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黒のクイーン



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【この小説が収録されている参考書籍】
黒のクイーン (創元推理文庫)

黒のクイーンの評価: 6.50/10点 レビュー 2件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.50pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

やや重たいサイコミステリー

「夏を殺す少女」で日本デビューしたアンドレアス・グルーバーが、「夏を〜」以前に書いていた保険調査専門探偵ホガート・シリーズの第一作。シリーズはすでに第2作が発表されており、全3部作で計画されているという。
ウイーンの探偵ホガートが依頼されたのは、プラハの美術館に貸出した絵画が焼失した事件と、それを調査するためにプラハに派遣され、「焼失した絵画は偽物だ」という連絡をよこした後に行方不明になった保険会社調査員を探し出すこと。プラハでの調査を開始したホガートは、行方不明の調査員の足取りを追う中で、地元の女性探偵イヴォナと出会い、彼女が調査している猟奇連続殺人事件に関わることになる。
物語は途中から、保険会社からの依頼はそっちのけで連続殺人の捜査が中心になり、「あれ?」と思っているうちに意外な形で両者がつながり、一応の辻褄はあってくるのだが、やや強引な感じがするのは否めない。この点を始め、全体的に粗削りな印象を与えるが、古いモノクロ映画を偏愛する主人公のキャラクター設定が成功して、読み応えは十分。猟奇殺人のサイコパスが主題になっていることに加えて、「(プラハの中心を流れる)ヴルタヴァ川の霧の中では夢と現実の境界はあいまいになる」といわれるプラハの街も重要な役割を果たしている、やや重い印象のホラー風味サイコミステリーである。

iisan
927253Y1

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