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ブラック・フライデー



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【この小説が収録されている参考書籍】
ブラック・フライデー (ハヤカワ文庫NV)

ブラック・フライデーの評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

主人公の設定が凝っている

ウォールストリートで20年以上の勤務経験を持つ著者が自身の体験をもとに書き上げたデビュー作で、2013年のシェイマス賞最優秀新人賞の受賞作である。
最近目にすることが多い金融サスペンスものだが、花形トレーダーとして大金を稼いでいたのに不正行為で2年間服役し、出所したばかりという主人公・ジェイスンの設定が面白い。裁判所命令で金融関係には就職できず、とりあえずの現金が欲しいジェイスンは、証券会社の最高財務責任者から「事故死した若手社員の取引に不正があるかどうかを確認して欲しい」という依頼を受ける。非協力的な社員や乏しいスタッフに苦労しながら調査を進めたジェイスンは、大掛かりな不正行為の存在を発見し、FBIに協力して摘発しようとする・・・。
ミステリーとしての本筋は金融不正行為をめぐるサスペンスで、一筋縄ではいかないジェイスンの性格もあって、犯罪者やFBIなどとの虚々実々の駆け引きが面白い。しかし、本作品が高い評価を得たのは、ジェイスンが自閉症の息子・キッドと懸命に向き合って親子二人の生活を成り立たせようとする「父子の成長物語」でもあるからと言えるだろう。身勝手な前妻、その再婚相手、さらには世間の無理解に直面しながら奮闘するジェイスンとキッドに思わず声援を送りたくなる。
金融サスペンスというより、父と息子の心温まるハードボイルドとしてオススメしたい。

iisan
927253Y1

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