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TOKYO YEAR ZERO



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【この小説が収録されている参考書籍】
TOKYO YEAR ZERO

TOKYO YEAR ZEROの評価: 2.75/5点 レビュー 16件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点2.75pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(3pt)

日本語で読んだほうがいいのかもしれません。

英語版へのレヴューのコピーです。
Cambodia: Year Zero「カンボジアゼロ年」にならった作品なのでしょうか。不思議な作品です。歴史的な事件を題材としたミステリーでありながら。ここに描かれる世界は異様なまでの緊迫感を持っています。さて今回の舞台は昭和20年の8月15日とその一年後の夏の10日間の東京です。筋は当時有名だった連続殺人事件をモデルとしているようです。しかしながらここには犯人探しのミステリーはありません。むしろミステリーは過去を背負って仮面をかぶりながら戦後の東京をさまようさまざまな人間像の交錯ということになるのでしょうか。軍歌(勝ってくるぞと勇ましく??)や戦後の流行歌(林檎の歌)の歌詞のリフレーンを英語で見るのはなかなか不可思議な感覚です。登場人物は価値が転回してしまった当時の日本で秩序維持の任務を負った警察とそしてやくざです。そして秩序を代表する警察自身が占領軍による絶え間ない公職追放という超権力の脅威の下にあるという奇妙な構図です。そして警察権力が不安定な下で、戦後の混乱の下で「第三国人」の非合法暴力に対抗せざるを得ないというこの構図自体は、「仁義なき戦い」などで描かれてもおり、必ずしも目新しいものではありません。ここには戦後教育で強調される「新しい出発」という明は描かれません。描かれる女性たちのリアルな姿も含めて、ここに登場するのは生の現実と偽装です。最後にはたしかに謎解きはなされますが、わかりにくいですね。ところでこの著者の作品はdamned unitedも含めていつも文字が異様に小さいのですが、これは著者の要望なのでしょうか?たしかに繰り返しとイタリックの多用はこの文字の小ささとは奇妙なフィットを示しています。
TOKYO YEAR ZEROAmazon書評・レビュー:TOKYO YEAR ZEROより
4163264205
No.3:
(3pt)

異色作

ナチスドイツの親衛隊員は敗戦時に幹部は南米に逃げ、下っ端は名前を変えて生延びようとしたらしい。日本における憲兵隊もそうなんだろうな。ということは、自分たちが非道なことをしていたと言う意識だけはあるんだな。ストーリーやデティルは結構面白いんだが、文体がまるで妄想狂の頭の中みたいで、悪く言えばページ数稼ぎ? ここんとこをどう評価するかだな。斜めに構えたプロ?の読み手は評価するのかなー。
TOKYO YEAR ZEROAmazon書評・レビュー:TOKYO YEAR ZEROより
4163264205
No.2:
(3pt)

特殊な時代を背景に、独特な文体で描かれる、異様な小説世界

’07年、「このミステリーがすごい!」海外編第3位、「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門第5位にランクインした、日英米同時刊行の話題作。

1945年8月15日、警視庁捜査一課の三波警部補は殺人事件の報せを受ける。時はまさに敗戦で、天皇陛下の玉音放送が流れようとしていた。憲兵隊の管轄でもあり、容疑者と決めつけられた朝鮮人が三波の目の前で処刑される。しかしそれは事件の解決ではなかった。
翌年、あらたに2体の死体が発見され、犯行の手口から同一犯の疑いが濃厚になる。三波たちの地を這うような捜査が続くが、1体の身元はようとして判明しなかった。やがて三波の周囲に暗雲が渦巻きはじめる・・・。

闇市を取り仕切るヤクザ組織の暗躍と、彼らとアジア系外国人との抗争、日本政府とGHQが繰り広げるパワーゲーム、焼け跡に潜む連続婦女強姦殺人鬼、敗戦直後の東京を舞台に、デイヴィッド・ピースの独特な文体で、異様な小説世界が描かれてゆく。
ともあれ、イギリス文学の新鋭として評価されるピースが描く占領下の東京の姿は圧巻、ミステリと文学の垣根を蹴破り、占領と日本現代史という問題に見事に切り込んでいる。
そして、このノワールと称される暗黒小説には驚くべき叙述トリックが、見事な伏線とともに仕掛けられていた・・・。

本書はこのあと「帝銀事件」、「下山事件」と続く三部作の第1作とのことだが、三波の運命も含めて、どのように物語が完結してゆくのか目が離せない。

TOKYO YEAR ZEROAmazon書評・レビュー:TOKYO YEAR ZEROより
4163264205
No.1:
(3pt)

文体が散文的

本書は通常の翻訳書出版とは異なり、日英版を同時に出版できるように企画されたものだそうだ。
文芸春秋「本の話」11月号に著者インタビューの掲載があり、それを先に読み
とびついたのだ。ところが、訳文のスタイルのせいか、じわっとくるものがなくて、当方にとっては引き込まれ感にとぼしく、読了までに相当時間をかけている。(実は未読了)

全体的にあまりにも直訳的な感じがする。背後に英語を感じてしまう。
それを意図したのだとしたら、しかたがないのだが。ノンフィクションではなく
小説なのだから、文体に一工夫してもらえていればありがたかった。残念。
TOKYO YEAR ZEROAmazon書評・レビュー:TOKYO YEAR ZEROより
4163264205

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