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(短編集)

漂流巌流島



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漂流巌流島の評価: 3.75/5点 レビュー 12件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.75pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(3pt)

あの事件の真相は

2008年に出た単行本の文庫化。
 歴史上の有名な事件の「真相」を大胆に推理してやろうというミステリ。
 巌流島の決闘、忠臣蔵、池田屋事件、鍵屋の辻の仇討ちと4件が取り上げられている。それをB級映画監督と、シナリオライターの2人がああでもないこうでもないと話しながら、考えていくのである。
 池田屋事件なら、近藤が援軍を待たずに突入したこと、逃げ出せた人数が多すぎることなどを切り口に、実は……というのを導き出す。
 歴史的資料(文書類など)を使いながらの推理で、それなりによく練られているとは思う。説得力もある。
 しかし、やはり釈然としないものが残る。
 また、探偵役の監督のキャラクターの癖が強く、読んでいて疲れた。
漂流巌流島 (ミステリ・フロンティア)Amazon書評・レビュー:漂流巌流島 (ミステリ・フロンティア)より
4488017320
No.3:
(3pt)

表題作は秀作

歴史ミステリの短編集であります。
巌流島の決闘の真相をあつかった表題作は歴史の検証と本格ミステリとしての推理が巧みに結びついた秀作なのですが、残念なことに併録三編は頭数合わせのレベルを出るものではありません。謎解きのための謎解きといったらいいか、歴史上の実際の事件にムリに真相を捻じ込んでいる印象です。
そんな中で刃傷事件の判例と喧嘩両成敗法の規定をまるで嫌がらせのように(史実通り+原文通りに)並べた「亡霊忠臣蔵」が、史実を並べるだけで意外な真相になるという、俗説批判の観点でなかなか頑張っています。
時代小説風のリライトで題材となる事件の大筋を語り、詳細を現代人による解説で処理したのはよいアイデアで、時代小説部分をやめにした『本能寺遊戯』と比べるとずっと読みやすいです。この小説のよかった部分は『柳生十兵衛秘剣考』が全部持っていってしまったような感じ。
漂流巌流島 (ミステリ・フロンティア)Amazon書評・レビュー:漂流巌流島 (ミステリ・フロンティア)より
4488017320
No.2:
(3pt)

なかなかの意欲作

われている事柄は誰もが知っている歴史的事実である。それをしがない若手のシナリオライターと百戦錬磨の映画監督が、ああだこうだと議論していくうちに意外な事実が浮かび上がってくるというのが本書の基本的な構成。
第一話では有名な宮本武蔵と佐々木小次郎の巌流島での決闘について、思いもよらない新事実が浮かび上がってくる。この決闘について一般的に知られている数々の事柄、例えば武蔵が決闘の時間に遅れてきたとか、佐々木小次郎が美剣士だったとか、われわれが本来もっている巌流島の決闘のイメージは、吉川英治の小説や大河ドラマなどで植えつけられた誤ったイメージであって、実際あったであろう決闘の真実はそのイメージから大きくかけ離れたものであったのだ。また赤穂浪士の討ち入り事件、新撰組の池田屋事件、荒木又右衛門の仇討ち事件それぞれについても本来培っていた勝手なイメージと大きくかけ離れた真実が浮かび上がってきて興奮をさそう。これらの事実は、ちょっと歴史に詳しい人なら誰もが知っていることなのかも知れない。だが、それをこうしてわかりやすく且つおもしろくエンターティメントに仕上げた手腕は、なかなかのものだと思った。いかんせん、構成に少々難ありだったが、それには目をつぶるとしょう。歴史の闇を新たな切り口で新鮮に甦らせた手腕に拍手を送りたいと思う。なかなか楽しめましたぞい。 
漂流巌流島 (ミステリ・フロンティア)Amazon書評・レビュー:漂流巌流島 (ミステリ・フロンティア)より
4488017320
No.1:
(3pt)

なかなかの意欲作

われている事柄は誰もが知っている歴史的事実である。それをしがない若手のシナリオライターと百戦錬磨の映画監督が、ああだこうだと議論していくうちに意外な事実が浮かび上がってくるというのが本書の基本的な構成。
第一話では有名な宮本武蔵と佐々木小次郎の巌流島での決闘について、思いもよらない新事実が浮かび上がってくる。この決闘について一般的に知られている数々の事柄、例えば武蔵が決闘の時間に遅れてきたとか、佐々木小次郎が美剣士だったとか、われわれが本来もっている巌流島の決闘のイメージは、吉川英治の小説や大河ドラマなどで植えつけられた誤ったイメージであって、実際あったであろう決闘の真実はそのイメージから大きくかけ離れたものであったのだ。また赤穂浪士の討ち入り事件、新撰組の池田屋事件、荒木又右衛門の仇討ち事件それぞれについても本来培っていた勝手なイメージと大きくかけ離れた真実が浮かび上がってきて興奮をさそう。これらの事実は、ちょっと歴史に詳しい人なら誰もが知っていることなのかも知れない。だが、それをこうしてわかりやすく且つおもしろくエンターティメントに仕上げた手腕は、なかなかのものだと思った。いかんせん、構成に少々難ありだったが、それには目をつぶるとしょう。歴史の闇を新たな切り口で新鮮に甦らせた手腕に拍手を送りたいと思う。なかなか楽しめましたぞい。 
漂流巌流島 (ミステリ・フロンティア)Amazon書評・レビュー:漂流巌流島 (ミステリ・フロンティア)より
4488017320

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