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(短編集)

風ヶ丘五十円玉祭りの謎



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風ヶ丘五十円玉祭りの謎の評価: 6.00/10点 レビュー 2件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.00pt

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(5pt)
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「風ケ丘五十円玉祭りの謎」の感想

第22回鮎川哲也賞受賞作でもある「体育館の殺人」は読んでいますが、二作目の「水族館の殺人」は、文庫待ちにしています。
一作目の読後は、二作目も買う予定でしたが、見送りました。なぜか学園ものって、好きじゃ無いですね。
本書は、このシリーズの三作目になります。紙の本じゃなく、電子書籍で読みましたが、前作・「水族館の殺人」を読んでいないとわからない話が少し出てきますし、舞台設定や登場人物なども共通しているので、やはりシリーズものは中抜きだとちょっと読みづらい・・・と、今更ながら納得です。

「もう一色選べる丼」
誰かが、学食の外へ持ち出して食べたどんぶりが、きちんと返却せずに置き去りにされていたのはなぜかと言う話です。好きな具が二つ選べる学食名物の「二色丼」と言うことですが、私なら、カツ丼と牛丼の二色です(笑)
この話は、時間的には、「体育館の殺人」と「水族館の殺人」の間に位置する話のようです。
なかなかよくできていると思ったのは、「なぜ」置かれていたのかと言うところもそうですが、「誰」が置いたのかという犯人捜しになっているところです。
話の流れとしては面白いのですが、いくら嫌いなおかずが入っているからって、捨てるのはどうかと思います。

「風ヶ丘五十円玉祭りの謎」
夏祭りの屋台で300円のたこ焼きをかって、500円を出したら、50円玉4枚のおつりが来たと言う話で、調べてみるとどの屋台でもだいたい50円玉でおつりを出しているようだとわかります。
この話は、若竹七海が実際に体験したという「五十円玉二十枚の謎」に通じるところもあり、興味深く読みました。
「なぜおつりは50円玉ばかりなのか」という謎を解くと言うことで話は進んでいきますが、真っ先に探偵役の裏染天馬の取った行動が、お店の人に聞く・・・と言うことだったのには、思わず笑ってしまいました。
ただこの設定では、一件のお店じゃ無く、夏祭りの屋台全部と言うことになるので、大量の50円玉をどうやって各店に配布したのかと言うような疑問点は残ってしまいますし、ちょっとせこい話になっています。

「針宮理恵子のサードインパクト」
体育館の殺人」に少し登場した、ちょっと不良っぽい外見の針宮理恵子を主役としたエピソードです。
彼女がこっそりつきあっている、ブラスバンド部に入っている一年下のちょっと頼りない男子・早乙女が、クラブの先輩たちにいじめられているのではという疑問を持つ話です。
ミステリとしての出来はイマイチかと思いますが、ちょっとありそうな話なので、私としては面白く読みました。

「天使たちの残暑見舞い」
演劇部のOBが部室に残したノートに書かれていた、教室に居た二人の女子生徒が消失すると言う謎を解くという話ですが、その時の状況を実際にさせてみるというところが、ちょっと可笑しかったです。
消失事件の解釈としては、それなりに良く出来ているとは思いますが、こういう設定はどうも嘘っぽくていけません。
でも、最後に出てきた袴田柚乃の推理の方は、なかなか楽しめました(笑)

「その花瓶にご注意を」
私立緋天学園中等部に在籍する、天馬の妹・裏染鏡華を探偵役とする話です。どうやら彼女は、「水族館の殺人」に登場しているんですね。
放課後、廊下に飾られていた大きなガラスの花瓶が、床に落ちて割れているのが見つかり、その犯人捜しと言うことです。
花瓶の割れた音がしなかったと言うことから、一人の生徒に目星をつけ、対決しますが、「風ヶ丘五十円玉祭りの謎」で出会った裏染鏡華とは、イメージがまるで違うので驚きです。
でも、読者が参加できないような謎は良くないですね。

「世界一居心地の悪いサウナ」
おそらく裏染天馬とおぼしき人物が、スパなどの温泉施設のサウナで、「世界に二番目に会いたくない相手」と遭遇した一幕の話です。
よくわからない内容ですが、この話が次作に繋がっていくのでしょうか?
それにしても、それじゃ、世界で一番会いたくない相手って誰なんでしょうね・・・?

トラ
WFY887SY

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