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| フォート・バード勤務の軍警察現場指揮官ジャック・リーチャー少佐。リー・チャイルド原作。小林宏明訳。機甲師団と歩兵連隊はしょっちゅう合同演習をやっている。しかし合同演習は戦車のある場所でおこない、歩兵しかいない場所ではおこなわれない。戦車を移動させるより歩兵を移動させるほうがずっと楽だからだ。それからもう一度フォート・アーウィンでの議題について尋ねると、彼らの態度が変化した。協力的になったのではなかった。改善されたのではなくて、むしろ身がまえるような態度を取るようになった。同じ日にその特別優秀な者たちをあちこちに異動させた裏には、なんらかの意思か計画があった。パナマでジャスト‣コーズ作戦がおこなわれている最中にそんなことがおこなわれた背景には、よほどなにかさし迫った事情があったのだ。一般に特殊部隊、とくにデルタ・フォースはペンタゴンや議会でかならずしも受けがよくなかった。軍隊というところは変化をきらい、いろいろなことに馴れるのにとても時間がかかるのだ。だから、ハンター兼殺し屋である男たちの寄せ集め部隊をつくるという考えは、はじめほとんど受け入れられなかった。 | ||||
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| フォート・バード勤務の軍警察現場指揮官ジャック・リーチャー少佐。リー・チャイルド原作。小林宏明訳。パナマ侵攻などたいした重大事でもなかったのに、軍というのはそういう反応を示すものなのだ。レベルなどもうけてあるからあげたりさげたりするだけだし、そもそも軍事行動による結果を想定しなければレベルをあげさげする必要もない。自国の外の紛争に介入することにスリルを感じなければ、外国までいってちょっとしたドラマを演じる必要もないのだ。そういう考え方は、戦闘歩兵に標準装備されたプライドみたいなものだ。それはある部分真実でもあった。ドイツの第十二軍団で見たシュート・アンド・スクート戦術(予期せぬとこに敵と遭遇し、その地点を守る必要がない場合、激しい弾幕で応戦してからバラバラになり、あらかじめきめてあった緊急合流地点に集合する戦術)に即した訓練のように見えた。自分たちの仕事と威信を守るため、中国や英国の知将たちの言葉を仰々しく引用したうえ抹殺したい人間のリストを書き出すなんて、いったいどんな熱に浮かされた身勝手でクレイジーな連中なのか想像しようとした。とても想像できなかった。わたしは二度とパリへもいかなかった。いくつもりだった。夜遅くにアンバヴァリッド橋の下へおりて、空気のにおいを嗅いでみようとは思っていた。しかし結局それはならなかった。わたしは軍隊にいて、いつもだれかにいろと命じられたところにいた。 | ||||
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| リーチャーを助ける憲兵少尉(女性)がりりしく、しかも強い。2人でヨーロッパからアメリカ西海岸まで縦横に移動し、悪役に踊らされるFBI等の手をかいくぐって真相に迫る。一級のエンタメでした。 | ||||
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| 事件が解決した後、リーチャーは民間人への暴行で少佐から大尉に降格の憂き目にあう。こうなったこと降格についてはすでに、シリーズのほかの本でも書かれている。その理由だが、基地の軍曹の告発による。リーチャーは弁解せず、それを受け入れる。ただし、軍曹はこの本の本筋の証拠をリーチャーが探すのを邪魔にするために告発をしている。リーチャーが誤解した民間人の行動も、この軍曹による。軍曹の妨害は多岐にわたる。とすれば、告発は捜査を妨害するためのものであって、善意によるものとは言いがたい。しかも、事件解決の時点でくだんの軍曹は死んでいる。反対尋問もできない。「告発は悪意の関係人によるもので証拠能力はなく、告発自体が無効」と主張すれば、事案の調査に入る必要もなく、降格はなかったのではないか。法律家の方、いかがでしょうか? | ||||
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| 憲兵時代の話で閉鎖的な軍隊の状況と1990年を取り巻く国際情勢を含めて、練りに練られたプロットだと思う。自分も元自衛官で将校の端くれだったから階級の重みもよくわかるし、アメリカ軍の持つ事情も海兵隊に知人がいたのでそれなりに推測できるけど、これも取材の賜物か? 米軍でも大佐以上になると権力は絶大になる。だから、階級章がイーグルであり自由に飛び回れることに象徴なのだ。閑話休題、軍隊内部の階級闘争は階級だけにとどまらず、兵種にも及ぶことや、軍隊内部のマイノリティの問題を軸にしてうまく伏線を張っている。また、途中に挟まれる母にまつわるエピソードもフランス人を引き合いに出して(アメリカ人から見たフランス人なんだが)リーチャーの出自にまつわる話としてうまく挟み込んでいる。上下二巻になる長編でありながら一気読みさせる面白さは、そうしたエピソードの幅広さによるのだろう。彼自身が軍以外の世界を知らない事情が、その後の作品にもリアリティを与えているし、軍だけで生活できてしまう人種がいることを、日本人が知ってもいいことだと思う。 | ||||
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