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老いた殺し屋の祈り



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【この小説が収録されている参考書籍】
老いた殺し屋の祈り (ハーパーBOOKS)

老いた殺し屋の祈りの評価: 9.00/10点 レビュー 1件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点9.00pt

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No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

イタリアにもいた! 還暦過ぎのハードボイルド・ヒーロー

イタリア人ベテラン脚本家の小説デビュー作。還暦をとうに過ぎた殺し屋が40年間秘めて来た願いを叶えるために組織に逆らい、生き別れた妻と娘を捜す旅に出る、情感あふれたノワール・エンターテイメントである。
心臓発作に襲われ緊急手術を受けたマルセイユの国際犯罪組織の老殺し屋オルソは、病室で目を覚まし、これまでの自分の人生を振り返ったとき、40年前に組織のために別れることになった妻・アマルと娘・グレタに一目会いたいという、狂おしいまでの思いが募って来た。しかし、オルソを訪ねて来た組織のボス・ロッソは、周りから不死身の殺し屋として恐れられ自分の右腕と頼むオルソが軟弱になることを嫌い、アマルとグレタを探す手がかりの情報をくれたものの、組織としての手助けは一切しないと宣告した。二人がイタリアに暮らしているとの情報をつかんだオルソは、ボスの意向に反しひとりイタリアへと旅立ったのだが、目的地に着く前に列車内で正体不明の2人組に襲われた。その場はかろうじて逃れたものの、敵は次々と襲って来た。オルソの命を狙うのは誰か、孤立無援のオルソは組織の古くからのメンバーも信じられず、孤独な戦いを進めるしかなかった・・・。
イタリアのテレビ、映画界で活躍するベテラン脚本家だけあって、ストーリー展開がスピーディーだし、エピソードが映像的だし、主要登場人物の絵が無理なく浮かんで来るほどキャラ設定が巧みで、まさに第一級のアクション・ドラマである。さらにチャンドラーやエルロイの影響を強く感じさせるノワール要素、ハードボイルド要素もレベルが高い。最近、一つのジャンルを確立した感がある「高齢者ハードボイルド」だが、その中では最も娯楽性が豊かな成功作と言える。
老ヒーローもの、ハードボイルド、不器用な男の再生物語のファンに自信を持ってオススメする。

iisan
927253Y1

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