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帰らざる故郷



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【この小説が収録されている参考書籍】
帰らざる故郷 (ハヤカワ・ミステリ)

帰らざる故郷の評価: 8.50/10点 レビュー 2件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.50pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(9pt)

ジョンハートは兄弟ものが上手い!

「キングの死」もそうですが、ジョンハート氏の描く兄弟愛はホント群を抜いています。
どうしてここまで書けるのか不思議なくらいです。

スタンドバイミー的な場面もあり、どこか懐かしささえ感じます(アメリカのことは何も知らないのに)
こういった郷愁や青春の甘酸っぱさや育った場所への郷愁。
どこを切り取っても満点だと思います。

記憶に残る一冊になりました。


ももか
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No.1:
(8pt)

悪役の圧倒的な存在感に注目!

アメリカ・ミステリー界の巨匠の長編第7作。ベトナム戦争時の南部の町を舞台にした社会派であり、家族小説でもあるサスペンス・ミステリーである。
1972年のノース・カロライナ州シャーロットの街に、ジェイソン・フレンチが帰ってきた。ベトナムに従軍し不名誉除隊になったあと、麻薬で服役していたのが出所したのだった。出来の悪い息子の帰還は、警官である父・ビル、母・ガブリエル、弟・ギビーの一家に不吉な影を及ぼした。さらに、若い女性の凄惨な殺害事件が起き、ジェイソンが容疑者と目されたことから一家崩壊の危機にさらされる。警官の立場と父親の立場で板挟みになるビル、兄の無実を信じるギビー、二人はそれぞれの信念で事件の真相を追い求めるのだが、事件の裏には想像を絶する悪の存在があった…。
物語の通奏低音にはジェイソンがベトナム戦争で壊れてしまった理由があり、父、兄、弟の三者三様にそこに絡めとられているのが悲劇的。当時のアメリカの泥沼化したベトナム戦争による閉そく感と絶望がひしひしと伝わってくる。しかし、何といっても本作で最も強いインパクトを与えるのは刑務所に収容されている大量殺人犯・Xである。冷酷非情、頭脳明晰、肉体強健のみならず大富豪でもあり、地下二階の特別室から刑務所を支配しているという、いわばレクター博士とメキシコ麻薬カルテルのボスを合わせた悪役と言える。このXとジェイソンの関わりが物語のキーポイントになるのだが、その部分の理由付けが弱いのが全体の評価を下げる要因になっているのが惜しい。
家族小説的ミステリー、社会派サスペンス・ドラマのファンにおススメする。

iisan
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