■スポンサードリンク


神無き月十番目の夜



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

神無き月十番目の夜の評価: 4.59/5点 レビュー 41件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.59pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全41件 21~40 2/3ページ
No.21:
(4pt)

勉強になりました

江戸時代に資料が記されたらしいのですが、
おそらく郷土史に詳しい方しか知らないような史実なのだと思います。

関ヶ原から間もない頃、となるともう隠し果せなくなった、
数百年経ってですが広く世に知られるところとなったようです。

色々と大変勉強になりました。
中性の村、兵農分離の終わらない頃は日本中の多くの村では、
戦国大名といえど手を出せない軍事力を持った共同体が存続し得た、
よく歴史書で書かれているのですが、無学な徒にはピンとこないのでした。
これを読んで、なるほどなー、と思えるのでした。

著者のマニアックな資料収集には全く脱帽です。
当時の村落社会の実態にとどまらず、軍事、兵装、騎馬技術の詳細さ、
さらには検地の実際などなど、これまでの有名戦国時代小説の記述が霞みます。

惜しむらくは、同内容、重複した記述が多く目につ点でしょうか。
これがなければ、重厚で丁寧細密な文体がより美しくなると思うのですが。
神無き月十番目の夜 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:神無き月十番目の夜 (小学館文庫)より
4094033149
No.20:
(4pt)

この作者でなければ星5つ

登場人物にずるい奴・小物が多い点が不満でした。
『雷電本紀』は脇役・敵役にいたるまで、すがすがしかった。
群像ドラマ的なのでキャラクターがステレオタイプ化しているのも不満でした。

しかし、あくまで「この作者としては不満」ということです。
一言一句の無駄もない張りつめた文体は、他の「時代小説」とは全く別の次元にあるものです。
ヤワな蘊蓄や恋愛描写がほとんど無い。オトコ(男ではなく漢)の文学です。

冒頭近くの、冬の広葉樹に葉が、という場面の恐ろしさだけでも読む価値あります。
神無き月十番目の夜 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:神無き月十番目の夜 (小学館文庫)より
4094033149
No.19:
(5pt)

淡々と記録された悲劇

歴史の転換期に小村を襲った悲劇を淡々と描いた良作。
昔の用語や時代背景・人名が多く出てくるため、歴史小説を読みなれていない方には厳しいかもしれません。逆に言うと、1行の中にもしっかりした考証の裏打ちが感じられて読み応えがあります。
第1章で提示された不幸な結末へ向かってゆく物語終盤。どんどん追い詰められ後戻りできなくなっていく悲壮感は心をえぐります。えぐられながらも、読み進めずにはいられないもどかしさ。悲惨な史実に触れると多かれ少なかれ思うものですが、もっと別の結末は無かったのか、どこかに救いの選択肢はなかったのか……様々なことを問わずにはいられません。
神無き月十番目の夜 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:神無き月十番目の夜 (小学館文庫)より
4094033149
No.18:
(5pt)

もっと多くの人に読んでもらいたい。

時代小説に慣れていない人には少しきついかも知れませんが素晴らしい小説です。まさに圧倒的という言葉がぴったりだと思います。飯嶋和一はあまり有名ではないかもしれませんが読んで損は全くないと思います。
神無き月十番目の夜 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:神無き月十番目の夜 (小学館文庫)より
4094033149
No.17:
(5pt)

確かに最初はしんどいけど

常陸の国の山奥にある百姓一揆の話をディープに掘り起こす歴史小説。事件を検証する序章はとにかく状況証拠が並ぶだけで、表現や用語が難しくてきつい。ただ、スティーブン・キングのような禍々しさ、不気味さがプンプンで、全貌を知りたくなる。一揆の経緯を掘り起こす昔話に入るとわりと知っている人物が出てきてスムースに読めるようになる。最終的に悲劇に至る訳だけど、予想を裏切る展開がいくつもあり、しかも人物の背景を細かく描写しているので、最後まで飽きさせない。飯嶋ファンならず、歴史物好きはきっちり抑えておきたい一冊だと思う。

神無き月十番目の夜 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:神無き月十番目の夜 (小学館文庫)より
4094033149
No.16:
(5pt)

最初はくじけそうになりましたが・・・

友人に強く勧められた飯嶋作品、「始祖鳥記」・「黄金〜」・本作とまとめて買い、初挑戦でこれを選んだのは?? なかなか進まず・・・でした。結末部分が最初に書かれており、時間が戻ったところでちょっととまどったり。しかし、登場人物それぞれをていねいに描いているなぁ、時代考証もしっかりしているのだろうなぁ、と。 久々に重厚な物語から遠ざかっていた自分の問題でした。(恥) そして中盤、検地の役人が入ってくるあたりから止まりませんでした。そして、みんな自分のなすべきことに必死であっただけなんですね。そのような時代であった、と簡単には片づけられない様々な立場の様々な思いにふれました。 読後感は重く、タイトルに偽りなしの作品でしたが、地に足つけて生きてゆこうという気分にもさせてくれた作品です。
神無き月十番目の夜 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:神無き月十番目の夜 (小学館文庫)より
4094033149
No.15:
(5pt)

歴史から抹殺された虐殺史

約400年あまり前 茨城県の北端、小生瀬村で起きた事実を元に書き下ろされた時代小説。当時、佐竹氏の統治した領地の中で唯一、自治権を与えられ 年貢も優遇された依上保内という土地。そのなかで月居城主、野内大善亮のもと精鋭騎馬軍を養い、常時伊達軍の侵入に目を光らせていたの小生瀬の村人たち。その後、関ヶ原の戦いで、石田三成側に付いたたため、、国替えを余儀なくされ、佐竹氏、野内氏と生瀬騎馬衆の一部は秋田へ、、。 残った騎馬衆と村人たちに容赦ない検地が執り行われるなかで、腹に据えかねた村人たちが 次々に検地役人を殺害していく。。この小説の中に出てくる地名は、すべて実在のものであり、(谷沢、水根、根本、岡の内、竜神、高柴 頃藤、大野 等)地元に住み生活する小生にすれば、まことになじみの深い場所でもあります、、。綿密な歴史考証や、現地での聞き取り調査など、、この大作を完成させるのに大変な時間と労力が費やされたことでしょう。。ほぼ口承でしか伝わりえなかった小生瀬村の虐殺事件を、よくもここまで、エキサイティングに、スリリングに描いてくれました!!本当に読み応えがあります。。文章構成や、レトリックなど他の大作家にも勝るとも劣らないと思えるほどです。。飯島和一なる名前は、始めてみる名前ですが、もっと、もっと、メジャーになってしかるべき。。
神無き月十番目の夜 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:神無き月十番目の夜 (小学館文庫)より
4094033149
No.14:
(4pt)

本当にそうだったんだ、と思わせる筆力

中学校のとき関が原の戦いが1600年にあって、江戸幕府が開かれるのが1603年とどうして3年もかかっているのか?という質問に当時の社会の先生は明確な答えをしてくれませんでした。戦国時代から徳川時代への移行は関が原の戦いで手のひらを返したようにすんなりといったわけではないことは、本書を読んでよく分かりました。 どんなにリーダーが優秀で、強固な組織であっても時代の流れに逆らい、抵抗勢力となった集団は、理念を捨てて追従するか、本作品のように崩壊するか究極の選択を迫られるのでしょう。崩壊したときの惨状をイメージできるかできないかが、選択の分かれ目になるのでしょう。現代社会であればその組織から去ったり、表向き追従する姿勢を見せながら組織に背を向けるなどの選択もあるでしょうが、当時の社会状況はそれを赦しません。その辺りの不条理を作者は描きたかったのでしょうか。 歴史的事実を元にした物語は、まるで本当にそうだったと思わせるリアリティがあります。しかし、本作品のように歴史に埋もれた史実の大部分は作者の創作による部分が多いのだと思います。その意味では面白い時代小説を書くには正確な史実より作者の優れたイマジネーションに由来しているのではないでしょうか。
神無き月十番目の夜 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:神無き月十番目の夜 (小学館文庫)より
4094033149
No.13:
(5pt)

すばらしい

飯嶋和一氏の作品はあらかた読んでいるが、個人的な感想ではこれが最高傑作。最近の作品(長崎もの)もいいが、何か群集ドラマみたいになっているし。この作品では、主人公の石橋藤九郎を中心に主要登場人物の数が絞られているので、リーダビリティも抜群。もちろんどの作品も素晴らしいんですけどね。 あくまで娯楽作品的に考えた場合の話。
神無き月十番目の夜 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:神無き月十番目の夜 (小学館文庫)より
4094033149
No.12:
(5pt)

この作者にハマッた

この前読んだ『始祖鳥記』に続いて、読んでみた。そこに流れるテーマは共通で、身勝手な時の権力への憎悪と、その権力に抗おうとする民への共感といったところ。この『神無き月十番目の夜』でも、検地に絡んで、蜂起を余儀なくされた土豪の村の悲劇を描いている。この人の小説って、ページを開いたときは漢字が多くて読みづらそうだなって思うが、読んでいくうちにどんどん引き込まれてしまう。ものすごい物語力だ。しばらく、ハマりそうな予感。
神無き月十番目の夜 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:神無き月十番目の夜 (小学館文庫)より
4094033149
No.11:
(5pt)

正に神無し

物語は謎をときすすめていくが、徐々に明かされていく驚愕の真実に戦慄しながらも、先を読む手は止まらない。歴史の闇に隠れていたた凄惨な真実を精緻な筆ではぎとっていく。人々が守ろうとした矜恃も思いも、正に神も仏も無く、総て一方的に奪いさられて、後に残るのは…記憶の底にそっと焼き付く逸品は読むともう戻れない。
神無き月十番目の夜 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:神無き月十番目の夜 (小学館文庫)より
4094033149
No.10:
(5pt)

ギリシャ悲劇のような作品

この作品では初めに悲劇的な結果が提示される。読者は結末がどうなるかを知らされてから小説を読み進むことになる。物語全体は、まるで運命の歯車が多くの選択肢の中から、一番悲劇的な道を選んで進んでいく。登場人物達も、幾度も悲劇を回避する道がありながら、最悪の選択を選んでいく。れほど読んでいて、苦しい本も少ない。しかし上手い!すごい作者だ。
神無き月十番目の夜 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:神無き月十番目の夜 (小学館文庫)より
4094033149
No.9:
(4pt)

史実への大胆な考察を加えた傑作

徳川光圀はじめ代々の水戸藩主でさえ沈黙を固く守り通し、歴史の闇に葬り去ろうとした陰惨な事実。水戸藩の草創期に起した小生瀬村虐殺事件を題材に、冷静な史観をもって事実を推測し、これを脚色して仕上げた見事な作品。飯嶋和一氏に脱帽します。「一村皆殺し」という水戸藩の闇部について、これが白日となるには実に明治になるまで時を経ました。私自身もこの小生瀬村現地に行って土地の人に話しを聞きました。生瀬の人たちは水戸藩による一方的な虐殺とは思っていません。それは常陸の新領主徳川氏と旧領主佐竹士族の「戦争」だったと認識しているのです。作中登場する村人たちの心意気と同じなのです。 新支配者が保とうとする「体面」。そして今後の支配を容易ならしめようとする「見せしめ」。勝てない事と知りながら死を賭して戦った農民、帰農士族の魂魄。結末に救いは無くとも新たな世の芽吹きを感じながら、山野に祖霊と宿った人々の声が聞こえてきます。
神無き月十番目の夜 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:神無き月十番目の夜 (小学館文庫)より
4094033149
No.8:
(5pt)

緻密な取材力

本書は常陸の国の国境にある小さな部落の小生瀬村に起こった一種のクーデターを史実から見つけ出し小説化したものです。作者がこの事件を小説化しなければ、歴史上この事件は関ヶ原後の徳川幕府による検地に反対する農民一揆のひとつとして埋没するところでした。しかし本書のおかげで我々は小生瀬という辺境に以前は伊達政宗の南下の脅威から独特の騎馬隊が編成され、独自の文化を発達させていたことを知りましたし、その文化性が故に農民(郷士)達のクーデターが起きたことを知り得ました。我々が教科書から学ぶ歴史は勝者の記録に過ぎません。その為なかなか本当の歴史を垣間見ることは出来ませんが、飯島氏はかなりの時間をかけて秘密な取材を通して我々に新しい歴史を知れせてくれました。この取材力に脱帽します。
神無き月十番目の夜 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:神無き月十番目の夜 (小学館文庫)より
4094033149
No.7:
(3pt)

生々しい迫力がある作品

時代は変わり徳川の世になった。だが小生瀬村の住民達は屈しようとは

しなかった。検地にやってきた役人をひそかに葬り去るという暴挙に出る。

肝煎の一人石橋籐九郎が最悪の事態を避けようとどんなに奔走しても、

事態は坂道を転がり落ちるように悲劇に向かってつき進んでいく。住民達の

運命を先に知ってしまっているだけに、読んでいてかなりつらいものがあった。

徳川家康に従うのか?逆らうのか?どちらにしても住民達にとっては悲劇だった

と思う。だが、彼らが選んだ道が正しいといえるのか?村が滅びてしまったと

いう事実を前にして、籐九郎の無念さをあらためて思う。歴史の闇に埋もれて

いた事件を元に書かれたものなので、生々しい迫力がある作品だった。
神無き月十番目の夜 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:神無き月十番目の夜 (小学館文庫)より
4094033149
No.6:
(5pt)

峻厳な事実に立ち向かう作品

◆江戸幕府開府直後、北関東・現在の茨城県北部の小生瀬(現在の 大子町小生瀬)という村は、 伊達の勢力との境界にあり、昔から半農半武の生活を営んできた。 しかし、関が原の合戦で徳川家康が実験を握り、伊達の脅威がなく なるとともに、 相次ぐ廃藩や大名の配置換えにより、この地も惣検地の対象とな る。 開花寸前の田から水を抜き、田を荒らしながらの検地に村人達は激 しい反感を募らせ、 役人達を暗殺する。その後村に入ろうとした検使をも殺害するにいた り、 村全体が幕府に反抗するという事態にいたり、この村の住民300人 余りが、 一人残らず殺害され、村は全滅する。◆物語は全滅した村の確認に派遣された一人の武士の述懐から始 まり、 時間を遡って、事件の真相に迫っている。 役人支配の腐敗と、農民達の純粋な願いのはざまで、 村の肝煎り・石橋藤九郎は苦悩しつつ村人の懐柔と役人への申し 開きに苦慮する。 しかし、思わぬところに藤九郎を陥れる輩がいたのだった。 濃密な文体と複雑な構造で、読者に緩むことを許さない厳しい作品 である。 そこに作者のこの事件を通しての民衆への愛情が感じられるのであ る。
神無き月十番目の夜 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:神無き月十番目の夜 (小学館文庫)より
4094033149
No.5:
(5pt)

飯嶋和一にはずれ無し!

ストーリーは、とても悲惨な話しではあるんですが、感想を一言で言うなら、”面白かった~!”の一言です。「雷電本紀」「始祖鳥記」などの本を読んでいたので、もちろん面白いだろうとは、思っていましたが、本書は他の作品に比べて、ページ数が少ない事もあってか、スイスイとあっという間に読めてしまいました。旧御騎馬衆の大藤嘉衛門が小生瀬の村に派遣されてくると、百軒余りもある宿場に人の気配が全く無い。囲炉裏の灰は固まっていないし、お供えのお餅もひび割れていない。間違いなく人々が何日か前迄住んでいたと思われるのだが。。。と、いった謎を含んだ導入部分から一気に読ませてくれます。飯嶋和一の本の題材になる人達って誰もが知ってるっていう訳では無いのを丁寧に調べあげているので、(月居騎馬武者って本当にいたんですかね?格好良いですよね~。)色々発見があって楽しいです。寡作な作家なので、次から次へと本を読み漁ると言う訳にいきませんが、これだけ丹念に色々と調べられているとそれも仕方が無いかなと思います。ぜひとも、この質の高さをずっと維持し続けて欲しいです。
神無き月十番目の夜 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:神無き月十番目の夜 (小学館文庫)より
4094033149
No.4:
(5pt)

星6つ。

ひとことで言って、素晴らしくよく書けている時代小説だと思う。歴史には公の記録としては残されず、年代すら定かではない、ある『事件』の伝承。その少なすぎる資料を基に書かれた小説だとは思えぬほど話が理詰めに進行し、息を殺して読まなければならない箇所があるほどに鬼気迫るものがある。感情論に頼らず、起こったことだけが極めて淡々と綴られているにもかかわらず、江戸時代初期の政や農民の暮らしの、色や音や匂い、水の冷たさまでもがまざまざと感じられ、物語が破滅的な内容だけに、読み進めるほどに哀しさと恐ろしさが募っていった。正直言ってこれを読むまでは全く知らなかった事件だが、読後は並々ならぬ興味が湧いた。心に深く刺さる本である。
神無き月十番目の夜 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:神無き月十番目の夜 (小学館文庫)より
4094033149
No.3:
(5pt)

歴史の闇から大事件を掘り起こす

時代は1602年、徳川家康が江戸幕府を開く前年である。長く続いた戦国時代も終わりを告げ、中世から封建の世への過渡期だった。舞台は、常陸の国の小生瀬という小さな村。中世期、一種独特な自治体制が敷かれてきた。小さな山村が、時代の変革に翻弄された結果、とんでもない事態に追い込まれてしまう、その過程が克明に描かれている。平穏な暮らしを望む村人たちと、徳川による封建体制のなかで自らの保身だけしか考えない役人たちとの亀裂が思わぬ方向に向かい、最後は武装蜂起、一村皆殺しという戦慄すべき事態を迎えてしまう。実際にあった話を元にしている。作者は、歴史の闇に葬られた大事件を掘り起こし、戦慄すべき作品に仕立て上げた。私は茨城県出身なので、馴染みのある地名が色々出てくる。小生瀬というのは、有名な袋田の滝の近くにある。特に興味深く読ませていただいた。
神無き月十番目の夜 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:神無き月十番目の夜 (小学館文庫)より
4094033149
No.2:
(4pt)

組織を統率することの難しさ

読み始めた瞬間から、緊張感が読者を捉えます。悪い予感を持ちながら読み進めるのは辛い作業でした。本書は一つの組織論としても読めると思いました。幕府の横暴ともいえる地検の沙汰が降りてくる。これに対して村が一丸になって立ち向かわなければならない。しかし、ちょっとしたボタンのかけ違いから村という組織の統率にほころびができ、そこから悲劇の奈落に落ちていく…危機的な状況におけるコミュニケーションの方法は、リーダーとしてのふるまいは、平常時とはおよそ異なるものである必要があるのか?考えさせられます。
神無き月十番目の夜 (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:神無き月十番目の夜 (小学館文庫)より
4094033149

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!