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魂よ眠れ
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魂よ眠れの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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小説ではあるものの、日本人にはあまり馴染みのないアナコスティア地区が舞台の中心となっており、観光コースではないワシントンDC及びその周辺地域の事情が参考になって、大変面白い。ワシントンDCの郊外にある快適な住宅地であるシルバースプリング、黒人の中流階級が住むプリンスジョージ郡などという地名も出てくるし、訳者あとがきにも記されているように「ワシントンDC各地域の姿が本書でも見事に活写され、地図を片手に読むと面白さ倍増」というのは、まさに的を得ている。 作者は、ペレケーノスというワシントン生まれの作家である。ある意味やむを得ないことではあるが、ワシントンDCやその郊外に駐在したり、留学している日本人のほとんどは治安の良い地域に住んでおり、黒人街についての詳しい情報をあまり持っていない。そういう人たちに、黒人街の様子を聞いていも、「行ったことがない」という回答が返ってくることも珍しくない。ここまで黒人の人口比率が多いワシントンDC地区について、その一部しか知ろうとしない日本人滞在者が多いことが理解できる。私自身もDCは何回か訪問しているが、アナコスティア地区は出向いたことがない。 この本は、単なる娯楽として読むだけではなく、ワシントンDCやアメリカ論を学ぶ上でも大変参考になる。この書の中で、あるテレビ局関係者がアナコスティアの黒人を撮影しろと言われて、普通に仕事をしたり、草取りをしたり、子供を学校に送ったりする場面をおさめたら、飲んだくれたり、麻薬取引をしたりする連中を撮影しろとプロデューサーから批判されるという話が出てくる。ギャング抗争ばかりやっているのではなく、まっとうな生活をしている住民もいるということも理解した上で、この書を読む必要があるだろう。ホワイトハウスやウォール街の動きばかりウォッチしている日本人の目をさます意味でも、この書は大きな意味を持っている。小説とは言え、番外編の『ワシントンDCガイドブック』とも位置づけられる。 | ||||
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