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地を這う虫



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【この小説が収録されている参考書籍】
地を這う虫 (文春文庫)

地を這う虫の評価: 4.13/5点 レビュー 24件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.12pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全24件 1~20 1/2ページ
12>>
No.24:
(3pt)

ある程度年齢を重ねた人向け

読書録「地を這う虫」3

著者 高村薫
出版 文藝春秋

p208より引用
“ そんなふうに考えてみると、現役のころ
に今のようにありのままの自分を認めること
が出来ていたならと、省三は少し口惜しかっ
た。焦燥や不満や鬱屈しかなかった当時、今
のような形で自分の生来の資質を評価してや
ることが出来たら、もう少し違った人生になっ
ていたのではないかと思ったりもした。”

目次より抜粋引用
“愁訴の花
 巡り逢う人びと
 父が来た道
 地を這う虫”

 元刑事達を主人公とした、短編小説集。
同社刊行作全面改稿再構成文庫版。
 長年勤めた刑事を退職し、第二の人生を警
備会社で過ごす主人公・田岡。捗らない仕事
をしている時、元職場から会社に電話が入り…。
(「愁訴の花」より)

 上記の引用は、表題作「地を這う虫」の主
人公の胸の内。
刑事を退職してからも、同じように本能に従
うように生きていた事に対しての思い。世の
中のだれが何を言っていても、自分は自分を
認めることで、何とかやっていけるのかもし
れません。
 全体的に陰気臭さが漂う作品集なので、明
るく楽しくなりたい人には向かないでしょう。
人生の盛りを過ぎた主人公達なので、ある程
度年齢を重ねた人の方が、共感をもって読め
るのではないでしょうか。

ーーーーー
地を這う虫 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:地を這う虫 (文春文庫)より
4167616017
No.23:
(5pt)

元刑事という設定の推理小説はなかなか面白いです

違和感を覚えるときには何かがあるので気をつける方が良い---ということを人生で何度か経験している人は,この本の主人公の謎解きの感性と重なるので,共感しながら読み進めます.
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No.22:
(5pt)

もっとこういうもの書いて欲しかった

NHKで朗読をやっていたので買った。長編よりも人生の悲哀が前面に出ていて興味深く読んだ。朗読は完璧だった。
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No.21:
(5pt)

良かった

キレイな本がすぐに届きました。
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No.20:
(5pt)

普通に綺麗でした

新品の書籍なので、特に書く事はありません。
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No.19:
(3pt)

勇み足

表題作の主人公の思考と行動があり得ず、鼻白みました
最後の喫茶店のシーンでなんとか話を取り繕いましたが明らかに失敗作です
他の三作品が短編ながらそれなりに味わい深かっただけに大変残念です
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No.18:
(5pt)

高村薫のヒューマニズム

高村薫の描く主人公はどれも曲者で不器用で孤独で、色々と拗らせた人物ばかりだが、一本通った筋があるプロフェッショナルだ。に押し付けがましくない人間くささ、魅力を感じるし好感が持てる。小さな個人が精一杯職務にはげみ、上手くいくこともいかないこともある中で、どのように生きていくかを改めて考える作品ばかり。
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No.17:
(5pt)

男や社会に対して容赦ない作家だな

高村薫って容赦ない作家だな。この短編集を読んで、まず、そう感じた。
極端とも言える独特な表現、例えば「官庁と業界と政治家の寄せ鍋は、慣行と恩義と金のダシで煮るが、この鍋はともかく仕込みに時間を食う。(父が来た道)」「あんた、政治の世界に向いてるかもしれないよ。耳半分に聞いても、つい本当だと思いたくなるようなことを平気で言うもの(父が来た道)」 当事者たちがこの文章を目にしたらどういう顔をするかと思うと痛快ですらある。
さらには「この虫はな、俺なんだ・・・なに。ただ歩いているのさ(地を這う虫)」という、出世しなかった元刑事のセリフなど、男を見る目が厳しいなと感じる。
男というか、社会を見るべが厳しいのかなとも思ったが、女性の対する表現が男性や仕事の描写に比べてあっさりしているのでやはり、男と社会に対する視線が厳しいのだと思った。
なお、収められている四編はどれも表と裏の間の陽が当たらない世界に身を置く男が中心の、後味の苦い作品です。
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No.16:
(2pt)

生き抜いていくメッセージが無い

元警察官のセカンドライフをテーマにした4編。
社会の底辺で力強く生きる人間群像を期待したが、裏切られた。
文章力も弱く、物語のテーマも作家の明確な意思を感じ取ることができず、
全体的にぼやけているというのが印象だ。
帯が連想させるような、人生を生き抜いていくメッセージはそこには無い。
とくに、表題作の「地を這う虫」の出来は散々だろう。
この作家のスキルは存分に発揮されているのだが、世界観が狭く、人物描写に全く深みがない。
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No.15:
(3pt)

渋い

何らかの理由で退職した元刑事たちが不満だらけの生活の中、
ちょっとした出来事に巻き込まれて…といった短編集
全体的に暗い雰囲気で、それなりに救われる人もあれば、暗い感じのまま終る話もあり
読み終えてすっきりするような作品ではないが、前編高村氏らしい雰囲気の作品ではあるので
ファンならまあそれなりには楽しめるだろう
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No.14:
(5pt)

高村薫の雰囲気の好きな人には十分楽しめる

短編集で、少し著者の他の作品群と比べると、頼りない気がするが、それでも、十分に高村薫の世界観は味わえる、この人の小説は、再読のほうが話しにのめり込んでいける。
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No.13:
(5pt)

負けん気

世の中は不公平で、理不尽にも不遇に遭ったり、努力が報われなかったり、実力が有るにもかかわらず、その才能が認められない方々が沢山おられる。しかし、例え不幸な境遇にあろうとも、自分自身の実力を信じ、周囲に対して勝つまではいかなくとも、決して負けることがないという、その精神力(負けん気)を持つことが大事である。
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No.12:
(5pt)

地味だけど、不思議と爽快な

地味な登場人物達の、淡々としていながら本心から発せられているような言葉が本当に素晴らしいです。
ノンフィクションの手記じゃないかと思う程のリアリティで、わざとらしくなく、
また慰めでも励ましでもないような言葉ですが、なぜだか心がスッキリしました。

自分がどんな状況にいるにせよ、「今の状況も悪くないかな」と思わせてくれるような本ではないかと思います。
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No.11:
(5pt)

女性離れした重厚な筆致

『マークスの山』で直木賞を受賞した女流ミステリー作家の重鎮、高村薫の作品集である。
 四篇が収められているが、いずれもかつて警察にいたり刑事職を経験したことがある人物が主人公になっている。
 高村薫の短篇は初めて読んだが、一読して感じたのは女性離れしたその「重さ」であった。深い知識といいどことなく横山秀夫を彷彿とさせるが、高村が横山に似ているというよりも横山が高村に似ているというべきなのだろう。
 例えば宮部みゆきが事実を緻密に積み上げて物語を構成しながらも、登場人物の人生を描くことに力点を置き、そこに(いい意味でも悪い意味でも)女性らしさを感じさせているのに対し、高村薫は人生を描くことによって作品を構成するのではなく、作品を通じて人生を表現することに成功しているように思う。そこらへんのドライさというか懐の深さが、さすがベテランという風格を醸し出している。
 中でも表題作となっている「地を這う虫」は、純文学としても通用するような、他の作品とは一線を画した筆致になっている。横山秀夫のようなドラマチックなどんでん返しこそないものの、硬派で骨太の作品集である。
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No.10:
(4pt)

高村薫は、オールラウンドプレーヤーなんですね。

何作か読んでいるのですが、高村薫が女性だとは思いませんでした。
短編も書くんですね。
短編と言えば横山秀夫だと思っていたのですが、この4つの短編集を読んで高村薫が所謂オールラウンドプレーヤーだということが分かりました。
元刑事が主人公なのですが、それぞれ刑事だった頃の癖が抜け切れない或いは、その職業上得た能力を使わざるを得ない状況で、何を思い行動しているのか丁寧に書かれています。
私の一番のお勧めは「父の来た道」です。
権力と言う世界は全く分かりませんが、家族を顧みずに仕事に没頭していた私の「父」、そんな生き方を尊敬しながらも反発し、自分は家庭第一で生きていくのだと誓ったにも関わらず、結局、仕事第一で生きてきている自分の人生に思い至ってしまいました。
どの作品も優れた短編です。
短編なんか...と思っている方、是非お読み下さい。
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No.9:
(4pt)

生きる上での困難さをありのままに

元警察官を主人公にした短編集。短篇ながら、作者の長編作品における重厚感を滲ませた傑作揃い。作者の力量を改めて感じさせてくれる。収録作品は、「愁訴の花」、「巡り逢う人びと」、「父が来た道」、「地を這う虫」。主人公の現在の職業は、各々、警備会社、悪徳金融業、大物政治家のお抱え運転手、倉庫番と守衛の兼業。
主人公は現在の職業に励んでいるように自身で思い込んでいるが、実は心中は自己卑下と虚無感に覆われている。それが、ふとした事件をキッカケに、刑事の本能が目覚め、それにより矜持も回復したかに見える。だが結局、周囲の人間模様の闇の中に自身は埋没してしまう。それでも生きて行かなければいけない現実を作者は冷徹に描く。作中に出て来る、電車の中の母と幼児、オデン屋の女将、紙面には出て来ないが別居中の娘等のさりげない描写が作品に奥行きを与えている。事件現場や工場等に関する精緻な描写はいつも通り健在である。
無為な生活から一転して現役時代の輝きを一瞬取り戻す。しかし、結局は目前の日々を地道に生きて行くしかない。ハデな演出を意識的に排して、生きて行く事の困難さ、それでも地道に生きて行く事の大切さを謳った傑作短編集。
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No.8:
(5pt)

100m走の緊張感

 高村薫というと 長編豪腕作家で鳴り響いている。数ある伏線をたどりながら やがて大きな結末を迎えるという姿はフルマラソン、いや 100kmを走るウルトラマラソンと言っていい。そんな長距離ランナーが 短距離走に出ているのが短編集である本作である。
 見事と言ってよい。どの作品も短いながらも それが短編であることを忘れさせる濃密な時間が満ちている。高村十八番の 犯罪を切り口とした人間をえぐる純文学が 闇の中に息づいている。堪能という言葉があるが 正しく 高村純文学を堪能させる。これは高村薫の他作のレビューでも言っているが 彼女は犯罪を題材とした純文学者である。ドストエフスキーの「罪と罰」が 良い比較であるべきだ。
 思えば陸上の100mの決勝戦も見ていて 濃厚である。競技自体は10秒を切る時間だけしかないが それまでの緊張感は圧倒的である。同じ匂いが本書からも漂ってくる。
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No.7:
(4pt)

元刑事が主人公。重厚な味わいの短編4作。

 元刑事が主人公の短編4作。斬新なストーリーでもないし、あッと驚くような展開があるわけでもない地味な短編集だが、愚直な主人公たちが織り成すストーリーは、硬くコクのある話しに仕上がっている。 社会を底辺から見上げる元刑事たちの姿に哀愁が漂う。
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No.6:
(4pt)

短編の味わいを十分に堪能できる作品

表題作を含めた短編4作が収められた本作は、いずれも中高年の元刑事。やむにやまれぬ事情から離職したが、刑事としての性癖をなかなか捨てきらずにいる姿、心の葛藤が良く表現されている。短編ではあるがそれぞれの中身が濃く、読後には長編を読み終えたような充実感がある。それは、構成力、人物の内面まで描ききった著者の技量の賜物であろう。良い作品であり、お勧めできる。
地を這う虫 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:地を這う虫 (文春文庫)より
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No.5:
(5pt)

天才ですか?

この本にたどり着くまでに、高村薫著のものはあらかた読み終えていた。長編ばかりを数冊(名著だが、量を書かない作家だから、同じ本を何度も読んでいた)地を這う虫は短編だと分かっていたので、筆者独特の詳細・綿密なドコドコ工場の業務説明だとかその他登場人物や脇役達の数分ごとの動きだとかは当然短縮されているはずで、それでは筆者の持ち味がでていないんじゃないかと訝った。結果としては、陳腐だけど、自分の不安は1篇目でかき消され、天才は裏切らないと知れた。簡潔、的確な表現。展開や結果に疑問や不満を持たせないストーリー性。短編集を読むのが初めての人はこれの前に10や20冊は別の短編集を読んでからにした方がいい。短編小説の概念をこの本においてしまうと、その後、読書が退屈になってしまう恐れがあります。
地を這う虫 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:地を這う虫 (文春文庫)より
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