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魔女は夜ささやく
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魔女は夜ささやくの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全15件 1~15 1/1ページ
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独立戦争前のアメリカの小さな新興の街(村?)を舞台に、殺人をした魔女として裁かれる女性と、偏見の中、その真相を明らかにしたいと奮闘する青年を描いた物語ですが、作者のキャラクターづくりのうまさが光ります。 一見すると、良い者、悪者がはっきりと分かれている単純な人物設定のようですが、長い物語を読み終えた人は、そのような単純な善悪に二分されたキャラクターばかりとは思わないでしょう。 例えば、主人公の青年も、合理的な考え方と鋭い観察力をもったキャラクターですが、その一方で、無遠慮で礼儀をわきまえない、それどころか好奇心を満たすため人の家に勝手に入ったのが見つかって袋叩きにあうような人物です。 また町長も、欲深い俗物のように描かれ、病気の判事に無理やり裁判を終わらせるように迫るさまに不快に思う人も多いでしょう。しかし最後まで読めば、彼が単純に欲深いだけだと思う人は少ないのではないでしょうか。 悪い人を描くのではなく、人間の悪い面、暗い側面を描き、さまざまな思惑が街を覆う暗い影となっているさまと、それぞれの立場で最善を信じて立ち向かう人々を描いたこの作品は、エンターテイメントとしての面白さを加えて、広く長く読み継がれるべき価値があると思います。 本国では、2018年8月現在、5作目くらいまで続編が書かれているようです。できれば、続編も翻訳してもらいたいものです。 | ||||
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開拓が始まったばかりのアメリカを舞台に、近代文明の前の時代の魔女事件を描くという設定は魅力的。マキャモンらしい生き生きとした人物描写が映画を観ているような感覚で浮かび上がる。病気の治療と称する前近代的な施術の様子が恐ろしい。いろいろと好材料はあるのだが、人物の魅力が足りず、結末の感動が期待したほどではない。買って読んで損はないが、得もない感じ。 | ||||
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17世紀のアメリカで魔女の裁判をすることになった判事とその書記がある街に到着するが・・・というお話。 その推理小説としての完成度に驚かされます。 とくに二度めに読んだ際、犯人が判った状態で読むとなおさらその堅牢たる構築美にうならされます。それと各キャラクターの人物造形もかなりうまくなっていて、特に主人公の書記の合理的精神を重んじるところには感銘すら覚えました。10年近くセミリタイアしていた人がこれだけのものを書けるところに軽い衝撃をうけるほどに。うまい作家はなにを書いてもうまいといいますが、著者のマキャモンこそその名にふさわしい存在だと思いました。ホラー/ファンタジーはもとより、本格推理小説を書いてもこれだけのものを書けるとは・・・。 という余計な情報をとっぱらって何も知らない状態で読んでも優れた歴史ミステリとして虚心坦懐に読める完成度の高い二回、三回読める密度の濃い推理小説の大傑作。これでMWA賞とかミステリの賞を何も獲らなかったらしいのが解せない、マキャモンの多分最高傑作。是非、文庫化・電子化で読まれるべき名作。機会があったら是非ご一読を。 | ||||
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マキャモンはホラー作家なのですが、なぜかホラーをやめて、沈黙すること、10年以上? 突如書き始めたのが、ミステリ小説でした。それがこれ。 魔女とされる女性に対する差別なのど、マキャモンらしいところはありますが、ミステリとしてはあまりにお粗末で、動機や殺人なども、ちょっと首をひねらざるを得ません。 この人は、ホラーがあっているのだから、ホラーを書いていればいいのに、というのが正直な感想です。 | ||||
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名作「少年時代」があるので、この作品の事を 別名「青年時代」と勝手に呼んで愛読してます。 植民地時代のアメリカの魔女裁判が舞台です。 「少年時代」に比べると、ミステリー色が濃く なってます。、また、ヒロインが登場しますので、 純愛的なラブストーリーとしても読め、最高に おもしろいです!! また、今回もきてぃがい神父が登場して笑わせて くれます。この神父は台詞がいちいち面白すぎます。 | ||||
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’03年、「このミステリーがすごい!」海外編第3位、「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門第4位にランクインした、ロバート・マキャモンが前作から10年ぶりに発表した、読み応え満点の大長編。 時は1699年5月、舞台はまだイギリスやスペインの植民地だったアメリカ南部に新しく開拓された町ファウント・ロイヤル。この町で魔女騒動が持ち上がり、判事と20才の青年書記マシューが派遣される。彼らが見た町は荒れ果て、入植者たちも見切りをつけはじめていた。すべては魔女のせいだ。そして魔女といわれる混血の美女レイチェルは、町の司祭と夫を惨殺したかどで牢獄に捕らえられていた。さらに彼女は、魔物たちと交わるところを複数の町民に目撃されていた。 判事は町民の証言を元にレイチェルに有罪判決を下すが、マシューは納得のいかない思いを抱く。彼は、レイチェルの無罪を信じ、持ち前の好奇心で事件の背景に迫ってゆく・・・。 やがて彼が抱く“なぜ”は魔女騒動の秘密とミステリアスな謎の真相をロジカルに合理的に解き明かしてゆくのだ。 本書は、悪魔の存在が信じられていた時代、魔女として捕らえられた女性を救うべく、上司たる判事に背き、異端である合理主義精神で戦う青年マシューを主役とした物語であるが、ファンタジックでミステリアスな空気、サスペンスと謎解き、事件によって成長してゆくマシューの姿、そして爽快な閉幕・・・。どれをとっても圧倒的な物語の力を見せる傑作である。 | ||||
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青臭くって頭でっかちで鼻持ちならない青二才だと思うのよ、マシューって。おまけに真実至上主義で場の雰囲気や相手の気持ちを顧みず、質問ばかり。あ、ついでに自分の立場も顧みないから、すーぐ窮地に立っちゃう。うん、でもそういう青臭さもいいなって、ちょっと懐かしく思ってしまいました。幾多の試練を経ていろんな人の立場に立って物を考えられるようになりつつも、正義感を失わず、未来に向かって強く生きていいくというラストも気持ちいいです。 しかし、作者が本当に書きたかったのは、人は誰しも心の中にNIGHTBIRDを飼っている(SPESK THE NIGHTBIRDという原題)ということではなかろうかと思う。悪党も、小心者も、判事も、マシューも、貴方も、そして私も。 | ||||
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17世紀末のアメリカ南部。とある村で捕まえられた魔女といわれる女。 魔女裁判を執り行うべく、この地にやってきた判事と若き書記のマシュー。しかし、マシューにはこの獄中にいる女が魔女だとは、どうしても信じられなかった。 やがて、彼女を信じ愛しはじめるようになるマシュー。彼女は、本当に魔女なのか?それとも、隠された真実があるのだろうか? マキャモンが、見事に返り咲いた記念すべき傑作である。 17世紀のアメリカを舞台に、ミステリアスな物語が綴られていく。 暗黒時代といってもいい未開の地アメリカ。人々は闇を恐れ、悪魔の存在を信じ、すがるものといえば神だけの時代なのだ。 そういう舞台でしか成立しえないこのミステリは、逆にいえば、その利点を最大限に引き出して読む者の心を捉えてはなさない。 主人公のマシューは、この時代にそぐわない好奇心のかたまりのような青年で、すべての断片が収まるべきところに収まらないと気がすまない性分である。あまり友達になりたくないタイプだが、彼が若さゆえの過ちと、若さゆえの情熱と、若さゆえのまっとうな正義感をふりかざして、闇の中を進む姿は読 んでいて気持ちがよかった。 ミステリとしての完成度も、たいしたものだった。伏線が巧みに張られ、ラストに向けてあらゆる謎がピタリと納まる。 マキャモン復活。ほんとに、見事に返り咲いた。今後もおおいに期待したい。 | ||||
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植民地時代のアメリカにおける魔女裁判という、日本人にとっては盲点的な題材を緻密かつスピーディーに取り扱った作品。 描写が確実で、人物像も明確な事から、小説を読んでいながら映画を見ている様に鮮やかな映像が頭の中を駆け巡った。最近特に印象に残った一冊。 | ||||
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一見ファンタジーのようなあらすじなのだけれど,読んでみたら歴然としたミステリでした。ファンタジーは苦手だ…という人も,安心して読んでください(笑)。この作品で最高に素晴らしいところは,登場人物が皆鮮やかに,生き生きと描き出されているところ。その一癖も二癖もある人物たちが,チェスの死闘のようにめまぐるしい頭脳戦を展開してゆく。息も切らせぬような展開の後,最後は実にさわやかに終わっていった。 日本人にはなじみのない舞台設定なのでちょっと世界に入り込むのに時間がかかるけれど,慣れるとそれすら存分に楽しめます。とても面白かった。名作。 | ||||
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1699年、新大陸南部の町ファウント・ロイヤルで魔女が囚われたとの報を受け、裁判開催のため判事と共にやってきた若き書記マシュー。町の住民が“魔女”レイチェルと悪魔とのおぞましき情交を目にしたと証言を続ける中、ひとりマシューだけは彼女の無実を確信していく…。 ロバート・マキャモン10年ぶりの新作は彼らしい一冊といえます。 彼がこれまで紡いできた物語はハードSFであるとか重厚なミステリーであるといった具合に一言でくくれるものではありません。この小説も便宜的なジャンル分けを拒むところがあります。事件そのものの不可解さや真相究明の過程にばかりこだわって読むと、物足りなさを覚えるかもしれません。 これは主人公の成長譚であり、それこそがマキャモンの小説の真髄なのです。代表作「Boy’s Life」は、何気ない日常に潜む闇と幻想を通じて少年が一年後にはひとまわり成長する様子を描いた傑作ですし、「Mine」は誘拐された我が子を取り戻す死闘を続ける過程で若い母親が明日を生きる決意を抱くに至る姿を追っています。 本作でも青年マシューが己の信念に従って真実を追い求める決死行を描くという点で、まさに人間の成長を物語っています。 上下二巻あわせて900頁を超えるこのペーパーバックの末に待ち受けているのは、さすがマキャモンと思わせる余韻ある幕切れです。吸血鬼ホラーとしては凡作の「They Thirst」ですらその最終行に心打つものを感じさせたマキャモン。本作でも、確かな輪郭をやがて見せるであろうマシューの未来と、宗主国の手を離れてひとり立ちを始めることになるアメリカの姿とが重なる、大変味わい深いエンディングが用意されています。 なお舞台が17世紀末に設定されている分、これまでのマキャモン作品に比べると英語に多少クセがありますが、それでも慣れればさほど苦労することなく読み通せると思います。 | ||||
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原書で読みましたが、時代物で単語が分かりずらい上、情景描写や心理描写がとても多く、ストーリーは遅々として進まず、冗長な印象は否めませんでした。時代設定や主人公のキャラクターは好きなのですが、日本人が英語の勉強がてら読むのに適した小説とは言えないと思います。 | ||||
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植民地時代のアメリカの物語で、魔女裁判を中心に展開します。 まだ第1巻を読み終えたところですが、読み始めてすぐ、傑作を予感させる小説です。(時代小説は好きですが、その中でも傑作と思います。) 第1巻は、482ページ、第2巻は418ページです。 時代小説なので、わからない単語は多いですが、文体は分かりやすいので、初心者でも無理はないと思います。植民地時代の開拓村の雰囲気が良く伝わってくるように思いました。 同じ時代の魔女裁判を描いたものにThe Witch of Blackbird Pondがあります。児童文学ですが、とても面白いのでお勧めします。 | ||||
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空いているすべての時間を充てて読んだ、ひさしぶりに素晴らしい作品でした。主人公は魔女とされて絶体絶命に追い込まれた女性を救うことはできるのか?家の中でも電車の中でもページをめくる勢いが止まりませんでした。そして、読み終わった後でも物語のすべてのシーンを思い浮かべることができるでしょう。 | ||||
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キング、クーンツに次ぐ第3のホラー作家としてステイタスを確立したマキャモンですが、「遙か南へ」(Gone South)を発表してから10年間作家活動を休止していました。 「魔女は夜ささやく」(Speaks the Nightbird)は、沈黙を破って発表した復活作品です。マキャモンは、「遙か南へ」のあとの作品を上梓しましたが、これが出版社から刊行されないことに失望して筆を折ってしまいました。マキャモン自身にとってもこの作品はさまざまな思いが込められている作品だと思います。舞台は18世紀になろうとする植民地時代のアメリカ。主人公の青年マシューは、判事の書記として魔女を裁判にかけるため、入植地に向かいます。そこで魔女としてとらえられている美女の無実を実証しようと必死の努力を尽くします。作品は登場人物を丁寧に描いていきます。モンスターも超常現象もなく、事実を推理して試行錯誤しながら突きとめる筆致は一気に読ませます。ミステリーとしても秀逸ですし、主人公の成長過程を綴った教養小説としても読めます。真実を追究する主人公の姿勢は好感が持てます。読後感もさわやか。 「少年時代」「ブルーワールド」のような読者の心に触れる作品です。 | ||||
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