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鉄鼠の檻



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鉄鼠の檻の評価: 8.00/10点 レビュー 5件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(8pt)

鉄鼠の檻の感想

百鬼夜行シリーズの中でも読み易かったと思います。本屋の京極堂が言葉で表すことのできない悟りの世界へ尊敬や畏怖を持って挑む…。禅の世界を堪能したと言った方がよいでしょうか。
「生きることこそ修行なり」。悟ろうなどとおこがましいこと考えたりしませんが、日々を大切に生きることが大切だということが、随所に出てくる公案に共にいどむことでじわじわとしみてきました。
「京極夏彦さんって何者~⁉」

はつえ
L7BVQMDY
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

「雪の山荘」ならぬ「雪の山寺」が舞台の連続殺人事件

『百鬼夜行シリーズ』の中でも特にブ厚い、文庫版で1300ページ超のボリュームの大作です。

舞台は雪山の奥深くに、時間を忘れたかのようにたたずむ禅寺、「明慧寺」。
そこは地図にも寺院名簿にも記録は無く、日本中の仏閣は全て知り尽くしていると言っても過言ではない京極堂ですらその存在を知らないという「幻の寺」だった。
寺では多くの僧たちが日夜修行の日々を送り、外界とは隔絶された独自の「社会形態」が構築されていたが、突如僧たちが次々と異常な形で殺害されていく事件が起こる……

今回も作者の知識量に感服させられます。
「禅」や「仏教の宗派」などについてとりあえずさわりだけでも理解したいなら、この本を読むのが一番ではと思ってしまう一冊でした。
登場人物たちの文字通り「禅問答」的なやり取りも非常に読んでいて面白かったです。

また、これまでの同シリーズ作品同様、題材はシリアスかつホラー調でありながら、個性的な登場人物のやり取りは、随所にユーモアも効いていて相変わらず楽しいです。
このシリーズのレギュラーキャラでは、自分はやはり榎木津が一番好きですね。もうこの人が登場してるだけで無条件に面白い!

舞台が物理的に完全に外界と隔絶されているわけではなく、警察の介入は普通に行われているため、クローズドサークル作品という括りには当てはまらないですが、社会的に外界から孤立した禅寺という空間や、次に誰が殺されるのかという恐怖感など、物語の雰囲気的にはクローズドサークル的な楽しみ方も出来る一作でした。

しかし、本格ミステリという観点で見ると、長さに関係なく物足りないです。
特に何かトリックが弄されてるわけでもなければ、犯人もロジックの元導かれるわけでもなく、理屈で言えば「誰が犯人でも良かった」形だった気がします。

改めてこのシリーズは会話や薀蓄や雰囲気をゆるりと楽しみながら読んでいくもので、「長いけどがんばって読もう」などと考えず、読みたい人が読みたいから読むべきだと思いますね。(まぁ本来それはこのシリーズに限ったことじゃないんですが)


▼以下、ネタバレ感想

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マリオネットK
UIU36MHZ

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