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ばらばら死体の夜
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ばらばら死体の夜の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.92pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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Prologue 一章〜六章 Epilogue それぞれ登場人物の目線で書かれています。 一章は沙漠、二章は解、三章は里子というように。 思ってたのと違いました。 犯人はあなた。動機、証拠はこれ。逮捕。すっきり。みたいな展開を期待して読みましたがそういうのではないのですね。 借金、消費者金融、その人の生い立ちなど、じっとりとしたお話でした。 そういうお話とわかってて読むなら⭐︎5 推理小説だと思って読んでたから⭐︎1 真ん中とって⭐︎3にしました。 | ||||
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多重債務者がテーマだ。あまり作者のセンスには合っていない気がする。 借金まみれの白井沙漠は、とてつもなく考えの甘いアホだ。願望と現実の区別がついていない。 じわじわと地獄に引き込まれる描写が、あまり怖くない。本当はもっとさりげなく恐ろしいはずだ。 カードで借金するのを銀行から預金を引き出すのと同じ感覚というのでは、救いようがない。 同じテーマなら、宮部みゆき「火車」か青木雄二「ナニワ金融道」のほうが、遥かに深くて怖い。 殺人の加害者もあまりに単細胞で、不自然だ。こんな立場の男が借金を抱えてるのは有り得るかなあ。 周辺の人物からの視点が入るが、あまり意味がないような。 緊迫感だけは文句なし。読んでいる間は夢中になれた。 | ||||
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2011年に出た単行本の文庫化。 陰惨な物語である。神保町の古書店の二階に下宿する謎の美女と、翻訳家との愛欲にまみれたストーリーなのだが、消費者金融がテーマとなっているのが変わっている。 さまざまな人たちの人生をねじ曲げ、滅ぼしていく力として描かれており、圧倒されるばかりだ。あと、その危険性についても勉強になる。 書きぶりは相変わらずの桜葉さんで、書きたいことをただひたすらに、書きたいだけ書いたのだなあという感じ。 暗く重い世界だ。 | ||||
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この小説は、いろんな登場人物の視点の章に分かれていますが、 唯一、重要な登場人物の中で無かったのが、由乃の章。 この章があったら、かなり恐かったのではないかと思います。 しかし、由乃の章を入れると、物語や読者の受けとめ方の幅が狭くなる、 だからわざと入れなかった、そんな気がします。 由乃は解の、どこを気に入って結婚したのかが、全く書かれていませんので、 なんだか、一番恐い人物は、由乃なのではないかと思えてなりませんでした。 以下ネタバレを含みますので注意。 解が自室でSDを再生してるのを、 由乃はドアの隙間から見ていたのではないかな。 里子曰く「区画整理をしたような」さっぱりとした解になったはずが、 数年後の年齢以上の衰えようには、由乃の影を感じました。 | ||||
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はじめて読むこの作家さんの作品。 独特のトーンがありつつも読みやすい。 全く登場人物に共感できないのだが、 この作品はそこがいいと思った。 (あ、翻訳仲間の女性だけは別。 この女性が普通だからこそ、他の異常性が 際立って良かったかも) ただ、特に驚きとか、大きく感情を揺さぶるものではなかったので ☆3にさせていただきました。 ラストに大きなどんでん返しとかあるかな、とか思ったので。 でも、これはどんでん返しとか なくて正解かもです。 しみじみと、ちょっと泣きたくなる気持ちにもさせられたので その分0.5☆追加です。 | ||||
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直木賞受賞後、「大人向け」作品にも挑戦しているようですが、どうも分が悪い感じですね。本書も、雰囲気はあるのに歯切れが悪く、作者の迷いが感じられます。私は、ラノベと、その前身であるジュニア小説は別物では?と思っていますが彼女の苦戦ぶりを見ていると、やっぱりそうか、と思います。かつてのジュニア小説はあくまでジュニアの為の小説、大人になれば卒業して読まなくなるものでしたし、作者も大人向け小説と並行して書いている人が多かったせいか、文学への入口、と位置づけて書いていたように思います。しかし、昨今、ラノベにそういった役割は求められてはいないし、書き手にもその気はないようです。むしろ、自分のファンには永久に離れていって欲しくないんでしょう。ウケた要素をずっと使い続けて、ワンパターンに陥っている作家の多い事。ラノベレーベルから離れない限り、その悪循環からは抜け出せないんでしょうね。桜庭さんは良い形で抜け出せるロールモデルになれるか?と期待したんですが、ラノベ時代のファンがどうもついて来ていないらしく。ゴシック等、ラノベ作品の新装版のほうが本書よりも良く売れている状態は彼女にとって芳しくないと思います。そもそも「百年の孤独」が大好きな人がラノベでデビューすべきではなかった。今が頑張りどころでしょうね。 | ||||
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ラストの、娘が父をみるシーンが非常に印象深かった。 長い時間(=重さ)を背負った父と、 時間に対して前向きで無頓着で謳歌する娘。 その二個が同じ地点にたっている不思議に気付き、 同時にその時間の重さを感じた娘。 というふうに勝手に受け取りました。 なんというか、この作家さん、 「過ぎ去った時間」に質量をもたせるのがとてもうまいような気がします。 | ||||
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「お金がない」ばっかりに身を滅ぼしてゆく男女の話。 ひとことでいうとそれまでだが、 悪いのは誰だろう?自分?相手?親?生まれ育った環境? どのタイミングだったら後戻りができたのだろう? そもそもこの二人に限っては後戻りなんて必要ないのでは? ・・・・わからない。 (桜庭さんのファンならばあまりないと思うけど) この本で何かしら希望や救いを求めたいならやめたほうがいい。 寒くて痛々しくて悲しくてちょっと不気味でどうしようもなくて。 桜庭さんの文章が大好きなので、その文に導かれるように 一緒に落ちるところまで落ちて、墜ちて、堕ちて。。。 その感じがよかった。 強いて言うならばあぁわたしはまだまだ信じられないくらい人生の 「安全地帯」にいる、という実感ができるところ、か 笑 | ||||
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中年男と若い女という桜庭さんの作品によく出てくる設定。 どちらもやり場のない気持ちを抱えながら生活しているけれど、どこか投げやりな生活を送っている。 やがてそれが破綻する時がやってきて「殺人」が起こる。 「私の男」とか「少女には向かない職業」とか「ファミリーポートレイト」とか…他の作品では結果として、その後に誰かの幸せが小さいけれどあった。が、この作品ではその小さな幸せが見つからなくて、不幸な少女が不幸なまま亡くなっていく虚しさだけが残ってしまいました。 でも世の中で起こっている殺人なんてみんなこんな風に身勝手で、罪悪感、理由なんて必要無いものかもしれないと思いました。 | ||||
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びっくりするぐらい救いのない話だった。しかも、ドス暗いとか、恐怖とか、そういう刺激はなくて、 薄ら寒い世界観が延々と続いていくような。 金がなくて、どこか、だらしのない生活をしている男と女が出会い、金のために殺し殺される。 自分を正当化しているけれど、結局はどっちもどっち。 こんなやつなら死んでも良かったのか。こんなやつなら人を殺しても当然なのか。 不快な思いが最後の最後まで続き、ほっとすることも、意外な展開に、あっと声を漏らすこともない。 まあ、現実として、人が殺されても、犯人もわからないままって良くあることだけどね。 書き方が上手いなあと、そこは感心してしまったけれど、読書の楽しみはどこにあったのかなという感じ。 | ||||
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なんか円熟味を増した…という印象。エゲツなさ一辺倒ではなく、丸みを帯びてきた。 その丸みがかつてのファンに受け入れられるかどうかは…どうでしょう。私は好きです。 | ||||
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「赤朽葉家の伝説」、「私の男」に続いて読んだ作品なのだが、この作品もミステリ色の薄い作品で、ジャンル的にはサスペンスである。 本の題名にあるように、ある人物がある人物を殺して、ばらばらにする描写がプロローグであるのだが、終盤にならないとそれが誰なのかは分からない。ミステリ的な謎はこれだけで、特にトリックがあるわけではないので、推理小説ではもちろんない。 お金持ちの女性と結婚しているが、自由な金はあまり持ち合わせていない翻訳家の男性と、借金を抱えて金に困っている「砂漠」という名の女性を巡る男と女の話である。主人公の男性が、「砂漠」という変わった名前の美人だが歯並びの悪い女性と性的に交わり、関係を持つが、その後「砂漠」から借金を頼まれたことから2人の関係が壊れていくさまが描かれる。 文字が大きい為、読むのにはそれほど時間はかからず、サクサクと読める。雰囲気は「私の男」と似ているので、「私の男」の様な作品が好みならば楽しめると思う。 ただし、タイトルにあるようにミステリ色はかなり薄いので、その点は注意が必要。 読了した後に、プロローグのばらばら死体の描写を読むと、文章がイメージと合わず、殺人者とあの人物が同一人物である事に違和感を感じる。 この作家は、推理小説を書くよりは、サスペンス色の強い男と女の話を書くことのほうがあっていると、読んで感じた。 推理小説好きの私は、今後余程のことが無い限りこの作家の作品は読まないと思う。 | ||||
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薄味の「私の男」といった感じ。地に足のつかないこわれた男や女の描写は本当うまいな,と思うのだけど 闇金とか家庭崩壊とか現代の闇の部分との絡みが中途半端でざらついた怖さもあっさり風味。 各章を登場人物ごとに分けてるがそのために違う角度が見えたり、意外性が出てくる訳でもないので わかってることを何度も読み返させられる気になりのめりこめない。真ん中あたりで結末がわかってしまうのも難だ。 私としては「赤朽葉家の伝説」みたいのではなくこの作品の趣の路線を極めてほしいので作者には もっとさらに人間の狂気や闇と向かい合って欲しいと思います。スゴイのが出て来そうなので今後に期待。 | ||||
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