殺戮のチェスゲーム
評判
殺戮のチェスゲームの評価:
3.78/5点 レビュー 9件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1〜9 1/1ページ
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殺戮のチェスゲームの評価:
3.78/5点 レビュー 9件。 B ランク
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人の人格を乗っ取って互いに殺し合いをさせる事を生きがいにするというマインド・ヴァンパイアをテーマにしたホラー。一般社会の中でも人の不幸が楽しい、他人を見下していないとイライラするという人が少なからずおりますが、そういう人をカリカチュアしたホラーに思えました。
また、ナチスの時代に起こった大量殺戮にもそういう傾向があったというこの著者の見解を絡めたり、謀略小説やアクション小説の要素を入れたりする事で、単なるホラーの枠を拡げたスケールの大きい作品になっていると思いました。
人の人格をコントロールする所はカルト宗教や戦闘的イデオロギー集団のマインド・コントロールや洗脳を想起させたりもし、人の心を操る事の恐怖を見事に小説で表現していると思います。設定年代の80年代初頭は実際にそういう事が問題にされ始めたりした時期でもあり、中で少し扱われている大統領暗殺未遂やジョン・レノンの射殺等もそういう暴力による事象として象徴的に思います。
訳者あとがきでも触れられている様にこのシモンズという人は暴力の連鎖を断ち切るというテーマで他にも小説を書いているそうですが、今(2018年頃)はテロや戦争の連鎖が問題になっており、今こそ読むべき小説になっていると思いました。
そういう主張を展開しながらも娯楽小説として楽しめる所も魅力で、後でこの人が創作する謀略小説やクライム・ノヴェルの要素も楽しめる、一級のエンターテインメント作品だと思います。1600ページもありますが、飽きずに最後まで読ませる所も流石です。
人の心を力で支配する事の恐怖と虚しさを描いたホラー超大作。是非ご一読を。