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嘘つき王国の豚姫
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嘘つき王国の豚姫の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.73pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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お化けなどが出るわけでもないのに、とっても怖い思いができて大満足です。 | ||||
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作品の舞台は、香川県坂出市だ。瀬戸大橋建設が物語の背景になっていて、時代と地域がよくわかる。 主人公はいじめられっ子の引きこもりで、体重100キロを超える肥満体だ。 でも、二階の自室にいるときだけは、金髪の美少女。王子さまは漫画やテレビの中にいくらでもいる。 ここまで痛いヒロインがいただろうか。人生最初の記憶が「幼稚園でいじめられた」ことなのだから、ある意味年季が入っている。 いじめ→不登校→過食→肥満→更なるいじめ、という地獄のサークルに囚われて抜け出せない。周囲のすべてが敵だ。 鳥肌の立つような描写に心が凍る。多少でも似た経験のある女性は辛くて読めないのではないか。 いじめ側の連中が、自分たちの行為を美化する。 「教えてやってるんや」 「これは八つ当たりとちゃう。正当な怒りや」 うわ、リアルで嫌だなあ。 順調に体重と年齢を増やした豚姫さんは、20歳で上京する。ここからの展開は、やや新鮮味に欠ける。 場末のスナックから風俗店というのはお定まりのコースだ。 が、よくある転落ストーリーと一線を画するのは、主人公が一流の?嘘つきであること。 むごい現実から目をそむけるためには、自分を騙すしかなかった。幼少期からの習慣がスキルを磨いたのだ。 「ブルポン家の血を引くフランス貴族にプロポーズされてぇ」 フランスに貴族なんか、もうおらんわ。と突っ込む気もしないな。 これ以上のネタバレはしないが、さながら地獄めぐりだ。ヒロインに同情はとてもできないが、非難する気にもなれない。 彼女がこういう境遇になったのは、生まれつきの資質と環境のせいで、本人に責任はないからだ。 こう生まれたら、こうなるしかなかったのか。人間の業を描かせては当代一の岩井先生の力作である。 上京せず、四十まで二階自室に引きこもる展開も読みたかった。たぶんそういう人は、いっぱいいるぞ。 | ||||
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同じような本を出しているらしいですが、これしか見たことがございません。感想としてはなかなかない話ですし主人公の愚かな転落人生を見るにはいいものでした。 | ||||
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読んでいるのが辛い。 特にラストは読むのを止めた。 岩井志麻子さんの他の書は好きで何冊か読みました。明治大正が時代背景で方言が強くて、物語に入り込んで読めました。 この本はとりあえず、酷いもの、女の醜いところ、残酷なところが一通り書いてあり、それだけの話でした。 主人公が子どもを殺めるくだりなどは、妊婦さんや産後の方に勧められない本です。 | ||||
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豚姫「りか」の悲惨さ(馬鹿さ加減)が,これでもか,これでもかと書き連ねられていて,読んでいて辛い。 それが中盤,ソープの客である浜本に見出されて形だけ編集者の肩書きを与えられ,そこから流行作家である佐英子のマネージャーになる。この展開は,ほとんど唐突としか思えないもので,何故彼女が作家のマネージャーにならなければならなかったのか,また,作家がマネージャーに対して首と告げるシーンで何故これほどまでのページを使って悪口雑言を重ねなければならなかったのか,不思議だったが,調べてみて納得。 岩井は,かつてのマネージャーと大げんかして別れていた。本書の「りか」は,このマネージャーに対する悪口雑言を書き連ねたいがために作られた人物だったようだ。 どのようなケンカ別れをしたのかは不明だが,かつては親しく付き合っていた人間をここまで醜く描き上げ,悪口雑言を書き連ねることができるということそのものに,非常な恐怖を感じた。 | ||||
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著者の本が好きでいろいろ見ていますが「現代百物語」に載っていた話が小説になりましたって感じでした。 レイプ・ソープ・整形と、なんだかどこかの携帯小説みたいな内容。 ただ、そこはプロなんで、よくある携帯小説とは桁が違います。 現代百物語シリーズを全部読んでいる人には、ちょっとつまらないかもしれません。 | ||||
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おんなじネで沢山本を出しています、と言う感じですかね。 最後のほう、 初版274ページ以降の展開は「エエッ」という感じで今一つでしたね。 あと、 作歌の長男になんかあった、なんてく後日談は期待したんだがなぁ・・・・ | ||||
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現代のお経みたいなものだと感じました。そういう意味では自分にとってトランス(音楽)と同じ括り。 臭いの描写やこれでもかという掘り下げぶりは本当に恐ろしい。 | ||||
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物語のラスト近く。 雇い主である作家がマネージャーに三くだり半を突きつける。 長らく意識に上せぬようにしてきた、彼女への嫌悪感。 実は最初から彼女が嫌いだった…。 さらに前任マネージャーへの憤りとそんな人物ばかり身辺に置いてしまう自分を責める心情。 マネージャーの持つ電話口から聞こえてくるこの作家(=岩井自身と思われる)の心情が延々とつづられる。 ここを読んで、以前読んだ物二つが結びついた。 一つは、岩井志麻子著「現代百物語 嘘実」 このあとがきで岩井さんは「事実です」「ある強烈な人物との別れ」という言葉で、自身の体験した事柄が語られているとほのめかしている。 「現代百物語」には名を変え職業を変え、「嘘つき王国」のりか(マネージャー)が何度も現れる。 そしてもう一つは、実話をもとにした心霊マンガ。 長いシリーズものだが、そのなかのエピソードに「生き霊にさいなまれる女性」というものがあった。 意思が強く、ハッキリした性格の若い女性が、霊の障りによって体調を崩し日常生活を送るのも困難になっている。 霊能者の霊視によって、彼女には複数の生き霊が憑いていることがわかる。 彼女なら意識せずとも生き霊などは跳ね返せるはずなのだが…本来ならば。なぜ、取り憑かれているのか? 霊能者は言う。 彼女自身が取り憑かせているのだ、と。 仲がこじれるような相手と付き合い、相手が送った生き霊をあえて引き受けているのだと。 ではなぜ、自身をそんな大変な境遇に置かねばならないのか?との問いに、また答える。 幼少時のトラウマから、自分の事を責める気持ちが大変強いのだ。 自分の事が許せなくて、自らを罰するように辛い目を見ているのだと。 岩井志麻子「歌舞伎町怪談」で、家族を捨てて作家になった事や、家を出た時はまだ子どもが幼かった事などを読んだ。 エロオバサンやら年下の現地夫やら享楽的に刹那的に生きているひとの様に見えるのだが、 心の底では自らを罰し続け、地獄のような罪悪感とともに生きているひとの背中が見えた。 一人目と二人目の岩井志麻子を苛んだマネージャー。 かれらは岩井志麻子自身が招き寄せた厳罰の執行人だったのではないかと思われてならない。 | ||||
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違う視点から見ると、作者は本当に心から元マネージャーが嫌いで嫌いでしょうがなかったけど一緒にいて、離れてから安心して思いっきり言いたかった事とか書き綴ったらこうなったんだろうな。エッセイでは仲良しぶりをアピールしてたのに、女って怖いと読めば読むほど作者の彼女への怨念にも似た感情が読み取れて怖かった。一連の作品と併せて読み比べると段々悪口も激しさを増すのが分かって怖さ倍増。一人の人間に対してここまで憎しみを込めた悪口をあれこれ思い付いて話を作れるのも凄い。彼女は実はこうなんですよって、活字で言いふらしてるリアルな感じがさすがホラー作家だと感心した。 | ||||
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一人のどうしようもなく不幸な女の人生譚。 もう物心ついた頃からヒドイ目にあいすぎるのだが、 不思議と彼女に同情したり、かわいそうと思うことはなく、 むしろ「自業自得」とまで思ってしまった。 (特に本人は悪いわけでないのに) そのあたり、不幸な女を描いていても、全く 同情すら感じさせないように描写するのはさすがの著者の上手さ だと思った。 そして、中盤。 嘘や悪知恵で、人気作家のマネージャーの地位を獲得し、 周りからチヤホヤされたり、接待されたり、 彼女が少し得意な地位になると、心の底から「また不幸になってほしい」と思った。 その後、案の定転落していくと、よかったと思った。 人を傷つけたりはせず、 特に彼女が極悪わけではないのに。 読者の心の底の暗い部分を浮かび上がらせる本。 | ||||
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