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異セカイ系



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【この小説が収録されている参考書籍】
異セカイ系 (講談社タイガ)

異セカイ系の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

異セカイ系の感想

メフィスト賞受賞作。かなり尖がっている奇抜な作品でした。

ライトノベルではお馴染みの『異世界転生』ジャンルを用いたメタフィクション小説。作者・読者・現実世界・空想世界を認識し、影響まで起こせるような構造設定となっています。この世界観の作り方がとても巧い。
あらすじにある通り、主人公は小説投稿サイトに小説を投稿している作者。自分の作品世界と現実世界を行き来できる現象に出くわします。自分の作品のどの章からでも入れるというわけではなく、序章から時間軸に沿って転生できます。自分の書いた小説通りに話が進行するので未来がわかる神様視点の作者。姫と良い関係を築いている所で、姫の母親が黒騎士に殺されてしまうシーンを書いている事を思い出します。姫を悲しませないように、現実世界へ戻り小説投稿サイトの編集機能で内容の変更を試みるわけですが、ここの構成はSFやセカイ系作品でおなじみのタイムパラドックス・過去改変物なのです。
現代的な要素を用いて、やりつくされた感がある古典の再構築というのはとても素晴らしく刺激的でした。で、単純な過去改変作品というわけではなく、現実世界・小説世界を認識する作者。そして投稿サイトの存在や本書を読む読者の世界などなど、世界の階層構造が本書によって一体化するような不思議な作品だと感じました。メタ構成の作品は世の中いろいろありますが、本書は現代的な要素を用いた新しさを生み出しています。

正直な所、最初の数ページの文章の砕け具合を読んだ所では好みに合いそうにないと感じる読者は多いと思います。立ち読みでサラッと数ページ読んで違うと思って買われなさそう。そんな出だし。ラノベやファンタジーの「設定」に許容がある必要もあります。ただ、奇想の変わった作品に触れてみたい方にはアリかと思います。
その他思う所として、読書中は舞城王太郎『ディスコ探偵水曜日』を思い出しました。駆け抜ける世界のごちゃまぜと、細かい事を気にさせないで一気に収束させちゃう流れ。あんな感じをライトに楽しめた作品でした。好みは人それぞれですが、奇抜な『メフィスト賞』をとても感じさせる作品で記憶に残ります。なんだかんだで凄いものを読んだ気がして面白かったです。

▼以下、ネタバレ感想

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egut
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