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楽園



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【この小説が収録されている参考書籍】
楽園〈上〉
楽園 下
楽園 上 (文春文庫)
楽園 下 (文春文庫)

楽園の評価: 7.00/10点 レビュー 4件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
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(6pt)

壮大な物語だが、サイコメトラーに興ざめ

大傑作「模倣犯」から9年後、事件で主要人物だったライター・前畑滋子が再び難事件の謎を解く、真相解明ミステリーである。
事件から9年を経てライターとして再起し始めた前畑滋子のもとに、12歳の息子を交通事故で亡くした母親が訪ねて来て「息子には超能力があったのではないか。真実を知りたい」と依頼された。子を思う母の真摯さにほだされた滋子が、超能力の現れだという遺された絵を手がかりに調査を進めると、16年前に殺害され自宅の床下に埋められていたという少女殺害事件に遭遇した。娘の殺害を自供した土井崎夫妻は、なぜ娘を殺したのか、なぜそれを16年間に渡って隠し続けてきたのか? 二人の子供の死を巡り、物語は家族の愛憎、死の受容、そして再起への苦闘という壮大なテーマのドラマへ広がって行く。
事件の真相解明のプロセス、事件の背景となる状況の説得力は力強く、謎解きミステリーとして極めてハイレベルである。しかしいかんせん、事件発覚のポイントが12歳の子供の超能力(サイコメトラー)というのが、何とも残念。さらに、滋子が事件の真相を確信したのも超能力の存在を信じたからというのも、ファンタジー的で納得できなかった。それでも、最後まで引きつける物語としての魅力を失っていないのはさすがである。
「模倣犯」を読んでいてもいなくても楽しめる。超能力、サイコメトラーなどに関心がある人にはオススメだ。

iisan
927253Y1

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