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漂泊の牙
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漂泊の牙の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全20件 1~20 1/1ページ
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それに過ぎない。 | ||||
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らしい。 彼らの餌は大型の草食動物である。かつての日本ではオオカミは山の中にいてカモシカなどを群れで仕留めており、里山の人間たちとは住み分けが出来ていたそうな。人からは山ノ神として畏れ敬われていたが、ヨーロッパの赤ずきんちゃんにでてくる、狡猾で貪欲なオオカミのように忌み嫌われることはなかったという。 山の漂泊民、遠野物語など民俗学だけでなく、シートン動物記とか椋鳩十など動物モノも大好きな私はとても楽しめた。 | ||||
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ハードボイルドとかこの手の主役が出てくると怒りで興奮してくるんです。で、怒りで目が曇ってしまい、何読んでっかわからんようになってしまうんですよ。こんな勝手過ぎる男の存在を許しちゃいけません。これしかないと思う仕事をするのは自由、年のほとんど仕事で不在も仕方ない、なら奥さんは街中のマンションあたりに住ませりゃいいじゃないか。わざわざ人も住んでない山中に住ませて、おまけに獣に食い殺されて。自分の生き方に酔いしれるのもたいがいにせい!これは絶対に浮かばれませんよ。奥さん、毎日化けて出なさい。もう、頭にきてオオカミなんかどーでもよくなった。 | ||||
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オオカミを愛している人はこれを読んでください。 作者も自然を愛し、オオカミを愛していることがよくわかります。 自然の掟を破り、神の意志に反して、人間の都合でオオカミと犬を掛け合わせ、オオカミ犬を作り出してしまった犯人の狂気は、今の悪徳ブリーダーにも通じるのではないでしょうか。 | ||||
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読み応えのある内容で一気に飽きることなく最後まで読める内容でした。 | ||||
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動物扱った物語は、子供のころから好きだったけど、あまり子供以外には人気がないと思い込んでいました。 でも、アマゾンで検索するといっぱいあり、びっくりしました。熊谷氏の作品も多くあり、この本も非常に面白かったです。 内容に矛盾がなく、構成が数学的で違和感なく一気に読めました。 | ||||
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この人の作品は人物や時代背景を深くえがいていて、またそれが暗くなくうまく構成 されている。妻の実家のある近くの鳴子や、鬼首が舞台で作品中、その場面が思い 出された。姉妹作品(相克の森、他)の購読をおすすめします。なお一層、マタギなど 関連が理解されることを願う。 | ||||
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それぞれ全く異なるフィールドで生きる登場人物達を、オオカミという動物でつなぎ合わせた物語の構成はとても興味深く読める内容となっている。オオカミに関わる書物は世に多く出ているが、絶滅してしまったもの、二度と見ることのできないものに対するノスタルジーは、人の心の琴線に触れるものだ。かつてある大学の農学部長室でニホンオオカミの剥製を見たことがあるが、作品中にある通り、その体格はジャーマンシェパードに比べれば小さいものだった。アルファ牡とアルファ牝により統治された社会性がオオカミをして食物連鎖の上位に位置付けたのだと理解した。 作品中に登場する山窩の人々については、朧気に聞いたことがある程度だったので、この機会にちょっと調べてみた。過去の研究者の発表が捏造されたものであり、行政の見方に偏りがあったことから、その組織体や生活が大いに誤解されていたものだと知った。差別の端緒というものは無知から始まるのこともあると実感した。 | ||||
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狼再来のくだりはすばらしいのに、下世話な事件を併設したところが残念、 | ||||
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1999年に出版され、第19回新田次郎文学賞を受賞した山岳冒険小説。 この人の小説は、何冊か読んでいるが、やはり、初期の荒々しい自然を対象とした小説が、私は好みだ。 昔から狼好きだったので、日本に狼が生き残っていたというテーマのこの小説は、その設定から引きつけられた。 内容は、狼(?)に妻を殺された主人公(オオカミの研究家)が、その獣を東北の山奥に追うという話。雰囲気は、とても乾いていて、じっとりとした日本の冒険小説よりもイギリスの冒険小説、特に、昔よく読んだデズモンド・バグリイを思い起こさせた。 特に、印象的だったのは、主人公と主人公を殺そうとする男の最後の会話。狂気に満ちた主人公を殺そうとする男の言葉だけど、北海道を野生のオオカミのすみかにするというのは、魅かれるなぁ。もしかして、著者の本音なのかもしれない。 | ||||
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熊谷達也にはずれなし、そう断言しても構わないでしょう。山と動物とそれにたずさわる人間達との濃厚なドラマを描き、それが我々東北人の心をズシンと打ち抜く。そんな傑作を書き続けている作者に感謝したい。本当の人間とは、本当の生活とは、本当の愛とは、そんなことを作品毎に提示し、我々に問うているのです。都会の生活を描くのではなく、自然の中の人間を描くことで逆に現代日本を炙り出しているようにも思えます。 本書も然り。冒険小説の要素、ミステリの要素もふんだんに盛り込まれています。 そんな冒険活劇を手にして一気読みしない男は男ではありません。獣の濃厚な臭い、雪山でのイメージ、怖さ、男の色気とは、そんなことを感じさせてくれる本書は男達の教科書のような存在です。 | ||||
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絶滅したはずのニホンオオカミが人知れず生存していた?・・・謎の獣に次々と食い殺される人。東北の寒村は震え上がる。妻が犠牲になった孤高の動物学者城島が獣の存在に迫る。 冬の東北の大自然を舞台にした動物冒険小説だが、警察ミステリとしても読める。いつもながら著者の重厚で読み応えのあるストーリーは圧巻。精緻な描写でストーリーにぐいぐい引き込まれていく。 | ||||
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東北の動物、歴史、なによりも人をテーマに書き続けている作者の比較的初期の作品。 絶滅したニホンオオカミや漂泊の民サンカの歴史がからみ、起こる事件は陰惨なのですが、ミステリー仕立てなのであまり抵抗なく読めます。ミステリー仕立てなのは良いのですが、最後の結末はう〜ん。なんで最後にそこを撃つかなぁ。そこまでの盛り上げ方、サスペンス的要素が良かっただけにちょっと残念。 | ||||
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表紙に魅かれて買って、たいした期待もせずに読み始めたら止まらなかった。一晩で読み終えた。ミステリとしても動物文学としても面白い。民俗学的な視点では、「サンカ」と呼ばれた山の民について多く触れられていて興味深かった。主人公は動物学者でオオカミの生態を研究している。彼の妻がオオカミと思われる獣に殺されたのをきっかけに、絶滅したと思われているニホンオオカミが生存しているのではないかという噂が流れ始め、真相を探るために彼は追跡を始める。単なる冒険物にとどまらずに、登場人物の生い立ちや背景などをうまく絡め、謎解きも含みつつテンポよく進むストーリー。まさに一匹オオカミ的な主人公が本物のオオカミとあいまみえたとき、種を超た原始の人とオオカミの群れを思い起こしたのは私だけだろうか。秋の夜長にお勧めする一冊。 | ||||
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同じ現代の動物小説であるが、『ウエンカムイの爪』より格段に面白くなっている。ひとつの謎がもうひとつの謎を呼ぶという構成。多人称形式の構成も唯一分からない狼らしき動物の存在があるからうまいこと作用している。ただ、話を面白くするためか、ミステリー形式にしてしまった。雪の中の行進や動物描写は非常にリアリティがあるだけに、謎解き部分で話を創りすぎてしまったかもしれない。その後著者がミステリーから離れたのは正解だっただろう。 | ||||
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因果といえば、因果である。悲しい話には、悲しい結末が伴う。 出来事の原因は自分の身、出来事の被害は妻。しかも、あまりにも悲惨な状況である。 大自然を舞台に、この作品も熊谷は詳細な下調で、作品を構成している。江戸時代、狼は人々に欠かせない動物であるという話には、驚いた。子犬でも、苛めれば噛む。噛まれた方は、子犬を噛むものと語り継ぐ。さもありなむ。 人間の恨みと野生の恐れが生んだ新種の狼犬には、しかし罪は無い。すべては、「人間がいかに自然と上手く生きれるか?」が、筆者の課題である。 「漂泊の牙」とは、人間自身のエゴと、わたしは捉えました。 | ||||
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地域風土と民俗学的見地を持ち合わせた作品。読む人を本ではなく、鳴子という東北の山間の地に引き込む描写力。読んでいて心地よいテンポ。冬の夜に焼酎片手に読むにはぴったり。本も酒も旨い。 | ||||
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…良しとするが、小説としては如何なものか。帯の「新・直木賞作家の話題作」に釣られて買ってしまった私がおバカ。人物像もプロットもあまりにマンガ的。文章自体も、どこかしらマンガをなぞっているようで…じゃ、どうせだったらこの場面、劇画で見せてくれ!てな欲求不満に陥ってしまうのでした。 | ||||
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狼に妻を食い殺された男の激烈かつ冷静な復讐追跡劇である。雪の山中で、サバイバルナイフ一本で敵(狼)に向かっていくその描写が良い。冬山、アウトドアファンにはたまらない内容だ。但し、本の中頃で主人公は狼を追いつめて殺してしまう。これでは筋が終わるのではないかと一瞬心配するのだが、心配ご無用。真の敵は狼ではなく人間だった。単なる復讐ならイキがつまるが、主人公の行動を追うドキュメント取材の女が次第に彼に惹かれていく色もちゃんと付けてあるのが心憎い。この本を持って冬山に行き、テントの中で読むと自分も主人公の気分になり、粋がって大胆に山中でビバーグすると死ぬのでご注意。 | ||||
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本書に出てくる「山嵜」(サンカ)という存在を知ったのは中学生の頃だったと思う。それまでも畸形であったり、被差別であったり、マイノリティとされる不等に暗部に置かれるモノ、コト、ヒトへの関心は続いている。本書は狼というファクターによって現在の日本の抱える矛盾(それを認めたがらない)の中の真実を暴いてみせる。自分の中の獣性を自覚しないのに限って善人の皮を被ってる。てなことまで考えさせる骨太な小説だ。 | ||||
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