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ベルリンで追われる男



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【この小説が収録されている参考書籍】
ベルリンで追われる男 (創元推理文庫)

ベルリンで追われる男の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ヨーロッパで暮らす黒人は、あまりにも悲惨

デビューからの3作品が次々にドイツ・ミステリー大賞を受賞したという実力派の本邦初訳作品。不法残留者であるアフリカ系黒人青年が、殺人を目撃したことからベルリンの街中を逃げ回る逃走と追跡のサスペンスである。
ガーナ出身のコージョは失職したため不法残留者となり、日々、当局の摘発を恐れながらトルコ人街のカフェで働き、愛人のドイツ人女性が管理する空きビルで寝泊まりしていた。ある夜、ねぐらの向かいのアパートに住む娼婦が殺害されるのを目撃したコージョは現場を見に行き、犯人がアパートから出るのに遭遇し、さらに住人に目撃されてしまう。目撃証言から警察は黒人青年を容疑者として探し始めた。強制送還を恐れて、無実を訴えて警察に出頭することもできないコージョは自力で犯人を探そうとするのだが、逆に真犯人からも追われることとなる…。
とにかく逃げて、逃げて、逃げ回るコージョがあまりにも悲惨で同情を禁じ得ない。普通に暮らしているだけでも、周りのドイツ人だけでなく警察にも常に疑惑の目で見つめられるストレスは想像を絶するものがある。移民、難民に寛容な国というドイツのイメージが覆されることは間違いない。アフリカ系移民の生きづらさという社会派のテーマだが、物語はスピーディーなサスペンス作品に仕上がっている。
平穏な日常に隠された社会病理を描くミステリーが好きな方にオススメする。

iisan
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