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満潮



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【この小説が収録されている参考書籍】
満潮〈上〉 (創元推理文庫)
満潮〈下〉 (創元推理文庫)

満潮の評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(8pt)

最初から最後まで、巧い!

マルティン・ベックシリーズの映画化を担当してきたという脚本家夫妻による、スウェーデンの人気シリーズの第一作。冒頭から結末まで読者を飽きさせない、完成度が高いエンターテイメント・ミステリーである。
1987年夏の大潮の夜、スウェーデンの小島の海岸で頭だけを出して砂浜に生き埋めにされた女性が満ち潮に溺れて溺死した事件は、未解決のままになっていた。2011年、警察大学の学生オリヴィアは、未解決事件を調べるという夏休みの課題に、この事件を選択した。実は、オリヴィアの亡き父親が捜査を担当した事件でもあった。オリヴィアは、事件当時の父親の同僚警官たちから話を聞こうとするのだが、捜査責任者だった警官は退職し、行方不明になっていた。それでも諦めきれないオリヴィアが調査を進めると、意外な過去の出来事が明らかになり、オリヴィアの身に思いもよらない危険が襲いかかってきた・・・。
未解決の殺人事件の再捜査を本筋に、ホームレス暴行事件、企業の横暴などの社会派アイテムをちりばめ、700ページあまりの全編にわたって緊張感があるストーリーが展開される。シリーズの中心になる人物たちはもちろん、本作にしか登場しないような人物までキャラクターがしっかり造形されていて、非常に読みやすい。また、ところどころに出てくるエピソードや警句が気が利いているのも、さすがに一流の脚本家である。
北欧の警察小説らしい社会派の視点を持ちながら重くも暗くもなく、幅広いミステリーファンにオススメできる。

iisan
927253Y1

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