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神の火



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神の火の評価: 3.58/5点 レビュー 53件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.58pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全30件 1~20 1/2ページ
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No.30:
(5pt)

原発がわかる

高村薫さんの渾身の作品、原発技術者が日本海・ふるさとの浜に建設された原発を襲う〜すごく勉強になりました。神の火は、魂を昇華する象徴だった、読む前は、原発の事かと。最後辺は、時間をかけてゆっくり日にちをかけて、咀嚼しながら〜。
神の火〈下〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:神の火〈下〉 (新潮文庫)より
4101347131
No.29:
(4pt)

ウォッカ

ウォッカを呑み始めたのはこの小説のラーメンにウォッカの件だった。
今でもラーメン屋でウォッカ頼めるかなー
とか、思ってしまう。
神の火〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:神の火〈上〉 (新潮文庫)より
4101347123
No.28:
(5pt)

音海へ行こう

この作品の世界がとても好きで、音海の断崖へ何度も行っている。
音海に行くと、なぜ舞台が此処でなければならなかったのかが何となく分かる。
ついでに大阪、京都へも足を伸ばすのだがビルや小路、商店街の幾つかは小説の頃とは少しずつ変わっていってしまっている。あれからだいぶ経つからな。高村薫の愛するごった煮の雑然さがだんだんと失われていくのかな。
一方断崖や遊歩道や小さい港はそう変わらない風景のままだ。取り残されたように佇んでいる(いた)。
コロナ明けにはまた舞鶴を訪れたい。のんびり日本海フェリーで海から行こうか。
神の火〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:神の火〈上〉 (新潮文庫)より
4101347123
No.27:
(4pt)

梅田の匂い

確か「黄金を抱いて翔べ」にも電力会社が出て来た。「わが手に拳銃を」の方だったか。そしてこの「神の火」も。それは大阪梅田である。大阪八百八橋と言われた大阪市、とりわけ北区辺り。作者はこの辺りに凄く詳しい。しかし大阪駅は出て来ないし、丸ビルや紀伊国屋書店も出て来ない。阪急京都線とおぼしき線は出るのだが。いわゆる阪急ファイブや若者の繁華街は出て来ないのだ。しかし肥後橋や西梅田方面、そして酔客やポン引きが歩く界隈は出て来る。うどんよりアルコールか。

その様に私にも馴染みが深い場所が相当濃く描かれる自分にとっての良さがある一方で、この電力会社に数作品に渡って執着する髙村さんのこだわりは何だろうとも思う。別に朝日や毎日新聞でも良かろう。気になるのは私の伯父がその電力会社に勤めたからだ。しかも原発でかつて会社が謝る事態になった際、世が世ならその伯父が会社の代表として世間の前で頭を下げたかもしれない立場でもあったので気になるのだ。本作品はまさにそのど真ん中の事例です。

伯父も物理学の人として高度な学びをノーベル賞を取る人がずらりと並ぶ学舎で受けたので、僅かながらこの作品に関わるのです。本人は本当は日立に入りたかった人だったが。精緻な研究をする髙村さんなのでそんな業界もよく分かるのでしょうね。原子力とは何か。どんな危険を孕むのか。そのリスクを承知で会社と日本政府は「何となく日本人にアナウンスして」合意の元に日常生活の中に組み込んでいる。

髙村さんのこの電力会社に掛ける気持ちの本筋は何だろうか。身内がかの会社にいるから警戒しているのではない。その行間から感じるものを読み取りたいが何となくぼんやりしている。やくざはさておき、ロシアも出て来るが電力開発に於いてはそのロシアも相当未来のその世界の覇権競争の主でもある。髙村さんの行間が読み切れないが…いつか何かでそれが知りたくなる。尤も髙村作品はサスペンスの陰にある、この行間に最も楽しめるものがある性質を持つと思う。それこそが髙村節になっているとも思う。梅田の匂いと共に。
神の火〈下〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:神の火〈下〉 (新潮文庫)より
4101347131
No.26:
(4pt)

IAEA

国際原子力機関(IAEA)の職員が40名常駐している国、日本。そう聞いたことがあります。そしてこの人数は世界で最も多い数なのだそうです。その話は2011年の東日本大震災で福島第一原発が壊滅的被害を受けたその前の話です。

原子力が平和利用されているかを精査する目的のIAEAがなぜ日本にそんな人数を配置しているか。その理由が「日本の技術力を持ってすれば明日にでもこの原子力を使って原子爆弾を作れるから」監視している、という事なのだそうです。それを知ってこの25年前の小説を読むと更に架空が架空でない話に読めると思う私です。
神の火〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:神の火〈上〉 (新潮文庫)より
4101347123
No.25:
(5pt)

原子力発電所が舞台!

高村さんの力作!こんかいは原子力発電所が舞台!読みごたえありますよ‼
神の火〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:神の火〈上〉 (新潮文庫)より
4101347123
No.24:
(5pt)

原子力発電所が舞台!

高村さんの力作!こんかいは原子力発電所が舞台!読みごたえありますよ‼
神の火〈下〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:神の火〈下〉 (新潮文庫)より
4101347131
No.23:
(4pt)

原発が安全であるとはいえなかった。そのことを警告していた。

彼女の文章は、ほんとに剛直で、女性の文章と思えない。
テーマ自体も女性が選ぶものではない。ここに新たな変化があるのかもしれない。
原子力発電という強力な科学の進歩は、様々な精神的な不安定を導き出す。
そして原爆という沢山の人間を殺害する能力の存在が、少なくとも原子力発電には、連想される。
原子力発電は、怖いという。
そんなに怖くないなら、東京に原発を作ればいいとも言われている。
この本の中でも、原子力発電が、平和を前提とした構造物であることを意味しており、
これをミサイルで攻撃したら、ひとかたまりもないことをいっている。
日本の原子力発電は、世界一安全であるといわれているが、
チェルノブイリの事件、そしてスリースマイルズの事件など、
何らかの事故が起こることは、考えられる。
実際に 福島で メルトダウンしてしまった。
原発に関わる沢山の技術者が存在しているが、
人間の考える知恵は、つねに限界性を持ち、絶対ではない。
つまりやはり原発は、安全とはいえない。あらゆる場合を想定して、つくられなければならない。

原発のことについては、あまり詳しく知らない。
動燃(動力炉・核燃料開発事業団)は、高速増殖炉の開発をしている。
プルトニウム利用の技術開発を中心に据えて、電力会社の原子力発電推進を進める役割。
実験炉「常陽」原型炉「もんじゅ」野開発・運転費など、95年度までに1兆1500億円を使っている。
高速増殖炉が、実用化されるまでの つなぎとして位置づけられていた、
プルトニウムを燃料とする 原発(新型転換炉)の計画が昨年中止された。
使用済み核燃料を再処理して、プルトニウムを利用する「核燃料サイクル」を推進している。
LNG火力発電の1キロワットの原価が9円、石灰火力・石油火力では、10円であり、
原子力発電も、発電原価は9円、そのうち20%の1.8円が、ウラン核燃料費になる。
しかし、プルトニウム再生が2倍になるとすれば、コスト的メリットがなくなる。
今後どんな方向に行くのかよくわからない。時代が決めてくれる。
いわゆる無計画の計画と言うべきか。だんだんとキャンバスの中が埋まってきている。
神の火 (新潮ミステリー倶楽部)Amazon書評・レビュー:神の火 (新潮ミステリー倶楽部)より
4106027267
No.22:
(5pt)

すばらしいインテリジェンス

上巻・下巻共通の感想。 さまざまなハードウエアについて、詳細な記述が光り、圧倒的迫力を醸し出している。 そして、原子力に携わる人間が内部からテロリストに育っていく過程も説得力がある。 その点で『天空の蜂』同様に、内部で育つテロリストを防御する手段はない、という一種のシミュレーションになっている。 社会科学・技術両面をカバーしつつ、人間の内面も描き切った質の高い文学だと思う。
神の火〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:神の火〈上〉 (新潮文庫)より
4101347123
No.21:
(5pt)

非常に良い

頼まれ物でしたが、商品が届き非常に良く満足されておりました。
神の火 (新潮ミステリー倶楽部)Amazon書評・レビュー:神の火 (新潮ミステリー倶楽部)より
4106027267
No.20:
(4pt)

古本で程度’良’ですが、問題なし

古本であり程度は’良’とありましたが、若干汚れもほとんどなく、問題ありません。
神の火〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:神の火〈上〉 (新潮文庫)より
4101347123
No.19:
(5pt)

原発事故後、さらにリアルだ!

福島第2原発の事故を経験した後なので、エンターテインメントを超えたところで、本書を読んだ気がします。また、今から17年前の平成7年に文庫化にあたり全面改稿されたと言うが,日本人のアイデンティのことや、原発管理とかコントロールの問題。。。やっぱり新鮮でオドロキを感じます。
神の火〈下〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:神の火〈下〉 (新潮文庫)より
4101347131
No.18:
(4pt)

原発にいるロシアのスパイ

冷戦期の話でやや古いんですが、
ロシアと日本人のハーフで、わけあってロシアのスパイになった男が原子力のプラントを狙っている。

原子力プラントの技術者の中にはロシアのスパイがいるという設定。ロシアだけではなく、北朝鮮も日本の核技術を狙っている。
これはけっこう衝撃というか、現実にも本当にいたのかもしれません。
雰囲気はストイックで、スパイものといっても007ふうのノリとは違う。
主人公が、チューホフを読んでオペラで待ち合わせするとか。モデルは外務省ロシアスクールなのか、佐藤優とかの本にでてきそうな人たちです。
例えば女の人はあまり出てこない、出てくるんだけど、たとえばつきあっていたチェコの女スパイが、スパイ容疑で殺されてしまい、
そんなことばかりなので、女はもういいうという感じになっているとか。退廃的な感じです。

そういう人間関係は独特だけど、原子力プラントのマニアックな記述とか、アクションとかに読み応えがあります。
最後はスパイとしての自分の立場や利権がイヤになり、ヤケクソになり、原発のプラントにしのびこんでめちゃくちゃに荒らすという結末でした。

神の火〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:神の火〈上〉 (新潮文庫)より
4101347123
No.17:
(4pt)

スパイもつらい

タイトルから本書は原発を題材にしていると思われるが、そうでもないと思った。米・露・北朝鮮のスパイが日本を舞台に日本人をスパイとして利用する物語だ。主人公の島田だけでなく、CIAもKGBもスパイたちの心情がよく描かれている。探偵小説であれば、スパイの手口が重視されるが、この小説ではスパイの感情や人生観が執拗に追究されている。考えてみれば、スパイも仕事の一つにすぎず、普通のサラリーマンが抱くような悩みや愚痴を持っていても当然と言えば当然なのだが。KGBのスパイは酒飲みで、うだつがあがらないのには苦笑した。そのあたりにいるオジサンと同じだ。
 印象に残った個所を2つ引用しよう。
「そして最後に、突然、地の果てから天空に達する一瞬の閃光に包まれて炎をあげるのだ。その、見たことのない爆発、見たことのない熱、見たことのない炎に目を焼かれながら、島田は<神の火・・・>と呟いた。」この本の表紙の描写である。島田はこの光に惹かれるように原発を襲撃することを決意する。ただ原発の火を見たさに。
「たった今まで核分裂を起こして熱を発していた原子炉の蓋を、開けたというだけのことだった。(中略)格納容器の遮蔽性能は完璧であり、原子炉保護の各機能も、ミサイルでもぶち込まれない限り、100パーセント作動する。この原子炉はこれから、修理にかかる費用のほかに、稚拙な暴力一つに屈して危機に瀕したことの対価を支払わなければならない。しかし、行政や電力会社に出来ることは少なく、人間はこれからも核の時代が終わるのを戦々恐々と待つしかないのだ。こうして、自分たちは、あらためてこれが絶望だということを確かめたようなものだ、と島田は思った。初めから分かっていたことだが、今もなお、出口の影さえ見えなかった。」
 この部分はフクシマ事故の発生を暗喩しているようにも読めなくはない。スリーマイル島事故の原因はヒューマンエラー、チェルノブイリ事故は安全文化、フクシマ事故は自然災害だった。次の災難はテロ攻撃だろう。いつ、どこで起こるかを予言することはできない。しかし、人間は好奇心の塊であり、文明の進歩は止めることができない。我々は自然と調和しつつ、核の時代を生き延びていかなければならないのだ。たとえどんな災難が待ち受けていようとも。
神の火〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:神の火〈上〉 (新潮文庫)より
4101347123
No.16:
(5pt)

おもしろい 3.11福島が現実化

福島の事故以来、いつの間にか知識を増やしていたらしく
船の操縦のことはわからなくても
原子力のことは、主役の原子力研究者が考えているくらいなら
わかってしまうようになっていた。
それと、原子力発電者にテロリストがいたら
福島と同じような惨事に簡単にすることが
出来るのではと思い
怖くなった

神の火〈下〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:神の火〈下〉 (新潮文庫)より
4101347131
No.15:
(4pt)

まさに力作!

高村薫さんの本はほとんど読んでいるが、この本だけは手をつけずにいた。必要に迫られて読み始めると、あっという間に読了。原子力研究者が書いたのではと思えるほど、豊富な知識に裏打ちされたリアリティがすごかった。人間の自由というものを痛切に感じさせる力作だった。
神の火〈下〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:神の火〈下〉 (新潮文庫)より
4101347131
No.14:
(4pt)

「黄金を抱いて翔べ」から「レディ・ジョーカー」へ

「黄金を抱いて翔べ」から「レディ・ジョーカー」に至る道筋が見える濃厚な作品です。高村作品の特徴と方向性がこの作品で大きく打ち出され、1つは「マークス」のほうへ、もう1つがこの「神の火」を経て「レディ・ジョーカー」に流れていくのだと僕は読みました。ポイントを箇条書きします。
1)ミステリーやトリックを期待して読むと期待外れに終わる。
2)マテリアルに対するこだわり、質感がそこかしこで立ちのぼってくる。
3)風景のひとつひとつが登場人物の内面を投影している。
4)高村さんの表現を借りれば、過去を背負った人間同士が「隠微な」もつれあいを見せる。
5)叙述が3)の通り登場人物の内面ときれいにわかれていないので、科学小説としてはすうっと入ってためになるかといわれると微妙です。
おもしろいというより濃厚さを味わう作品だと思います。お勧めかといわれるとお勧めですが読む人を選ぶと思うので1点引きました。高村作品を論じるなら通っておかなければならない作品であるのは確かです。
とはいいながら、これだけ書ける人は他にはなかなかいないという1点に賭けて、やはりお勧めです。また、節々に高村さんならではのずっしりこたえるウィットやフレーズが出てきます。
神の火〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:神の火〈上〉 (新潮文庫)より
4101347123
No.13:
(5pt)

上・下巻総合評価です

スパイものとは縁遠い(かな?)、淡々と、ダラダラと、した日常の描写に引き込まれた作品。
その割に、所々でキーパーソンの急死、など、急展開があったり、なかなか気が抜けない。
中〜後編の情報戦は、かの映画「スパイ・ゲーム」を彷彿とさせて、大変読み応えがある。
アクションシーンもあり、見どころ満載の小説。
分量が多くて、自分は少々中弛みしてしまったが、
クライマックスは多分読者の期待を裏切らないだろう。
美しく、切ない。コレは読破してからのお楽しみ。クフフフ・・・
スローモーな展開でダレるかもしれないから、星4つの方がよかったかも。(お買い得度80%)
神の火〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:神の火〈上〉 (新潮文庫)より
4101347123
No.12:
(4pt)

上巻読了時の感想

冷戦時代の終末期、<北>を含む国際的諜報戦が渦巻く中、自ら東のスパイとなった原子力研究者を主人公として、明日をも知れぬ孤独な日々を生きる人間達の運命を綴ったサスペンス小説。
原子力発電所の設備や制御システムに関する精緻な描写には、いつもの事とは言え驚かされる。また、作者の生まれ故郷とは言え、大阪の雑然とした街の描写の臨場感には圧倒される。反面、<北>、ソビエト、アメリカの描き方は類型的か。また、人間ドラマとしては物足りない面があり、主人公に深い影響を及ぼす江口との関係が不鮮明。更に、何故主人公がスパイとなる道を選んだのかが不明な点に不満が残る。こうした漠とした人間関係の中で、"良"の純真さと薄倖が胸を打つ。
それにしても、体制の崩壊の兆し、国家間の政治バランスの変化が個の人間を翻弄する様を重厚な筆致で描く手腕は見事という他はない。それも、"個"を描く事によって、国家の思惑を映し出すのだから、卓越した技量である。
上巻だけでも読み応えがあったが、作者がどんな結末を用意しているか下巻への期待が膨らむ。
神の火〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:神の火〈上〉 (新潮文庫)より
4101347123
No.11:
(5pt)

一番好きな高村薫作品

高村薫の最高傑作は「レディ・ジョーカー」だと思っていますが、一番好きなのは、この作品「神の火」です。
サスペンス、科学系犯罪小説のストーリーですが、人間の心のゆれ、不安と希望と絶望と愛とでもいったようなものが漂っている作品です。
神の火〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:神の火〈上〉 (新潮文庫)より
4101347123

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