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メソッド15/33



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【この小説が収録されている参考書籍】
メソッド15/33 (ハヤカワ文庫NV)

メソッド15/33の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
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No.1:
(7pt)

高校生妊婦の「目には目を」

アメリカの女性ミステリー作家のデビュー作。拉致監禁された妊婦(高校生)が知恵と勇気で脱出を成功させた経緯を、17年後に回顧するという物語である。
登校途中に拉致され、一人で監禁されている女子高校生は、お腹の子供を売買する目的で誘拐されたことを知る。実は彼女は極めて特殊な科学的頭脳を持っていて、身の回りにあるものだけを使って犯人に復讐する計画を立て、実行するチャンスを虎視眈々とうかがっていた。そしてある日、計画を実行し、犯人を殺害して逃げ出すのだが、思いも寄らぬ事態に直面することになる。
一方、誘拐事件専門チームに所属するFBI捜査官は、自分の弟が誘拐された経験から誘拐犯を憎悪しており、個性的な相棒とのコンビでFBIの規則も無視して捜査にのめり込んで行く。
誘拐された妊婦とFBI捜査官のそれぞれの独白で、交互にストーリーが展開し、犯行の動機、いかれた犯人の心理、凄惨な犯行様態などが明らかになって行く。事件そのものは凄惨で醜悪なのに、読んでいて嫌悪感が少ないのは、ストーリーの重点が犯行ではなく、ヒロインの脱出に置かれているからである。とにかく、彼女の超人的な能力に驚かされるばかりである。
普通の翻訳ミステリーには必ず付いている登場人物リストが無いので不思議に思ったのだが、途中でその理由が判明すると、なるほどと手を打ち、編集部の配慮にニヤッとさせられた。
女性が監禁される小説としては「その女アレックス」というより、「クリスマスに少女は還る」に近いテイストと言える。

iisan
927253Y1

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