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シルバービュー荘にて



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【この小説が収録されている参考書籍】
シルバービュー荘にて
シルバービュー荘にて (ハヤカワ文庫NV)

シルバービュー荘にての評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

巨匠90歳での遺作は、実に見事なスパイ小説なり

言わずと知れたスパイ小説の巨匠の90歳での遺作。冷戦下から冷戦後もイギリス情報部のために働いたスパイと情報機関の重苦しい関係を描いた、従来とは異なるパターンの傑作である。
不機嫌な若い女性がイギリス情報機関の国内保安責任者に、「母からあなたに直接渡せと言われた」という手紙を渡すところから始まる物語は、イギリス情報機関内部の綻びを見せながら、スパイとなる人物たちの心の奥深くに分け入っていく。これまでのル・カレ作品の中心だった、非情で知性だけを頼りに生きている辣腕スパイたちが火花を散らす謀略戦とは異なり、一人のスパイが抱える心の闇と悲哀が切ない。それでも、ル・カレならではの純粋なスパイ小説であり、傑作と言える。
ル・カレの遺作という以上に良質なスパイ小説として、全てのスパイ小説ファンにオススメしたい。

iisan
927253Y1

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