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亡国のハントレス



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【この小説が収録されている参考書籍】
亡国のハントレス (ハーパーBOOKS)

亡国のハントレスの評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
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(8pt)

またも力強い歴史ミステリーだ

「戦場のアリス」がヒットしたクインの第二次大戦ミステリーの第2弾。ポーランドにいた冷酷な女殺人者を追うナチス・ハンター物語。主要な登場人物は「ザ・ハントレス」と呼ばれた女、彼女に弟を殺害されたジャーナリスト、戦場カメラマンを夢見る女子学生、戦時中は爆撃機に乗っていたロシア人女性の4人で、時代はロシア革命後の1920年代から50年代まで、舞台はシベリアからヨーロッパ、さらにボストンにまで広がっていく壮大な歴史ミステリーである。
戦後のウィーンでナチ・ハンターとして活動している英国人の元ジャーナリスト・イアンには、是が非でも捕まえたい女がいた。ポーランドでイアンの弟をはじめ幼い難民の子供たちを殺した「ザ・ハントレス」と呼ばれる女で、その所在を知る手がかりはまったくなかったが、ハントレスの魔手を逃れたロシア人女性ニーナにも協力を仰ぎ執拗に追い詰めようとしていた。同じころ、ボストンの女子学生・ジョーダンは父の再婚相手・アンネリーゼに不信感を抱いていた。
登場人物の背景を知ると分かる通りアンネリーゼがハントレスなのだが、それが判明するまでのプロセスが緻密で、クライマックスへのストーリー展開も緊迫感がある。しかし、何といっても魅力的なのがロシア人女性・ニーナである。バイカル湖畔で飲んだくれの暴力おやじのもとでサバイバル技術を身に着け、ロシア空軍の爆撃部隊に所属し、ポーランド戦線で脱出し独力で生き延びたという野生児で、粗野な言動と強烈なキャラクターは一読、忘れ難い。ニーナの造形に成功しただけで、本作は傑作と呼べる。
前作同様に第二次大戦にテーマを取った歴史ミステリーだが、前作以上の傑作で、現代史ミステリーのファンには自信をもってオススメする。

iisan
927253Y1

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