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カディスの赤い星



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カディスの赤い星の評価: 7.00/10点 レビュー 3件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

スペイン愛が書かせたハードボイルド

1986年に発表され、直木賞と日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞を受賞した逢坂剛の代表作とも言える作品だが、著者自身による「文庫新装版あとがき」によると、実は作家デビュー前の1977に書いた処女作だという。著者も言う通り「処女作の持つ熱気」があふれた、粗削りで力強い恋愛ハードボイルド作品である。
小さなPR会社を経営する漆田は、最大のクライアントである日野楽器からスペインの有名なギター製作者ラモスの日本招聘関連の業務を受注した。その中で、二十年前にラモスを訪ねてきた日本人のフラメンコギタリストでサントスと名乗った人物を探して欲しいという依頼を受けた。日本のフラメンコ業界を中心に人捜しを始めた漆田だったが、楽器業界のライバル社や過激派組織などが登場し、思いも掛けない事件に巻き込まれることになった。さらに、ラモスがサントスを探している理由が、「カディスの赤い星」といういわく付きのギターを取り戻すことだったことが判明する。「カディスの赤い星」がスペインに持ち込まれたことを突き止めた漆田はスペインに渡るが、そこで待ちかまえていたのはフランコ独裁体制の終盤を迎えて対立が激化していた複雑な政治情勢だった。
前半は日本の楽器業界を舞台にしたハードボイルドだが、後半になると一気に国際冒険小説風味で派手なアクションと謀略戦が繰り広げられ、最後は過去に葬られた男女の欲望や悲しみがあらわになり、新たな悲喜劇を生むことになる。
確かに粗削りな部分やご都合主義な部分もあるが、スペインへの愛があふれた、情熱的なハードボイルド作品である。

iisan
927253Y1
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

カディスの赤い星の感想

ヨーロッパの歴史はあまり詳しくないので、歴史的な背景も含めて非常に良かったです。
ぐんぐんと引き込まれていきましたが、サントスが関係してきた登場人物についてはなんとなく予想がついてしまいました。かなり劇的すぎるきらいはありますが、それでもさすがに賞をとるだけのことはあるなあと思いました。政治的なことに対する日本人の感覚とヨーロッパ人の感覚の違いは秀逸で読み応えがありました。

▼以下、ネタバレ感想

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たこやき
VQDQXTP1

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