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ヴァイオリン職人の探求と推理



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【この小説が収録されている参考書籍】
ヴァイオリン職人の探求と推理 (創元推理文庫)

ヴァイオリン職人の探求と推理の評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
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(8pt)

63歳の素人探偵デビュー!

1958年生まれというから遅咲きの英国人作家ポール・アダムの本邦初訳作品。タイトルの通りにヴァイオリン職人である63歳の素人探偵が主役の静かな味わいのミステリーである。
イタリアのヴァイオリン職人・ジャンニの親友で同業者のトマソが殺害された。共通の友人で地元警察の刑事であるアントニオに協力して犯人探しを始めたジャンニは、トマソが極めて高価なヴァイオリン、幻のストラディヴァリを探してイギリスに行っていたことを突き止めた。金銭的に豊かでなかったトマソがイギリスまで行ったのは、古いヴァイオリンのディーラーかコレクターの依頼に違いないと見当をつけたジャンニは、ヴァイオリンの名器を取引する業界の知り合いに探りを入れ始め、別の殺人事件に遭遇することになった。
主人公は真っ当で誠実な職人だが、幻の名器を巡って巨額の金銭が飛び交う業界は、悪徳ディーラー、詐欺師、贋作師が跋扈し、真実と嘘の見分けがつかなくなる闇の世界だった。ジャンニは持ち前の豊富な知識と人脈を活用し、歴史の謎を解きながら一歩一歩真実に近づいていった。
63歳の素人探偵が主役なので派手なアクションシーンやサスペンスの盛上りはなく、淡々のストーリーが流れていくのだが、所々に挿入されている深い人生経験に基づいた言動がじんわりと心を温めてくれる。ミステリーとしてもレベルが高い作品だが、ヒューマン小説としても高く評価できる。古典的な探偵小説ファン、アームチェアディテクティブのファンにオススメだ。

iisan
927253Y1

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