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終生の友として



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終生の友としての評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

冷戦終結後のスパイ小説は難しいなぁ

最初に。本書は2003年に発売され、2008年に光文社文庫「サラマンダーは炎のなかに」として刊行された作品を早川が改題した作品である。元の光文社版と全く同じもの(訳者も解説者も同じ)をまるで新作のように売り出すのは、いかがなものか。騙された方が悪い(自分は「サラマンダー」は未読だったので良かったが)のかも知れないが。
パキスタン生まれの英国人で主にドイツでスパイ活動を続けていたマンディと、ドイツ人で60年代終わりごろに反戦・平和活動でマンディと結び付いたサーシャの二人。それぞれが主義主張を持つまでの経緯、人生の拠り所となっていた冷戦構造崩壊後の日々が丁寧に解析され、時代を反映した人々の意識の変化が順を追って解説される。そして21世紀に入り、マンディとサーシャが再会した時、二人の変わらない友情と運命は…。
3.11後の米国・英国とグローバル資本による民主主義の破壊への怒りを迸らせる老大家の筆致は熱い。古き良き欧州の知性の覇気は極めて強いインパクトがある。
スパイ小説としてはやや物足りないが、現代政治を巡るサスペンスとして読み応えあり。オススメです。

iisan
927253Y1

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