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インテリぶる推理少女とハメたいせんせい



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インテリぶる推理少女とハメたいせんせいの評価: 7.50/10点 レビュー 2件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.50pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

インテリぶる推理少女とハメたいせんせいの感想

ライトノベルの作風で描くミステリのメタフィクション。
かなりトンデモナイ内容なので人に薦め辛い。この本が面白いというと白い目で見られそうな扱い注意本なのですが、かなり個性的かつ他を寄せ付けない狂気の怪作である事が印象に残りこの点数としました。

孤島に赴任してきた先生は強姦魔。表紙に描かれている少女を犯せば文芸部全員分達成となる具合。まず本書で目に付くのは"強姦"の文字。1ページに何回書かれるんだというぐらい頻繁にでてくる。それに関連した下品で低俗で卑猥な言葉を乱発し続ける。先生の頭の中は終始その事だけで続くので、まず下品な話が苦手な人は本書を避けるべきです。一方、実際の行為は行間で略されて描かれないので猟奇やエロを求める人にも不向き。官能的でもなく卑猥な言葉はライトノベルテイストで軽く描かれているので、読後冷静になって見渡すと単純な記号として扱っているんだなと思いました。
対する表紙の少女の「比良坂れい」はミステリ脳の推理少女。すべての物事には理由があり伏線として活用されるんだと、ある種ミステリ好き読者を揶揄するような造形です。先生に好意を持っており先生の犯罪は勘違いの噂か何か理由があるべき行動なのだと名探偵ばりに都合のよい解釈で論じていきます。が、実際に犯行をしている先生は、んなわけないだろ!と推理を否定したりします。
まとめると、終始、性的思考の犯罪者と犯罪者だと思いたくない迷探偵の推理の掛け合いが展開される話です。

上記の下品な内容や読み辛く勢いだけとも感じる散文な文章が障壁となりますが、それを乗り越えられる人は現代的なミステリのメタフィクションを楽しめます。
物理トリック、心理トリックの可笑しさ、孤島のシチュエーション問題、叙述トリックの扱われ方というミステリの小道具の話。古典ミステリが嫌い、何故ミステリは古典を知らないと馬鹿にされるのか、過去に同じ仕掛けがあるとか言われても読んでませんし、新しい作品を純粋に楽しんでいいじゃないですかという読書側の話。罪が重いのは殺人の方なのに強姦ばかり嫌悪され、子供の虐殺はよく性表現は禁じられるという表現の問題。
などなどミステリに関する著者の面白い視点の指摘を楽しめました。なので強姦やラノベ的表現など敢えて強烈にやっている事もわかりますし、最後の話の閉じ方も読者が求めるミステリ的な結末にはしませんよ。するならこんな風ですかね。という事前告知で表現しているのがワザとだと感じました。

そしてそして、こんな風に前向きに考えてしまう事や文脈を拾って色々解釈してしまう行為は、迷探偵のミステリ脳と同等の扱いを受けている事に気づき慄いてしまいました。
本書の評価について、多くの人は投げ本になると思いますのでお薦めしませんが、ラノベ耐性と寛大さと冒険心で触れるのもまた経験な気もします。
個人的には2010年代の奇書扱いとなりました。こういう頭がおかしい作品(褒め言葉)は好みです。

egut
T4OQ1KM0
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

インテリぶる推理少女とハメたいせんせいの感想

途中まで読みづらさと終着点のみえなさで挫折しかけたが、読み終わってみるとかなりテクニカルなアンチミステリにしてメタミステリだった。古典を持ち上げたがる事に対する皮肉の様な事が描かれていたのには笑えたし、好きな作家の名前が出てきたのはちょっと嬉しかった。あそこの超展開で終わってたら壁に投げつけ(比喩表現)る所だったがそれは幸い避けられた。

水生
89I2I7TQ

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