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キリング・ヒル



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キリング・ヒル

キリング・ヒルの評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ディープサウスしかも山間の僻地なら、これもありかも

63歳で長編3作目という遅咲きのアメリカ人作家の本邦初訳。ケンタッキー州東部、アパラチア山脈の片田舎で、短期帰郷した米陸軍犯罪捜査官が殺人事件を捜査する犯人探しミステリーである。
妻・ペギーが妊娠したことを知り海外任地から戻ってきた米陸軍犯罪捜査官のミックは、郡保安官である妹のリンダから「町はずれの森林で発見された女性殺人事件の捜査を手伝って欲しい」と依頼される。女性であるがゆえに町の有力者たちから軽んじられているリンダは捜査から外されそうになっており、兄に助力を求めたのだった。妻の妊娠を機に帰郷したもののペギーとの仲がしっくり行かず鬱屈を抱えていたミックは、自分のためにもと捜査に関わったのだが、濃密な血縁関係と変わらない因習に凝り固まった町の住人はミックに対しても容易には心を開かず、事件の全体像も見えないうちに事件に誘発された殺人が起きてしまう…。
まるで大正・昭和前期の日本の片田舎のような重苦しい町の雰囲気がいやで陸軍に入ったミックの故郷に対する複雑な心理が重要なテーマとなり、犯罪捜査は二の次とまでは言わないが、本作の主要テーマではない。従って、純粋なミステリーとしてはやや力不足であるが、アメリカの複雑さ、捉えどころのなさを理解するには有益である。アメリカではすでに第3作まで書かれているようで、次作を見てから再度評価してみたい作家である。
アメリカ・ディープサウスの泥臭さを好む読者にオススメしたい。

iisan
927253Y1

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