(短編集)
漂流巌流島
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本書は、連作短編ミステリ集であり、4編が収録されています。 このうち、表題作の【漂流巌流島】は、2005年に東京創元社主催の第2回ミステリーズ!新人賞を受賞し、デビュー作となったもの。 この賞は、第1回が受賞作なし、という結果なので、この賞の実質的な第1回受賞作品ということになります。 収録の4編は、いわゆる「歴史ミステリ」と呼べるもので、日本史での有名な事件の裏の真相に迫るという趣向です。 いずれも、語り手である駆け出しのシナリオライターである「僕」が、テレビドラマの三津木監督の依頼を受け、時代劇の題材を取材した内容をまとめ、持ち込むところから始まります。 これを読んだ監督が、思いもよらない推理で、その歴史的事件について、一般に考えられているのと異なる真実を導き出していく、というもの。 収録4編の題材は、次のとおり。 【漂流巌流島】 宮本武蔵が佐々木小次郎と一騎討ちを行ったとされる、「巌流島の決闘」が題材。 【亡霊忠臣蔵】 吉良邸へ赤穂浪士が討ち入った、いわゆる「赤穂事件」が題材。これに、浅野内匠頭以外が起こした、江戸城内での刃傷沙汰を交えて、真相に迫る。 【慟哭新撰組】 近藤勇率いる新撰組のメンバーが長州の志士を襲った「池田屋事件」が題材。 【彷徨鍵屋ノ辻】 三代仇討ちのひとつ、「鍵屋ノ辻」が題材。 どの作品も、史実をよく調べて作り上げていることに感心しました。 また、聞き役の監督がいわゆる安楽椅子探偵となり、その史料から感じる矛盾をもとに推理を進めるというのは上述のとおり。 ここで導かれる真相が、とてつもなく意外で、実際にはこんなことは起きてはいないだろうな、と頭では分かっていても、納得されられてしまいます。 これだけ中身が濃いと、量産は難しいだろうと思われ、実際まだ作品数は、少ないけれど、貴重な「歴史ミステリ」の書き手として、今後にも期待できる作者だと感じています。 | ||||
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Kindleで何となく面白そうなので電車の中で購入.すごくひきつけられるわけではないなと最初読み続けたが,だんだん面白くなってきて,あと少しというところで降りる駅に.仕事先でも休み時間に読み通してしまいました.宮本武蔵,忠臣蔵,鍵屋の辻の決闘,新撰組など有名どころの題材の解釈を行っています.ときどき,漢文や昔の文章がでてくるのですが,電車の中ではおちついて読むのが難しく,とばしぎみ.そこで星1つ減らしましたが,好きならいいのかも. とくに,私が好きなのは忠臣蔵の話.常識と思っていた喧嘩両成敗の真実とは... 日本の武士の話と推理小説が好きだけど,人情ものではないので,池波正太郎,藤沢修平,山本周五郎好きの私としてはそれで買ったのではなく,推理小説好きな自分が星4つをつけたのかなと思います. | ||||
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2008年に出た単行本の文庫化。 歴史上の有名な事件の「真相」を大胆に推理してやろうというミステリ。 巌流島の決闘、忠臣蔵、池田屋事件、鍵屋の辻の仇討ちと4件が取り上げられている。それをB級映画監督と、シナリオライターの2人がああでもないこうでもないと話しながら、考えていくのである。 池田屋事件なら、近藤が援軍を待たずに突入したこと、逃げ出せた人数が多すぎることなどを切り口に、実は……というのを導き出す。 歴史的資料(文書類など)を使いながらの推理で、それなりによく練られているとは思う。説得力もある。 しかし、やはり釈然としないものが残る。 また、探偵役の監督のキャラクターの癖が強く、読んでいて疲れた。 | ||||
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居酒屋で話す2人、会話を時代劇の再現VTRっぽくすれば 結構おもしろい映像になりそう こういうお話を読んだのははじめてなので とても新鮮でした ミステリーも時代小説も好きなので、かなりのめりこみ 一晩で読みきってしまいました ところどころ、わかりにくいところがありますが そこは私が無知ゆえのこと・・・もっと学習したくなる一冊でした。 | ||||
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歴史ミステリの短編集であります。 巌流島の決闘の真相をあつかった表題作は歴史の検証と本格ミステリとしての推理が巧みに結びついた秀作なのですが、残念なことに併録三編は頭数合わせのレベルを出るものではありません。謎解きのための謎解きといったらいいか、歴史上の実際の事件にムリに真相を捻じ込んでいる印象です。 そんな中で刃傷事件の判例と喧嘩両成敗法の規定をまるで嫌がらせのように(史実通り+原文通りに)並べた「亡霊忠臣蔵」が、史実を並べるだけで意外な真相になるという、俗説批判の観点でなかなか頑張っています。 時代小説風のリライトで題材となる事件の大筋を語り、詳細を現代人による解説で処理したのはよいアイデアで、時代小説部分をやめにした『本能寺遊戯』と比べるとずっと読みやすいです。この小説のよかった部分は『柳生十兵衛秘剣考』が全部持っていってしまったような感じ。 | ||||
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