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爆弾



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【この小説が収録されている参考書籍】
爆弾
爆弾 (講談社文庫)

爆弾の評価: 6.67/10点 レビュー 3件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.67pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

無敵の人に翻弄される刑事たちが、ちょっとダルいが

2023年版の国内ミステリーランキングで2冠を獲得した大ヒット作。連続爆弾事件を実行する、悪意の塊のような中年男に振り回される刑事たちの焦燥と戦慄を描いたサスペンス・ミステリーである。
軽微な傷害事件で逮捕された冴えない中年男が取調べの刑事に爆弾事件を予言し、事実、爆発が起きた。しかも、この後、二度、三度と爆発が起きると言う。予言しただけで肝心の情報を漏らさない男に対し、警察はあの手この手で情報を引き出そうとするのだが、男はのらりくらりとはぐらかすばかりで、逆に刑事たちが心理的に翻弄されてしまう。次の爆発を防ぐために情報を得たい警察の焦りを狡猾に利用する男の悪辣さ、それと対照的な真面目な刑事たちの情の深さと弱さが見事なコントラストを見せ、日本のミステリーでこれほど反感を招く悪役も珍しい。さらに、犯行の動機には社会に対する得体の知れない悪意があり、しかも警察内部の人間関係が捜査の進展を複雑にしてサスペンスを盛り上げる。ストーリーの中盤、無敵の男と刑事がクイズ合戦を繰り広げる部分は白けるが、それを補って余りある緊張感とスピードがある。
警察ミステリーのファンのみならず、多くの方が楽しめるサスペンス・ミステリーとしてオススメする。

iisan
927253Y1
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

爆弾の感想

警察小説の爆弾もの。
爆弾による緊迫感。愉快犯との頭脳戦。先が気になる展開で止め時が見つからない読書でした。非常に面白かったです。

著者の作品は初読み。年末のミステリランキングで目にしたので手に取りました。今まで著者の本は凄く難しそうで硬派なイメージを持っており、手に取る事を躊躇していました。ランキングを切っ掛けに手に取ったわけですが、そんなイメージは杞憂でして大変読み易いエンタメでした。食わず嫌いだったと思った次第。

スズキタゴサクという不気味なキャラが強烈で良い。いわゆる無敵の人であり常識が通用しない相手。警察を翻弄し次に何をしてくるのか、そして何を考えているのかが不安と期待で読んでしまう。この気持ちは著者の悪だくみが組み込まれており、読者は傍観者だから楽しんでいるという毒を感じました。そう表現する登場人物やセリフもあり巧いなと思います。

非常に楽しめた読書だったからこその気持ちですが、欲を言うと最後の結末への展開が駆け足に感じました。前半、中盤、後半と8割ぐらいまではハラハラドキドキで警察と一緒に翻弄される読書でしたが、最後の終盤だけ正答だけ突き進んで物語が急に終わってしまって置いてけぼりになった気分なのが少し勿体ない。印象としては推理して真相に辿り着くのではなく犯人や神の声で真相を全部喋っちゃった系の感覚。ページ数を400台に収める為に削られたのかなとも感じ、もう少し推理模様があれば本格ミステリとしても行けたんじゃないかと感じました。と、面白かったゆえの欲ですね。

egut
T4OQ1KM0

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