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(短編集)
漂流巌流島
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漂流巌流島の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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本書は、連作短編ミステリ集であり、4編が収録されています。 このうち、表題作の【漂流巌流島】は、2005年に東京創元社主催の第2回ミステリーズ!新人賞を受賞し、デビュー作となったもの。 この賞は、第1回が受賞作なし、という結果なので、この賞の実質的な第1回受賞作品ということになります。 収録の4編は、いわゆる「歴史ミステリ」と呼べるもので、日本史での有名な事件の裏の真相に迫るという趣向です。 いずれも、語り手である駆け出しのシナリオライターである「僕」が、テレビドラマの三津木監督の依頼を受け、時代劇の題材を取材した内容をまとめ、持ち込むところから始まります。 これを読んだ監督が、思いもよらない推理で、その歴史的事件について、一般に考えられているのと異なる真実を導き出していく、というもの。 収録4編の題材は、次のとおり。 【漂流巌流島】 宮本武蔵が佐々木小次郎と一騎討ちを行ったとされる、「巌流島の決闘」が題材。 【亡霊忠臣蔵】 吉良邸へ赤穂浪士が討ち入った、いわゆる「赤穂事件」が題材。これに、浅野内匠頭以外が起こした、江戸城内での刃傷沙汰を交えて、真相に迫る。 【慟哭新撰組】 近藤勇率いる新撰組のメンバーが長州の志士を襲った「池田屋事件」が題材。 【彷徨鍵屋ノ辻】 三代仇討ちのひとつ、「鍵屋ノ辻」が題材。 どの作品も、史実をよく調べて作り上げていることに感心しました。 また、聞き役の監督がいわゆる安楽椅子探偵となり、その史料から感じる矛盾をもとに推理を進めるというのは上述のとおり。 ここで導かれる真相が、とてつもなく意外で、実際にはこんなことは起きてはいないだろうな、と頭では分かっていても、納得されられてしまいます。 これだけ中身が濃いと、量産は難しいだろうと思われ、実際まだ作品数は、少ないけれど、貴重な「歴史ミステリ」の書き手として、今後にも期待できる作者だと感じています。 | ||||
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Kindleで何となく面白そうなので電車の中で購入.すごくひきつけられるわけではないなと最初読み続けたが,だんだん面白くなってきて,あと少しというところで降りる駅に.仕事先でも休み時間に読み通してしまいました.宮本武蔵,忠臣蔵,鍵屋の辻の決闘,新撰組など有名どころの題材の解釈を行っています.ときどき,漢文や昔の文章がでてくるのですが,電車の中ではおちついて読むのが難しく,とばしぎみ.そこで星1つ減らしましたが,好きならいいのかも. とくに,私が好きなのは忠臣蔵の話.常識と思っていた喧嘩両成敗の真実とは... 日本の武士の話と推理小説が好きだけど,人情ものではないので,池波正太郎,藤沢修平,山本周五郎好きの私としてはそれで買ったのではなく,推理小説好きな自分が星4つをつけたのかなと思います. | ||||
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居酒屋で話す2人、会話を時代劇の再現VTRっぽくすれば 結構おもしろい映像になりそう こういうお話を読んだのははじめてなので とても新鮮でした ミステリーも時代小説も好きなので、かなりのめりこみ 一晩で読みきってしまいました ところどころ、わかりにくいところがありますが そこは私が無知ゆえのこと・・・もっと学習したくなる一冊でした。 | ||||
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主人公の青年シナリオライターと人使いの荒い監督とがビデオ映画製作の事前検討の中で歴史の常識に挑戦して驚きの新解釈に導くという体裁の連作中編集。表題作を含め、「亡霊忠臣蔵」、「慟哭新選組」、「彷徨鍵屋ノ辻」の全4編を収めている。「亡霊忠臣蔵」中で引用されている事が示す通り、J.テイ「時の娘」の想起させるが、日本人として新解釈のレベルを実感できるという点では本作の方が優っているのではないか。 特に表題作が凄い。主人公が史料を丹念に収集・調査し、人口に膾炙した認識を覆す新事実を発掘し、酒場等で打ち合わせ中に監督が新解釈を閃くというのが毎回のパターンなのだが、表題作の構成は巧緻を極めている。主人公は複数の史料に基づいて新事実を次々と披瀝するのだが、それらは互いに矛盾している様に見える上に、人物関係や事実関係が錯綜しており、とても1つの解釈に収斂しそうにない。それを、採り上げた全ての史料中の記述を損なわないとの制約(作者自身が設けたもの)の中で斬新な解釈を与える手腕には、まるでマジックを観ているかの様な感覚を覚えた。まさに史料考証の深さと謎解きの醍醐味とが融合した傑作だと思う。 また、主人公の調査結果が作中作という形式で語られる趣向も気が利いている。読者の興味を惹くと共に、史料に関する(煩わしくて無味乾燥な)学究的説明を省いて読み易さを増すという二重の効果を挙げている。表題作以外の3編の出来がやや落ちるのが残念だが(その中では「彷徨鍵屋ノ辻」が一番読ませる)、全体として斬新かつ秀逸な歴史ミステリに仕上がっていると思う。 | ||||
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映画作りの打ち合わせから、歴史上の事件の意外な一面が明らかになるという、ジョセフィン・テイの「時の娘」の流れを汲むミステリーです。 この手の作品を読む際は、歴史的な背景をどれだけ知っているかどうかで、楽しめる度合いがかなり変わってくるかもしれません。 とはいえ、本書はかなり丁寧に背景を説明してくれるので、大河ドラマを見た程度の知識でもそれなりに楽しむことができるのではないでしょうか? 残念ながら続編は出ていないようですが、各話とも密度が濃い内容で、もっとこの作家の作品を読んでみたいと思いました。 | ||||
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これは歴史とミステリが好きな人にお勧め。 歴史に詳しくなくてもちゃぁんと背景を説明してもらえますので安心。 かなぁり資料が長々載っているので、つい読み飛ばしてしまいましたが、それでも「えー、そういう推理にいっちゃうかぁ!」っていうのが楽しめます。 真に受けちゃだめだけど、ホントかもと思いたくなること超請け合い。 でも、疲れているときには読み飛ばすページが増えそうなので、元気で知的好奇心旺盛なときに読むのが良いかも。 | ||||
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これは歴史とミステリが好きな人にお勧め。 歴史に詳しくなくてもちゃぁんと背景を説明してもらえますので安心。 かなぁり資料が長々載っているので、つい読み飛ばしてしまいましたが、それでも「えー、そういう推理にいっちゃうかぁ!」っていうのが楽しめます。 真に受けちゃだめだけど、ホントかもと思いたくなること超請け合い。 でも、疲れているときには読み飛ばすページが増えそうなので、元気で知的好奇心旺盛なときに読むのが良いかも。 | ||||
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