(短編集)

京都東山 美術館と夜のアート



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京都東山 美術館と夜のアート (創元推理文庫)

2019年01月21日 京都東山 美術館と夜のアート (創元推理文庫)

神戸静河は学芸員志望だったものの、唯一入り込めたのはイチビこと、地元の市立美術館の警備員のみ。警備システムの解除や、正面玄関の開錠など、美術館スタッフたちを迎えるためにいち早く出勤しなければならない。これがわたしたち、女性警備員のオシゴトでもある――。深夜に美術館前の庭園で遭遇した不審な男の正体とは? 巡回中の展示室で見た浮世絵が新発見の写楽? 展示物の紹介が縁で神社の失われた刀剣がひょっこり登場したが……などなど、地道な警備のオシゴトと、美術ミステリのコラボレーション! ミステリーズ! 新人賞受賞作家が、京都の町と美術館を舞台に描く、連作短編集。(「BOOK」データベースより)




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No.6:
(3pt)

美術芸術に造詣が深い人向け

読書録「京都東山 美術館と夜のアー
ト」3

著者 高井忍
出版 創元推理文庫

p106より引用
“素人は知らないから、ろくに調べも
しないで世間受けがいい説明を並べる
歴史ゴロや、そうでないなら嘘だと分
かっていて世間受けがいい説明を並べ
る美術ゴロが後を絶たないせいよ。”

目次より抜粋引用
“美術館と夜のアート
 宝船のイースト・ミーツ・ウエスト
 御神刀リターンズ
 スウィフティー画談”

 学芸員志望だった警備員を主人公と
し、美術館を舞台とした、短編連作日
常系ミステリ小説。
 開館時間に合わせて、朝早くから仕
事先の美術館に出勤する主人公・神戸
静河。憧れていた世界での仕事を、
思っても見なかった形で叶える事にな
りはしたが、仲間と共に日々の業務を
こなす。そんな中、敷地内で野宿をし
そうな人が話題となり…。

 上記の引用は、美術館学芸員の台詞
の一部。
学術的な歴史の真実と、巷間に流布す
る通説について。
どんな世界にでも、ろくでもない人は
いるものなのですね。フィクションを
フィクションとはっきり言わずに、
風説をばらまかれるのは、防ぎようが
無いのかも知れません。自分で興味を
もって調べるのが、何よりも大事なの
でしょう。
 歴史や美術・芸術に造詣が深い人
程、評価は高くなる作品ではないで
しょうか。書かれていることのどこま
でが、実際の作品や歴史上の人物の経
歴として正しいのか、どこからが作中
のフィクションなのか。それこそ、興
味を持って資料を探して調べてみたく
なる、そのような人向けだと思われま
す。
Vtuberの儒烏風亭らでんさんや、山田
五郎先生の動画が好きな人にも、合う
のではないでしょうか。

ーーーーー
京都東山 美術館と夜のアート (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:京都東山 美術館と夜のアート (創元推理文庫)より
4488412157
No.5:
(5pt)

これこそ短編ミステリー

『黒後家蜘蛛の会』や『9マイルは遠すぎる』みたいな短編ミステリーが好きな私には、大変面白く読むことができました。☆4つ、なのですが、京都が舞台なのに京都弁がほとんど使われていないところも好感が持てて、もうひとつおまけ。
京都東山 美術館と夜のアート (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:京都東山 美術館と夜のアート (創元推理文庫)より
4488412157
No.4:
(4pt)

満足

満足しています
京都東山 美術館と夜のアート (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:京都東山 美術館と夜のアート (創元推理文庫)より
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No.3:
(3pt)

舞台が美術館の意味はあるのか…

舞台も美術館でなくてもよいかんじで、推理物としてもお仕事物としても中途半端な印象。
京都東山 美術館と夜のアート (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:京都東山 美術館と夜のアート (創元推理文庫)より
4488412157
No.2:
(4pt)

世界三大肖像画家に入るといってクルトが写楽を絶賛したことになっているのは昭和四十年代に日本で作った俗説!(←超大事なところ)

宣伝詐欺? 表紙や題名のイメージとは違い、大して京都推しではなく(美術館と周辺限定だし)、美術館警備のお仕事が主題でもなく、美術ミステリとしても突っ込んだ内容ではなし、だったら何かといえば展覧会が舞台の贋作ネタ短編集といったところ。主な題材は刀剣と浮世絵ですが、美術品贋作テーマの推理物としては可もなく不可もなく。
本編そのものにまして、重要なのは世界三大肖像画家に入るといってクルトが写楽を絶賛したことになっているのは昭和四十年代に日本で作った俗説!を採用したこと。写楽テーマの謎解き本は掃いて捨てるほど出版されているのにこれが捏造だときちんと言及したものは少ないんだ。元号もそろそろ変わるんだし、過去の俗説はいい加減に消え失せてもらいたいものであります。
なお東洲斎写楽の別人説は完全否定の立場なので、この方面を御期待の方にはオススメできません。元号もそろそろ変わるんだし、過去の俗説は(以下同文)。
本編とは別に引っかかったのは読者の側からの難易度の判断。関心がないという声は分かるとして、難しくてさっぱり分からないという声をちらほら見るんですが、いかがなものでしょう? 美術関係の解説は一般書やWikipediaに載っているような当たり障りのない説明程度でしたよ。学術的な議論や技術方向の蘊蓄があるわけでもなく、ガチな美術物を期待する向きには通りいっぺんで面白味がないのでは。もしかして関心のない話題はすべからく難解な専門知識だと判断してしまう方が多いということかしらん。
京都東山 美術館と夜のアート (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:京都東山 美術館と夜のアート (創元推理文庫)より
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