はSF+青春+家族愛+ラブコメといった感じ。けれど、これだけの要素をひとつのお話にまとめられる文章力には圧倒されます!!こういった所に有川浩さんの文章の魅力を感じます。これがデビューから2作品目とは・・・恐るべし!!!! ☆4つの理由としてはやや長め?というか何回は途中で読むのに疲れた何かを感じたからです。 ハードカバーには無かった書下ろしのお話は正直2.5くらいです。 こちらsideに焦点を当てたのか・・・残念でした。 | ||||
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良い。すんごく面白い。 ジュブナイル小説として、純粋に楽しめた。 セカイ系の匂いもしつつ、登場人物の内面的な成長をきれいに描いている。 但し残念なのが文章力。 話の内容はとてもよかったんだけれど、文章があまり上手ではないので、二度と読み返す気にならず、友人に譲ってしまいました。 最近ティーンズ向けの文庫を書いている作家さんには文章力が稚拙な方が多いですが、この人もそうかと。まだマシな方ですけどね。 ただ、やはり内容はとてもよかったので星は三つにさせていただきました。 | ||||
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謎の航空機事故で父を亡くした少年と現れた異生物。 謎の航空機事故で尊敬する上司を亡くした女性自衛官と事故を調査する男性の前に姿を現した異生物。 ウチが高校時代に読んだ「星虫」(岩本隆雄著)という作品があります。異生物、いわゆる地球外生物と高校生との接触という経験をモチーフに、まっすぐに物事を見ること、夢を持つことを描いた作品なのですが、この「空の中」も異生物との接触という異常な状況から少年の成長を背伸びすることなく描いています。 ちょっと、ラブコメの要素が多めにふりかけられていますが、嫌味になりません。素直に暖かな空気の流れる物語の中に身をゆだねて見てください。きっと、感じるものがあると思います。 ……高校時代にこの作品読みたかったなぁ。 | ||||
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もしも高校生ぐらいの時にお父さんが死んでしまったら。心から心配してくれる人が近くに「居る場合」と「居ない場合」・・・それが過激派美少女「真帆」と強がり少年「瞬」。そしてなすすべも無かったツンデレお姉さんと夢を方向転換した温厚青年・・・ミキと高巳。盲導犬のように真面目で従順な海に落ちていたクラゲ、フェイク。瞬が「手」と言ったら「許可」と言って手をつないでくれる女の子、佳江。そしてひつじ雲みたいに群れる「白鯨」たち。その中でもひときわ大きいのがディック・・・ ファンタジーなのですが舞台が現実的で違和感無く、ぐいぐい物語に引き込まれます。 読んでいてちょっと三浦綾子さんの氷点を思い出しました。「許せるかどうか」「憎しみからは何も生まれてこない」・・・ 害意のもっとも強いもの。滅ぼすと言うこと。それは取り返しのつかない概念であって、それを撤回する概念はもはや取得できない、という事{←以上ディック談}人はどこまで憎めるんだろう。本当は止めて欲しいと思っている人をどうやったら止めてあげられるんだろう。私の身の回りの人がそうなった時、私は佳江ちゃんのように行動を起こすことができるだろうか?できると良いな。そう思いました{登場人物では佳江ちゃんがダントツに好き!でした} あと、うちの子供達が昔幼稚園で繰り返し習ってきたことで、私もうちで何度も言い聞かせてきた言葉が・・・「人から何かしてもらったらありがとう、よ」「人に何か迷惑をかけたらごめんなさい、よ」「自分がされたら嫌な事は人にもしたらダメなのよ」なのですが、この本を読んでいる間中なんかいもこの言葉が思い浮かんできて切なくなりました。とても基本的なことなのに時には難しいこと。でもあきらめたらダメな事。 心があたたかくなる物語、空を見上げたくなる物語ですよ。 では最後はクラゲちゃん風な言葉で・・・{笑} 「私・は・あなた・が・この本・を・読む・を・する・を・望む・ている・ます」 | ||||
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正体不明の生物を拾った瞬は、そのクラゲのような生物を家に持ち帰った直後、自衛隊のパイロットである父が、事故で死んだことを知ります。 幼い頃に母を亡くし、去年一緒に暮らしていた祖父も亡くなっていた瞬にとって、たった一人の肉親だった父。 葬送式の後、一人きりになった瞬は、真夜中ベッドの上で父の携帯番号にかけてみます。 かかるはずのない通話が突然つながり、そこから聞こえてきた声。 「……冷たイ……ソ、ト」 父を亡くした瞬の心の空白を埋める不思議な生物との交流。 事故を目撃した自衛官の葛藤。 父と喧嘩をした直後に、その父を事故で失った少女の願望。 たくさんの思いが錯綜しながら、物語は終結に向かいます。 いい物語でした。 | ||||
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人間 VS 怪獣「白鯨」。 その怪獣の知能は高く、ヘタすれば人間以上。 しかし彼らは「悲しい」「嬉しい」といった感情という概念を理解できない。 そんな生命体と戦いではなく、 心を通わせ和解することで事態を収束していく人間たちの物語です。 「人間 対 怪獣」でも「人間 VS 人間」でも感情のやり取りがとにかく面白い。 これはまさに「心の戦い」を描いた作品であるとも言えます。 瞬と真帆。 すがりたい、求めたいという感情のままに突き進む2人の危うさ。 基本的には感情の概念を持たないはずが、 人間に拾われ、育てられた白鯨・フェイクだけは「心」を持つ。 そのフェイクが感じた圧倒的な孤独感の描写・・・。 素晴らしい文章力と創造力です! 自衛隊という男社会を女性作家が描くからこその視点、展開。 有川浩さんの作品に女性ファンが多いのはここに魅力があるから! 20代になって怪獣映画にハマった私にはサイコーの本でした。 | ||||
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凄い作品だと思います。 だまされたと思ってたくさんの人に読んで欲しい。 文章、特に登場人物達の会話の作り方のレベルが相当高い。 言葉に対する技術とセンスがあるからできることだと思います。 また、主人公をはじめ、登場人物の心の動きがとても丹念に書かれていて、 かつ無駄がない。一気に読めるし、読んだ後の余韻もとても爽やかな一冊です。 同じ著者の、最近話題になってる「図書館」シリーズからこの作品を知りましたが、 時間も忘れて一気に読んじゃいました。 個人的には他の作品も含めた作者の著書の中で一番好きです。 題材からしてSFモノですが、その一言で片付けず、多くの人にぜひ読んで欲しい作品。 ハードカバーですが、物語に引き込まれてすぐに読めると思いますよ。 気持ちのいい読後感を味わいたい人にお勧めの一冊です! | ||||
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まったき一なるものの平安と幸福。万能感に満ちた世界。それは、幼い子どもの世界に似ている。 人と出合った人ではないものは、人と対話し、自我に目覚める。 物語は、人と人ではないもの、の対立と、人ではないもの内部での対立が、同時平行する。 そして、人と人、人の内部での自分との対決。 子どもが暴走したとき、それを引き止める。それも先行く大人の仕事なのだろう。 あやまつことは、誰にでも、いつまでもあるから。 誤るからこそ、その分、大人は子どもに、折れる時を、教えてやったり、与えてやることができるかもしれない。 誤ることと謝ること。亀の甲よりも年の功がものを言う、大人の魅力が際立つ小説。 すっきりと晴れた青空のような読後感。 | ||||
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読み終わった後、ぼけっとなります。 まず一文目から物語に引き込まれる!一気に読んでしまいました。 SF(なのかな?)は初めて読みましたが、意外とすんなり入ることができました。柔軟な文章がいい! 個人的にはディックサイドの話が好きです。 | ||||
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文体と構成とキャラクター。どれもいい。 作者は非常に「小説」を書く力のある方だと思う。登場人物全員(怪獣?のディックやフェイクも含んで)が、主人公にもなれるほどの書き方でありながら、キャラクターだけで読ませる小説ではないところもいい。 怪獣ものということですが、特に悲壮感はなく、知能の高い、けれども人間と同じ概念を持たない生物との会話が面白く、同じ概念を持つはずの人間同士の会話もまた面白い。 そして何より、作者の書く物語は切なくも温かい。決して見かけの温かさではなく。 物語全体に流れる空気は綺麗だけれども、ただ綺麗なだけでもない。 何と言おうか、なんだかとても、「人間」なのである。 SFとか怪獣ものとか自衛隊とか、読んだことがなくてもすんなり入っていけるんじゃないか、と思えるのは、そういう部分がメインだからなのではないだろうか。 登場する男性キャラクターが皆、色んなかっこ良さで描かれているのははご愛嬌。 | ||||
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ラピュタとガメラとプテラノドンが好きだという作者が書いた初のハードカバー本。 高度2万メートルで起こる二度に渡る航空機事故。 その事故で自衛隊のパイロットである父を亡くした少年瞬は、海でクラゲのような生物を拾い、その生物と交流を始める。 面白かったです。 少年と並んで、事故に遭ったときの飛行に同行し、危うく助かった光稀も一方の主人公です。 どちらの思いもとても丁寧に描かれています。 事故の原因を知って、それをぶつけられた『フェイク』の戸惑いが切ないです。 | ||||
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電撃文庫初のハードカバーということで、若干躊躇しましたが、作者の前作「塩の街」が好きだったので、購入しました。結論、買ってよかった。 空の中に何かいる。不可思議な航空事故を調査していく過程で判明していく事実。それとは無関係に思えるのどかな場所で子供が拾ったもの。それぞれの場所にいる無関係な人間達がリンクしていくとき、これまで人類に知られていなかった存在が歴史の表舞台に出てくる… 綿密な取材に基づくリアリティとファンタジーの融合。同じ事件を見つめる子供と大人の立場の衝突。親子で読めば、それぞれの見方ができそうな物語です。 | ||||
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出だしのスピード感からしてウルトラQを思わされる。突然起きる不測の事故。そこに潜むなぞを、執念で追う第一発見者。一見関係なさそうな田舎町の暮らしに、事件の鍵が落ちる。親子の情愛が絡み、軽妙で洒脱な会話が織り込まれる。 初期のウルトラシリーズ、特に正義のヒーローが出てこないウルトラQの空気に非常に似ている。空を飛ぶメカニズムが少々乱暴だが、全体としてとても楽しい。鉄人を操る正太郎くんのような感覚も味わえる。 今までなかったタイプのエンターテイメントではないだろうか。 | ||||
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内容を簡潔に言うと、怪獣もので青春もの、ついでに自衛隊。 怪獣がいる世界をリアルに描いています。一応SF的な解説があるが、結局怪獣がどうしてそこにあるかについては明確な説明がありません。 怪獣はただそこにいるのであって、作者自体が対談などで述べているように、「怪獣がいる世界」を描いた平成ガメラシリーズの影響が見られます。 読者に「そうか怪獣がいるのか」と思わせる力量は見事だと思います。 大人と子供の二組の主人公がいるため、職業ものと青春ものを同時に楽しめる点がお得だと思います。 大人がきちんと大人であり、自らのつとめを果たし、子供を導くという点で、非電撃系的な要素が強いといえますし、その点に好感を持ちました。 そのことがハードカバー、挿絵無しという本の形式にあらわれているのではないかと思います。 | ||||
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