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おれたちの歌をうたえ



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【この小説が収録されている参考書籍】
おれたちの歌をうたえ

おれたちの歌をうたえの評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

半熟だけど、ハードボイルドの風味あり

いくつかの賞を得ている中堅作家の2021年の書き下ろし長編。還暦間近の元刑事が子供時代の因縁を引きずって仲間の死の真相を探る、謎解きミステリーである。
元警視庁捜査一課の刑事で、現在は派遣風俗のドライバーで身過ぎしている河辺のもとに、見知らぬ男から「あんた、五味佐登志って知ってるか」という電話があり、佐登志が死に、河辺宛の伝言があると告げられた。「栄光の五人組」と呼ばれて高校卒業まで一緒に育ってきた仲間の訃報に、仕事を放棄して松本市まで駆けつけた河辺が見たのは、衰弱しきって死んでいる佐登志と、彼の面倒を見ていたという地元のチンピラ・茂田だった。茂田の話では、佐登志はM資金の金塊を隠した場所の暗号を含んだ詩文を残しているという。金塊を手にしたい茂田と佐登志の死の真相を知りたい河辺は互いに反発し合い、対立しながらも一緒に真相を探り始めたのだが、そこには40年前、10年前からの「栄光の五人組」につながる深い闇が隠されていた…。
70年代の左翼過激派の活動、朝鮮人差別、警察・検察の内部事情などの社会的要素を背景に、素人と半グレが主役となる謎解きが本筋で、斜に構えたヒーローの軽口、鋭い推理がハードボイルド風味を醸し出している。ただ、暴力があまり得意でないという日本のハードボイルドの主役の枠を超えていないので、読みごたえは半熟である。謎解き(暗号の解明)部分も独り善がりでピンとこない。
良くも悪くも日本のハードボイルドであり、それなりに楽しめることは間違いない。

iisan
927253Y1

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