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飢餓海峡



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飢餓海峡の評価: 9.00/10点 レビュー 4件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点9.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全4件 1~4 1/1ページ
No.4:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

飢餓海峡の感想

著名な大作である。入手する機会があったので手にした。読んだのは新潮文庫の文庫版(上・下)である。
とにかく読み応え十分。特に上巻は面白い。
著者のあとがきに書かれている「…無理な事件を設定しておいて、それに現実性をあたえる営為の苦しさは、よく出来上がれば楽しいが、なかなかうまくゆかないのが常だから…」とその苦労を書いている。
まさにこの小説の本質はそこにある。戦後から昭和30年初頭にかけての日本の地方の貧困。舞台となった北海道積丹半島・青森県下北半島・京都北部の舞鶴や丹波山地。その僻地ににある寒村・僻村。そこで生活する人々。なかなかリアルである。
Wikiで調べてみると、何度も映像化されている。主要登場人物の俳優陣もなかなかの顔触れ。確かに映像化にはもってこいのストーリーだと思う。
    1965年(映画)   1968年(TV)  1978年(TV)  1988年(TV)  1990年(TV)
杉戸八重 :左幸子     :中村玉緒   :太地喜和子   :藤真利子   :若村麻由美
樽見京一郎:三國連太郎   :高橋幸治   :高橋悦史    :山﨑努    :萩原健一
弓坂刑事 :伴淳三郎    :宇野重吉   :金内喜久夫   :若山富三郎  :仲代達矢


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マッチマッチ
L6YVSIUN
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

読まずに死ねるか!

史実の青函連絡船海難事故や戦後の荒廃した世相と風俗をもとに事件を起こした男と函館、札幌、舞鶴の刑事たちが必死に男の追跡を行い真犯人に迫っていく過程が描かれた物語。
札幌、函館の刑事たちの追跡から消えた男が10年の歳月を置いて再び事件を起こす。そのきっかけとなったのは一人の女。大罪を犯した男が10年前に人間らしい行いをその女に施したばかりに
自身に疑惑の目が向けられる結果となる皮肉。実際にあった海難事故。台風により転覆した青函連絡船。wikipediaによると死者・行方不明者1155人となっている日本の海難史上最大の惨事である。
浜に打ち上げられた何百という死体。乗船名簿と遺体を引き取りに来た遺族の照合のあとに残った遺体が二つ。誰も引き取りに来ない遺体が二つ残った。頭に傷のある二つの死体。
ひとりの刑事が不審を覚える。しかし、大惨事の中で体に傷を負った死体はおかしくはない。それが大方の意見であった。出航間際に乗り込む人間もいてそんな場合は名簿に記載しないこともあったという事実。
大勢に押し切られる形で一人の刑事の思惑は消えていく。そして函館から130キロほど離れた町で火災が起きる。台風の風に煽られた炎は町の三分の二が焼失する大火事となった。
火元の質店では一家四人が殺害されていた。地道な聞き込みだけで調べを進める刑事たち。昭和22年という時代では今の科学捜査など夢物語だ。
丹念に世相を切り取りながらそれぞれの人生が描かれる物語。敗戦国の貧しさが生んだともいえる事件。単行本上下巻に収められたこの物語は読まずには死ねない。

ニコラス刑事
25MT9OHA
No.2:
(9pt)

逃避行

映画も歴史に残る傑作でした。

わたろう
0BCEGGR4
No.1:
(9pt)

日本は貧しく、飢えていた


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